瀧川 正実 2015/4/17 18:50

千趣会は4月17日、「大丸松坂屋百貨店」やファッションビルの「パルコ」などを傘下に持つJ.フロント リテイリング(Jフロント)と資本業務提携し、持ち分法適用関連会社になると発表した。Jフロントは、千趣会が実施する第三者割当増資の引き受けと同社株主からの取得株式を合わせ、議決権割合で22.62%の株式を取得。Jフロントが千趣会の筆頭株主になる。資本関係を締結し、PB(プライベートブランド)やオムニチャネル化を両社で推進していく。

千趣会は第三者割当増資を実施し、議決権割合で17.62%の株式をJフロントに割り当てる。合わせて、Jフロントは千趣会株主5人から同5.59%の株式を買い取り、議決権割合で22.62%を取得する。

千趣会は第三者割当増資で約75億円を調達。Jフロントは102億円を投じて千趣会を持ち分法適用関連会社にする。振込期日は5月7日。

両社は2014年10月から、それぞれが得意とする事業領域と顧客基盤が異なっているため、業務提携についての協議を重ねてきた。PB商品の共同展開や販路拡大などでシナジー効果が期待できると判断。資本を含めた業務提携に至った。

千趣会は調達資金について、オムニチャネル戦略推進に向けたシステム投資、業務提携に関する投資資金として30億円を投じる。出荷体制・庫内システムなどの物流インフラ整備に30億円、残りを新ブランド展開における旗艦店舗開発、PB商品の共同開発などに投じる。

業務提携の詳細は次の通り。

  • 両社のPB商品の共同展開による販路拡大と商品原価低減
  • 顧客の要望に対して十分に対応できていない特定の商品群について、両社のリソース、ノウハウを活用した相互販売
  • 千趣会の商品開発力とJFRグループの店舗開発・運営、販売サービスを活用した、新規PB商品の開発と共同展開
  • 千趣会のEC事業のノウハウとJFRグループが保有する顧客資産やブランド力の活用による、EC事業の売上高・収益拡大
  • 千趣会の通信販売のノウハウやフルフィルメントを活用した、JFRグループ通信販売事業の業務効率化およびプラットフォーム再構築の検討
  • 相互のグループ資産、ノウハウを最大限に活用することによる利益創出
  • 上記を推進するため、業務提携推進委員会を設置

千趣会がJ.フロント リテイリングの持ち分法適用関連会社に

千趣会が運営するECサイト「ベルメゾン」(画像は編集部でキャプチャ)

カタログ通販大手を巡っては、ニッセンを傘下に持つニッセンホールディングスが2014年、セブン&アイ・ホールディングスグループの傘下に入った。セブン&アイグループが掲げるオムニチャネル戦略を推進するため、これまでニッセンはセブン&アイグループとの協業を進めている。

また、フジテレビグループがセシールを2009年に買収。2013年にはフジ・メディア・ホールディングスが、連結子会社のフジ・ダイレクト・マーケティング(FDM)とFDM100%子会社のディノス、セシールの3社を合併し、存続会社の商号をディノス・セシールに変更している。

イマージュホールディングス(当時、現在はアイジェイホールディングス)も2013年、セシール(当時)にグループの衣料品通販事業を譲渡するなど、ここ数年、カタログ通販業界では再編の動きが慌ただしくなっている。

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