食品ECサイト「東商マート」で個人情報約5万件が漏えいか、不正アクセス攻撃が原因

アプリケーションの脆弱性を突かれた「SQL インジェクション」が原因
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業務用食品のネットスーパー「東商マート」(運営は東洋商事)が外部から不正アクセスを受け、クレジットカード情報を含む個人情報4万9468件が流出した可能性があることがわかった。東洋商事の親会社であるジャパン・フード&リカー・アライアンスが4月13日に被害を公表した。

サイトのアプリケーションソフトに不備があり、送信データに命令文を紛れ込ませてデータを取得する「SQLインジェクション」 と呼ばれる攻撃を受けたことが原因。

2017年3月31日23時頃から4月10日13 時頃までの間に複数回、「東商マート」の管理画面への不正アクセスが発生。システム上で管理されていた顧客や取引先の「氏名」「住所」「電話番号」「メールアドレス」などのほか、2017年4月9日21時から4月10日11時30分頃までにサイト上で入力されたクレジットカード情報2件が閲覧可能な状態にあった。

4月11日に「東洋マート」の業務用アプリケーション機能を提供している外部業者から報告を受けて被害が判明したという。

4月10日にアプリケーション提供業者が該当するIPをブロック。改ざんに関わる全ファイルの隔離と管理者パスワードの変更、データベースパスワードの変更、ディレクトリに対する権限の制限と実行の停止、アプリケーション側での脆弱性への対応などを行った。

不正アクセス攻撃を受けた「東商マート」(画像は編集部がキャプチャ)

セキュリティ対策について

経済産業省主導の「クレジット取引セキュリティ対策協議会」(事務局は日本クレジット協会)は、2017年3月8日に公表した「クレジットカード取引におけるセキュリティ対策の強化に向けた実行計画-2017-」において、EC事業者に対して2018年3月までにカード情報の非保持化、もしくは「PCI DSS準拠」を求めていく方針を掲げた。

カード情報の漏えいの頻度が高い非対面(EC)加盟店については原則として非保持化(保持する場合はPCI DSS準拠)を推進。EC加盟店におけるカード情報の非保持化を推進するため、PCI DSS準拠済みのPSP(決済代行会社)が提供するカード情報の非通過型(「リダイレクト(リンク)型」または「Java Scriptを使用した非通過型」)の決済システムの導入を促進するとしている。

また、独立行政法人情報処理推進機構では不正アクセス対策についての資料をまとめており、「安全なウェブサイトの作り方」などを閲覧することができる。

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