事業規模250億円の通販会社が東証グロース市場へ上場。「ハルメク」「全国通販」など抱える“シニア通販の雄”ハルメクHDとは

ハルメクホールディングスのメイン事業は「ハルメク事業」と「全国通販事業」。子会社のハルメクが雑誌連動のシニア向け通販「ハルメク事業」、総合通販の「全国通販事業」は全国通販が手がける
よろしければこちらもご覧ください

出版・通販事業などのハルメクホールディングス(HD)は2月15日、東京証券取引所から東証グロース市場への新規上場が承認された。上場日は3月23日を予定している。

ハルメクHDのメイン事業は「ハルメク事業」と「全国通販事業」。連結子会社6社で構成しており、ハルメクHD傘下のハルメクが月刊誌「ハルメク」の発行や通販事業を手がける。総合通販事業の「全国通販事業」を手がけるのは全国通販。そのほか、保険代理店事業のジャパンホーム保険サービス、シニア向けビジネスのコンサルティングを手がけるハルメク・エイジマーケティング、ヘルスチェックやヘルスソリューション事業のハルメク・ベンチャーズ、グループ会社向けの受注・物流などフルフィルメント業務を提供するハルメク・ビジネスソリューションズを傘下に抱える。

基幹事業の「ハルメク」について(画像は公開資料から編集部がキャプチャ)

「ハルメク事業」は、シニア向け雑誌「ハルメク」の出版で顧客を獲得、雑誌に共感した顧客に対して、特集連動のオリジナル商品などを、同封して送付するカタログ通信販売で提案・販売する。また、イベント部門が講座や旅行などを提供し、顧客の満足度を高めるとともに収益を伸ばしている。

書店では購入できない雑誌「ハルメク」は自宅へ送付する定期購読のみで展開。2022年12月時点での購読者数は50万人。

ハルメクの事業系統図(画像は公開資料から編集部がキャプチャ)

「全国通販事業」は、新聞広告などで集客した顧客に通販カタログ「ことせ」を送付し、商品などを販売。「ハルメク事業」と同様、シニア女性をターゲットにしているが、商品の価格が低価格であるため、「ハルメク事業」の顧客属性とは異なっている。

全国通販の事業系統図(画像は公開資料から編集部がキャプチャ)

ハルメクHDの2022年3月期連結業績は、売上高が前期比66.7%増の252億3300万円、当期純利益は同147.3%増となる11億7200万円だった。

ハルメクの前身は1989年設立のユーリーグ。定期購読雑誌「いきいき」、通販雑誌「ふくふく」でシニア層を順調に開拓していたたものの、株式投資の失敗などが響き、2009年に民事再生適用を申請。投資会社のJ-STARが新設した「いきいき(株)」が出版事業・通販事業を譲り受け、経営再建を進めた。再建に成功した2012年、ノーリツ鋼機グループ入りした。

2016年に「いきいき(株)」は「(株)ハルメク」に社名変更。全国通販などを傘下に持つHD体制へと移行した。その後、ハルメクHDは2020年、宮澤孝夫代表取締役を筆頭株主とした経営陣によってマネジメント・バイアウト(MBO)を実施し、親会社であるノーリツ鋼機が保有するハルメクHDの全株式を譲り受けた。2021年10月、現在の「(株)ハルメクホールディングス」へ商号変更している。

ハルメクのECサイト(画像は編集部がキャプチャ)

 

ニュース分類: 
記事カテゴリー: