天猫国際(Tmall Global)の小売型店で売れた商品の配送はEMSが実質NG。海外倉庫への入庫が必須に

天猫国際が発表した新たな物流モデル「天猫国際直郵便3.0」とは?(vol.36)
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2019年2月21日、天猫国際(Tmall Global)は 「全面的な天猫国際直郵便3.0標準のサービス」というタイトルで、新たな物流モデルを発表しました。

弊社(エフカフェ)がアリババグループの物流会社「4PX EXPRESS JAPAN」と戦略的業務提携を発表させていただいたこともあり、最近の物流トピックとして「天猫国際直郵便3.0」について解説します。

天猫国際の「規則体系」より編集部でキャプチャ

「天猫国際直郵便3.0」主旨は、天猫国際に出店している小売店からの直送商品は、「菜鳥(cainiao)」の海外倉庫への入庫が必須になるということです。国際郵便(EMS)が実質NGとなり、関税モデルで統一されることになります(関税比率は商品によって異なりますが、保税区でベースが11.2%)。

ちなみに「菜鳥」はアリババグループの総合物流企業で、前出の「4PX EXPRESS JAPAN」は「菜鳥」のグループ会社です。「菜鳥」はすでに海外の倉庫からの直送モデルを確立しており、発送業務のほかに出店店鋪の受注処理や梱包などの代行も可能です。

菜鳥の公式サイトから編集部でキャプチャ

今回の発表の目的は下記のとおりです。

  1. 天猫国際のサービス満足度の向上
  2. 消費者のユーザビリティー向上
  3. 良質なプラットフォーム環境の構築

EMSからの切り替えに早急に対応を

開始予定は2019年5月15日。これまでEMSで運用してきた企業は、物流スキームを早急に再構築する必要があります。今回対象とされているのは天猫国際の小売店で、メーカー主体の旗艦店は対象外となっていますが、 今後近いうちに旗艦店にもEMSからの切り替えが求められるのではないかと予想されます。

結果として、EMSモデルはグレーと判断していた企業も正式に関税を支払う形での参入が可能になります。ただし。天猫国際の出店基準は最近ますます厳しくなっており、中国展開は新たな時代に突入してきていると言えます。

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