高野 真維 2/19 7:00

「Shopify」では購入フローの長さが課題であり、カゴ落ちやCVR改善の解決が簡単ではなかった。「Shopify」規定の決済フローを介するため、LPを差し込むことができず、悩む事業者も多かったのではないか。

購入フローの長さがEC事業者の課題にあがっていた「Shopify」。これに起因するカゴ落ちなどの課題を解決するツールを、「Shopify」向けアプリの開発などを行うハックルベリーが開発した。フォーム一体型のランディングページ(LP)を通じてワンステップ決済を実現する「CommChat(コムチャット)」。商品の購入フローが1ページにまとめることができ、エンドユーザーはチャット形式で回答するだけで決済まで完了できる仕組みだ。「コムチャット」開発責任者の須佐和希氏に取材した。

※【2/19 10:30に追記】「申込フォーム一体型ランディングページ」は、売れるネット広告社の商標です。この記事では、商品購入フローを1ページにまとめることやプレスリリースを踏まえ「フォーム一体型LP」と表記しています。

「コムチャット」の特徴とは?

「コムチャット」は最短1日で導入できるチャットボット。初期費用は0円で、利用は月1万円から。サービスの提供対象は主に「Shopify」利用事業者。だが、「Shopify」で構築していないWebページにも対応する。

「コムチャット」の特徴

  • フォーム一体型のチャットボット形式で「Shopify」標準決済が可能
  • 最短1日で導入可能
  • 社内にエンジニアがいなくても、マーケティング担当者だけで操作可能
  • チャットボットの作成数は制限なし
  • 初期費用0円、月額費用月1万円から利用可能

特徴は、チャットボットの会話を通じてフォーム一体型LPを生成し、そのページ内で決済まで完了できること。チャット形式に回答するだけで決済できるため、従来のフォーム一体型LPよりも離脱率改善、CVR改善につながるという。

ハックルベリー 須佐和希氏
ハックルベリー 須佐和希氏

「Shopify」の購入フローは、決済フローの長さが課題でした。入力の手間、ページ遷移数の多さ、会員登録の手間といったマイナス要素などから、決済フローで約7割の顧客が離脱してしまうという調査データもあります。決済までできるフォーム一体型LPにより、「コムチャット」はワンステップ決済を実現、カゴ落ち・カート落ちといった課題の解決につながるサービスです。単品販売、定期販売どちらのLPでも利用できます。また、LPではなく商品ページへの設置も可能です。(須佐氏)

チャットボット型のワンステップ決済によるCVR改善効果のイメージ
チャットボット型のワンステップ決済によるCVR改善効果のイメージ

「コムチャット」を試験導入した企業約100社のうち、90%以上が導入効果を感じているという。試験導入は2022年12月頃から開始した。

導入企業の効果実感
導入企業の効果実感

「Shopify」でワンステップ決済を実現するサービスは「コムチャット」が初めて。「Shopify」では商品購入の際、「Shopifyペイメント」を通さなければならない仕様のため、フォームをLPに埋め込むことができなかった。「コムチャット」はこの課題を解決するツールで、LPへの埋め込みを実現する。

なかには、「Shopify」から外部のフォーム一体型LPに遷移させて決済させる事業者もいるが、これは「Shopify」上の規約に抵触する可能性があるという。こういったリスクを軽減させることができる。

運用フローの手軽さに強み

特別な知識がなくてもマーケターだけで導入・構築・運用できる。あらかじめ用意されているシナリオからチャットボットを作成し、運用することが可能。「マーケティング担当者だけでPDCAを高速で回せる」(須佐氏)

運用上の特徴は次の通り。

  • チャットボットの作成:「Shopify」の商品URLを「コムチャット」運用画面で入力
  • シナリオの追加・並び替え:ドラッグ、ドロップで可能
  • チャットボットのテンプレートカラーは14色を展開
  • チャットアイコン画像、ヘッダーカラー、テキストなどの細かいカスタマイズも可能
チャットボット型の決済フロー(イメージ)
チャットボット型の決済フロー(イメージ)

「コムチャット」の導入は最短1日。導入後のチャットボット作成は最短10秒です。「コムチャット」は思い立ったらすぐに作成できる点が強みの一つ。シナリオ改善のフローも難しくないため、感覚的に改善できるところもポイントです。

一般的なチャットボットは、1つのチャットボットを作成する度に2か月以上の開発期間が必要になるので、その間に売上アップの機会損失が生じてしまうことも多々あります。
(須佐氏)

「コムチャット」導入の流れ
「コムチャット」導入の流れ

アップセル・クロスセルを狙える決済フローを実現

「Shopify」で構築したサイトの場合はURLの指定によってチャットボットを表示できる。それ以外の構築サイトでも、タグを埋め込むことで表示可能だ。

「Shopify」で構築したサイトでのチャットボット表示設定
「Shopify」で構築したサイトでのチャットボット表示設定

「コムチャット」の導入を特におすすめしたいのは、ECサイトの売り上げをアップさせたい事業者さん、インハウスのマーケターなど自社のCVR改善に苦慮している担当者さん、決済フローでの離脱率ダウンをめざすECサイトなど。チャットボットを通じて、決済時に別商品の合わせ買いを促すこともできるので、アップセルにも効果が期待できます。(須佐氏)

チャットボットの表示例月額1万円から利用可能
チャットボットの表示例月額1万円から利用可能

契約期間は6か月から。1CVあたり400円の従量課金制としている。最低利用料金は月額1万円。「月額最低利用料金は、リーズナブルな価格を自負しています」(須佐氏)

「コムチャット」の運用費用と契約期間
「コムチャット」の運用費用と契約期間

将来的には「コムチャット」によるワンステップ決済の離脱分析ができるレポート機能の提供も予定している。

レポート機能のイメージ
レポート機能のイメージ
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