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新型コロナウイルス拡大の影響を全面的に受けた2020年第2四半期(4-6月期)、新型コロナウイルスがデジタルマーケティングに与えた衝撃的な影響が、Merkle社の「デジタルマーケティングレポート」で示されています。

店舗を利用していた消費者がオンラインに移動したため、広告クリック数とサイトへの流入はほぼどの企業も増加しましたが、小売事業者の苦戦が続き、広告をアップグレードしたがらなかったため、クリックあたりのコストは大幅に減少しました。

CPCは最安値を更新も、クリック数は過去最高

Markle社のリサーチ部門 副社長のマーク・バラード氏は言います。

オフラインで存在感を示しているブランドは、オンラインが好調だったとしても、3月下旬から4月にかけて売り上げが減少していました。ですから、オンライン広告によって、オフラインでの売り上げも促進することが求められています。オフラインでの販売が大幅に減少している場合は、CPC(クリック単価)を以前のように高くすることはできません。(バラード氏)

クリック数は増加する一方で、コストは減少し続けている

アメリカにおいて、Google、Yahoo!、Bingなどを含むすべての検索エンジンの有料検索広告への支出額を見ると、第2四半期は前年同期比8.9%増でしたが、第1四半期から3ポイント減少しました。しかし、Merkle社が発表したデジタル広告レポートによると、クリック数は38.0%増と過去5年で最高の伸びを記録しているのです。

CPC、または各広告主がPPC(ペイパークリック、クリック課金型広告の総称)で1クリックに支払った実際の価格は、第2四半期に21.1%減少しています。

Markel社が調査した、Google、Yahooなどの検索エンジン内、全ての有料検索広告を含む全米における有料検索広告支出、クリック数、CPCの伸び率
Merkle社が調査した、Google、Yahooなどの検索エンジン内、全ての有料検索広告を含む全米における有料検索広告支出、クリック数、CPCの伸び率(「Cost-per-click falls across the board for digital marketingより編集部が作成)

バラード氏によると、米国政府の景気刺激策と失業給付金の延長によって、4月下旬から5月までの間に消費者の購買行動が促進、最終的に小売売上高は6月に増加したそうです。しかし、新型コロナウイルスの不確実性により、CPCは下がり続けています

すぐに何かが起こらない限り、来月は失業給付の延長はないかもしれません。もし、需要がないのであれば、CPCが元の水準に戻るとは思えません。今のところ、私にとってそれが最大の疑問符です。(バラード氏)

Googleの検索広告成長率は過去最悪の数字

GoogleのCPCでさえ、第1四半期(1~3月期)の前年同期比2.2%減から第2四半期は同21.9%減となっています。しかし、クリック数は同39.0%増、広告費は同8.6%増と伸びました。Google検索広告への支出額は、Merkle社がデジタルマーケティングレポート発表し始めてから8年間で、最も低い成長率を記録した第1四半期から、さらに3ポイント近く減少しているのです。

全米におけるGoogle検索広告への支出額、クリック数、CPCの伸び率
全米におけるGoogle検索広告への支出額、クリック数、CPCの伸び率(「Cost-per-click falls across the board for digital marketingより編集部が作成)

第2四半期における小売業のクリック数と広告費は健全な伸び

業種別で見てみると、小売と消費財は広告費とクリック数の伸びが健全でしたが、第2四半期の広告費は過去2番目の大きな減少になりました。

小売業は広告費が前年同期比11.0%増、クリック数が同41.9%増となりましたが、第2四半期のCPCは21.8%減。一方、旅行業界は広告費が同47.4%減、クリック数が同34.2%減、CPCは同20.1%減となりました。

小売業、B2Bビジネス、旅行業のGoogleへの広告費、クリック数、CPCの前年同期比
小売業、B2Bビジネス、旅行業のGoogleへの広告費、クリック数、CPCの前年同期比(「Cost-per-click falls across the board for digital marketingより編集部が作成)

