2015年の「独身の日」は過去最大の演出を実施。爆発的な売上になるかもしれない

中国に駐在し、実際にECも手がけるエフカフェの高岡正人取締役が中国ECの状況をレポート(vol.10)
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中国のさまざまなECサイトがセールを同時開催することで中国最大のECイベントになった「独身の日」(シングルスデー)。2015年の11月11日が近づいていますが、今年の「独身の日」はさまざまな仕掛けが用意されています。11月11日に向けた「Tmall」の取り組みをレポートします。(2014年のレポートはこちら

「北京国家水泳センター」のイベントチケットは完売

中国の11月11日、通称「ダブルイレブン」「独身の日」は、日本でいう楽天スーパーセールを数十倍大きくしたようなもので、1年で最大の売り上げを記録する日です。ちなみに、2014年はわずか1日間で約1兆980億円(日本円ベース)をたたき出しました

この「ダブルイレブン」ですが、2015年はこれまでに類を見ない壮大なイベントになりそうです。

アリババは10月19日、北京で「ダブルイレブン」のイベント詳細を発表しました。

発表の様子

中国で最も有名な映画監督の1人である「馮小剛」氏を総合演出に迎え、中国で一番視聴率の高いテレビ局である湖南衛星テレビとタイアップ(ちなみに湖南衛星テレビは、ロゴマークからマンゴーTVという名で親しまれています)します。イベント名は「Tmall 2015 11 11 狂喜の夜(天猫2015双11狂欢夜)」

さらに、11月10日の夜20時から生中継を行い、観客を動員してカウントダウンを行うとのこと。会場は北京オリンピックの水泳競技を行った北京国家水泳センターです。

当日は中国の有名人である歌手のアダム・ランバート氏、韓国の人気バンドCNBLUE、先日の世界水泳で金を獲得した寧澤濤氏などが登場。多くの芸能人が集まり、イベントを盛り上げるそうです。イベント当日のチケットはすでに手に入らない状態です。

まるで、大晦日の夜のような盛り上がりです。

イベントが行われる北京国家水泳センター

事前に総額600億円以上のネットクーポンを発行

今回、11月11日の成功に向けて2つの大きな事前キャンペーンが行われました。

1つ目は10月24日に開始され、「独身の日」のTmall内で使えるクーポンくじの発行。1人1元(約20円)から1111元(約2万2200 円)を約1億枚発行しました。

2つ目は、11月1日に開始した約30億元(約600億円)分のクーポン(1回10元分で単体の店舗で20枚使用可能)発行。総額はすでに600億円を超えています。日本では考えられない金額ですよね。

総額600億円以上のネットクーポンを配布

330都市、18万店舗以上でOtoOも実施

さらに今年度から初めてOtoO施策も行っています。

自動車販売店、 家電量販店、百貨店、化粧品、食品、アパレル、ベビー用品、旅行会社、ホテルなどの実店舗と連携し、リアル店舗でクーポンなどを発行します。その数はなんと、全国330都市、18万店舗以上がこの企画に参加しています

特定のアプリを携帯端末に入れておくと、該当する実店舗の前を通過した際にポップアップ表示され、その店のTmall店で使用できるクーポンが発行されます。

ここまでくると、1社の企画するECモールのイベントの規模をはるかに超えているのがわかります。中国全体の小売ビジネスへのインパクトはすさまじいものになることが予想されます。

2015年の「独身の日」は、1日でどのくらいの売り上げを叩き出すのか 。当日の動向が楽しみです。 

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