内山 美枝子 2019/11/22 8:00

3年の休業期間を経て、渋谷PARCOが2019年11月22日にリニューアルオープンした。「FASHION」「ART&CULTURE」「ENTERTAINMENT」「FOOD」「TECHNOLOGY」という5つのテーマを軸に193の店舗が出店する。ターゲットは「ノンエイジ、ジェンダーレス、コスモポリタン」。世代や年齢を超え、世界中の都市生活者が集まるビルを目指す。

任天堂による国内初の直営オフィシャルショップ「Nintendo TOKYO(ニンテンドートウキョウ)」や、ポケモンセンター シブヤなど話題の店も多いが、ここではショッピングに関するテクノロジーの話題を中心にレポートする。

渋谷PARCOのオムニチャネル拠点「PARCO CUBE」

今後の方向性を提案していく売場と位置づけられているのが5階の「PARCO CUBE(パルコ キューブ)」。店頭での通常の買い物に加え、大型ディスプレイ・タブレットとアプリでオンラインで購入できる。

PARCO CUBE(パルコ キューブ)
フロア中央の白い枠に囲まれた店舗がPARCO CUBE。奥に大型ディスプレイ・タブレットが設置されている
PARCO CUBE(パルコ キューブ)
ランダムに表示される商品をタップして詳細を確認する。スマホアプリと連携させると「PARCO ONLINE STORE」で購入できる
PARCO CUBE(パルコ キューブ)
出店している11店舗のほとんどは婦人アパレルだが、アンカー・ジャパンの旗艦店「Anker Store」や、スマホケースの「UNiCASE」もある

アーバンリサーチ「トリおけーる」

同じく5階のURBAN RESEARCH iD、KBFでは、「URBAN RESEARCH ONLINE STORE」で気に入った商品を1週間取り置きできる店舗取り寄せ・取り置きサービス「トリおけーる」を実施。

URBAN RESEARCH iD、KBF
URBAN RESEARCH iD、KBFの店舗
「トリおけーる」
http://www.urstore.jp/torioki/より編集部でキャプチャ

世界初・メガネをかけたまま試着できる「MEGANE on MEGANE」

メガネをかけていると新しいフレームを試着した自分の姿がよく見えない……というのはメガネユーザーのよくある悩みだが、JINSの「MEGANE on MEGANE(メガネ オン メガネ)」では、メガネをかけたままモニタに向かい、試着したいフレームを指定の場所に置くと、モニターの中で自分のメガネが消え、試着したいフレームに変わる。

「MEGANE on MEGANE」
モニター右下の赤くなっているスペースに試着したい商品を置く。どれくらい似合っているかをAIが点数で表示してくれる
「TOUCH&COLLECT(タッチ アンド コレクト)」
アプリをかざすだけでコンタクトレンズの購入できる自動販売機「TOUCH&COLLECT(タッチ アンド コレクト)」も設置されている

自分だけのウェアを作れる「THE NORTH FACE LAB」

アウトドアプランドの「THE NORTH FACE」が、「THE NORTH FACE LAB」を渋谷PARCO 2階に開設。3Dスキャンシステムでサイズを計測し、カウンセリングを行うことで、目的と体型にぴったり合ったウェアを注文できる。素材やカラーのカスタマイズも可能。

「THE NORTH FACE LAB」
https://www.goldwin.co.jp/tnf/141customs/より編集部でキャプチャ

在庫を持たないショールーム「BOOSTER STUDIO by CAMPFIRE」

「BOOSTER STUDIO by CAMPFIRE」は、 CAMPFIREとパルコが共同運営するクラウドファンディング「BOOSTER」を通じ生まれた、デジタル製品、テクノロジー、アイデアなどを展示する常設型ショールームストア。テストマーケティングやプロモーションの場として、1ブース5万円+従量課金、または月額30万円で利用できる。

「BOOSTER STUDIO by CAMPFIRE」

「BOOSTER STUDIO by CAMPFIRE」の店内。天井に設置されたカメラで来店者を解析し、展示製品に関心を寄せた人数や属性、店舗内の行動パターンなどの回遊データを出展メーカーに提供する

「BOOSTER STUDIO by CAMPFIRE」
商品の隣にタブレットが置かれており、来店者は詳しい情報を見たり、その場でクラウドファンディングに申し込んだりできる。

自走式接客ロボット「temi」

「BOOSTER STUDIO by CAMPFIRE」には、パーソナルアシスタントロボット「temi(テミ)」の拠点がある。「temi」はAIアシスタント機能を持った自律走行ロボット。12月からは館内を回遊する「temi」に質問すると、離れた場所で操作しているスタッフが「temi」を通じて回答するといった実証実験を予定している。

自走式接客ロボット「temi」
Alexa対応のパーソナルアシスタントロボット「temi(テミ)」

メディアが編集する店舗

紙媒体、Web媒体のメディアが運営する店舗もいくつか見られた。“ニッポンの魅力、 再発見”をコンセプトに、日本のコト・モノ・人・場所の魅力を発信している『Discover Japan(ディスカバー・ジャパン)』は、同社初の直営店「Discover Japan Lab.」をオープン。毎月、特集内容に合わせて展示内容を変えていく。

Discover Japan Lab.
「Discover Japan Lab.」。2019年12月号の特集「人生を変えるモノ選び。」をテーマにした展示

美術出版社は、キャラリースペースとアートグッズの販売スペースを併設したカフェ「OIL by 美術手帖」をオープン。

「OIL by 美術手帖」
美術手帳が運営するアートのECサイト「OIL by 美術手帖」のリアル版といった位置づけ

ほぼ日刊イトイ新聞」からは、「ほぼ日による東京の文化案内所」をテーマにした店舗が登場。いま面白い美術展、演劇、コンサート、映画などをほぼ日のチョイスで案内し、関連アイテムを販売する。

「ほぼ日カルチャん」
4階にある「ほぼ日カルチャん」

接客を最大化するためのテクノロジー

店舗以外にも、装飾やディスプレイなど、さまざま分野でのテクノロジーを見られる店舗になったが、パルコ 代表執行役社長 牧山浩三氏は「モノを売る場として、接客あるいはお客様とのコミュニケーションを最大化するために、ブランドの世界観を表現する人たちを助ける役割としてテクノロジーを使いたい」と語った。

パルコ 代表執行役社長 牧山浩三氏
パルコ 代表執行役社長 牧山浩三氏

この渋谷PARCOという場所で、次の時代のアートやデザインを作っていく人たちが活躍し、それに感銘を受けて集う人が増え、いつの間にか自分も時代を作るメンバーに変わっていく。そんな実感が渋谷PARCOから生まれたら素敵だし、それが都市におけるPARCOの役割だと考えています。ここから刻々と変化していく渋谷PARCOに期待していただきたい。(牧山氏)

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