Googleショッピングのプロダクトリスティング広告(PLA)は、過去1年間減少を続けており、第2四半期は前年同期比6.7%増と低い成長率でした。2020年初め、Googleは有料広告の代わりに、ショッピング検索広告に無料で商品リストをフィーチャーすることを決定した為、この低成長はおそらく続くでしょう。

自然検索は回復し始める

すべての業界でGoogle検索からの自然流入が増加し、2019年第1四半期に始まった5四半期連続の落ち込みは、2020年第2四半期に前年同期比32.9%増と跳ね上がりました。モバイルも前年同期比34.9%増と回復しています。

長い間減少傾向だったGoogleからの自然流入が増加

Googleからの自然流入 全体とモバイルにおける自然流入の伸び率
全体とモバイルにおける自然流入の伸び率(「Cost-per-click falls across the board for digital marketingより編集部が作成)

業界別では、旅行業界は第2四半期のGoogleからの自然流入数が前年同期比50.5%減となり、大きな打撃を受けています。小売・消費財は同四半期に42.5%増となりましたが、その多くは消費者が必需品を検索した結果です。小売業界内をカテゴリー別で見ると、第2四半期には必需品の検索数が69.5%増、その他の非必需品が41.2%増、アパレルは前年同期比1.5%減となりました。

Googleからの自然流入
Googleからの自然流入数の伸び率(「Cost-per-click falls across the board for digital marketingより編集部が作成)
小売業のカテゴリー別Googleからの自然流入数の伸び率(「Cost-per-click falls across the board for digital marketingより編集部が作成)

Amazonは、第2四半期にGoogleのテキスト広告を再開

Amazonはオンライン注文の需要が増えたため、必要不可欠なアイテムの需要を満たすことを優先しましたが、第2四半期の初めに物流トラブルに見舞われました。結果として、CPCが41%減少したとMerkle社はレポート内で言及しています。Amazonのスポンサー広告への出稿は、前年同期比22%増でしたが、前四半期の67%増からは減少しています。

クリック数は上昇するも、広告収入の成長率が鈍化したAmazonスポンサー広告

Amazonスポンサー広告の前年同期比較(「Cost-per-click falls across the board for digital marketingより編集部が作成)

2020年第1四半期の末、Amazonは3月から6月第2週までの12週間、Googleのテキスト広告を停止しました。新型コロナウイルスの影響でさらに多くの消費者がオンラインショッピングに転向したことで、注文頻度増加による負荷が高まったことを受けて、Amazonは初めてこのような決定をしました。その後、インプレッションを以前の約4分の1に抑え、6月にGoogleでのテキスト広告の支出を再開しました。

Googleテキスト広告内におけるAmazonのインプレッションの週ごとのシェア
Googleテキスト広告内におけるAmazonのインプレッションの週ごとのシェア(「Cost-per-click falls across the board for digital marketingより編集部が作成)

Facebook広告を上回るパフォーマンスを続けるInstagram

Instagramは、広告出稿額、インプレッション数、1000インプレッションあたりのコスト(CPM)の点で、Facebookを上回る結果が続いています。Facebookは、Instagramの広告費を除いた場合、前四半期の19%増に対して、第2四半期は前年同期比4.2%増に鈍化。それに対して、Instagramの広告費は30.4%の伸びでした。

ソーシャルメディアのCPCと同様のコストパーインプレッション(CPI、1回表示あたりの広告のコスト)は、第2四半期にFacebookで16.7%、Instagramで10.4%と前年同期比で減少しました。

FacebookとInstagramの広告収入、前年同期比較
FacebookとInstagramの広告収入、前年同期比較(「Cost-per-click falls across the board for digital marketingより編集部が作成)

この記事は今西由加さんが翻訳。世界最大級のEC専門メディア『Digital Commerce 360』(旧『Internet RETAILER』)の記事をネットショップ担当者フォーラムが、天井秀和さん白川久美さん中島郁さんの協力を得て、日本向けに編集したものです。

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