ネットショップの集客ってどうしたらええの? 売れないんやけど!【オカンでもわかるWeb集客の基礎】
突然、ECサイトを作ったというオカンから「全っ然売れへんねん!」と連絡が来た。そりゃそうだ。オカンは「サイトを作れば売れる」と思っていたみたいだから……。 イラスト◎浮蓮 要
登場人物
僕 大学院を卒業後、地元大阪の大手メーカーに就職したが、なぜか配属された広告宣伝部でアドテクに興味を持ってしまい、あっさり東京のインターネット広告会社に転職してしまった。現在入社3年目の27歳。オカンには「虎の子は虎やな」とわけのわからないコメントをもらったが、たぶん応援してくれていると信じて毎日楽しく忙しく働いている。
オカン 純然たる大阪のオカン。フリマアプリで洋服を売るのがなぜかとても得意。
ある日、オカンから謎のURLが送られてきた
何かと思って聞いたら、そこはオカンが運営するファッションサイト……?!
聞けばオカン、フリマアプリで洋服を出品したらすぐにバンバン売れたらしい。それに気をよくしたオカンは、最近流行っていると話題のECサイトを作って、もっと儲けようと画策したようだ。びっくり。
しかし、フリマアプリでは売れたのに、ネットショップでは本人も驚くほど売れない。なぜかはさっぱりわからない。今日も閑古鳥が鳴いているらしい。
とにかくURLを知ってもらわなきゃ始まらない
例えばさっきオカンがLINEで送ってきた、URLっていうのがあるでしょ? インターネット上ではPCやスマホのブラウザでこのURLを指定することで、たどり着きたいサイトに行けるんだ。
─1時間後─
インターネットでできる基本的な集客施策は「SEO」「リスティング広告」「アフィリエイト広告」「アドネットワーク」「ソーシャルメディアマーケティング」の5つ。
基本の集客施策① SEO
このランキングで上位にならないと、見てもらえる可能性も低くなっちゃうよね。そのためにはGoogleに気に入られないといけないんだ。
SEOはインターネット集客に欠かせない施策の1つ
検索結果ページで上位になれば、それだけユーザーの目に触れる機会も多くなります。
例えばGoogleであれば、Googleが独自に開発したアルゴリズムによって順位が決まるので、「こうすれば必ず検索順位が上がる」といったものはありません。
ただ、ユーザーにとって有用な情報が掲載されているページほど、上位に表示されやすくなるようです。
基本の集客施策② リスティング広告
検索ワードに応じて広告が表示されるリスティング広告
リスティング広告もGoogleとYahoo!が有名。ユーザーが検索したキーワードに応じて広告が表示されるので、「少なくとも商品名やサイト名は認知しているユーザー」を効率的にサイトへ送ることができます。
リスティング広告はユーザーが広告をクリックした時、料金が発生する「CPC(Cost Per Click)」課金モデルを採用しています。
基本の集客施策③ アフィリエイト広告
紹介記事を書いてくれたら、その人にはお礼をしなきゃいけないよね? 紹介記事を読んでオカンのサイトに来た人が商品を買ってくれた場合には、その記事を書いてくれた人にお金を払うっていう仕組みなんだ。
アフィリエイトの特長は3つ
アフィリエイト広告の特徴は、成果報酬型であること、新規ユーザーの獲得に強いこと、そして「僕」も言っていた通り、第三者目線での訴求ができることの3点です。
「自分で売り込んでいく」というよりは、良い内容のブログを書いてくれる人を見つけることが非常に重要です。
アフィリエイト広告では、購入や申し込みなどの「成果」が発生して初めて広告料を支払う「CPA(Cost Per Action)」モデルなので、リスクの低い手法だとも言えるでしょう。
基本の集客施策④ アドネットワーク
メディアサイトの色んな広告枠を買っている会社(アドネットワーク会社)がいて、そこに依頼すれば、オカンのECサイトに合ったメディアサイトの広告枠に自動で配信してくれるんだ。
アドネットワークは元締めじゃなく「仲介役」
アドネットワークはメディアサイトなどのメディアを多数束ねて、そのメディアの持つ広告枠へ広告を配信する仕組みを持ったネットワークを指します。
広告を出したい企業は、アドネットワークを持つ会社に依頼をすれば、様々なサイトに広告配信できます。元締め……ではなく、広告主とメディアの仲介役と言った方が妥当です。
アドネットワークでは、広告が表示されたら課金する「CPM(Cost Per Mille)」モデル、もしくは先ほど出てきたCPCモデルのどちらかを採用しています。
基本の集客施策⑤ ソーシャルメディアマーケティング
ファンを増やしたいならソーシャルメディアマーケティング
ソーシャルメディアマーケティングは、SNSが一般的になってきた頃から発展してきました。
例えば最近では、グリコが11月11日にポッキー&プリッツの日を記念してTwitterやインスタグラム上で写真投稿をしたりすることで、ユーザーとのコミュニケーションを図ったりしています。
僕も言っていましたが、直接購買に結び付けるというより「ユーザーに自社のファンになってもらう」という意味合いで使われることが多いですね。
と、気軽に考えていた僕。この数日後、オカンからさらなる驚きのLINEメッセージが送られて来るとは、この時まだ知らなかったのでした……。続く……。
(次回は来月公開予定です。お楽しみに!)
今回のまとめ
インターネットでできる基本的な集客施策は、
- SEO
- リスティング広告
- アフィリエイト広告
- アドネットワーク
- ソーシャルメディアマーケティング
の5つ。
今回覚えたいアドテク用語
CPC(シーピーシー)
「Cost Per Click」の略語。ネット広告の掲載料金の単位の1つで「クリック単価」とほぼ同意。
広告をユーザーがクリックするためにかかった費用を指し、「CPCは○円」というような使い方をする。
CPA(シーピーエー)
「Cost Per Action」もしくは「Cost Per Acquisition」の略。「獲得単価」とほぼ同意。成果を1件獲得するのにかかった費用で、ネット広告の中では特に重要視される指標の1つ。
他の課金形態のネット広告の場合も、「CPAに換算すると○円」というように指標として用いることが多い。
CPM(シーピーエム)
「Cost Per Mille」の略語。Milleは「千」という意味で、広告が1,000回表示されたときにかかった費用のこと。