「プラットフォーム透明化法」でECモールはアマゾン、楽天、ヤフーを規制対象に

「特定デジタルプラットフォームの透明性及び公正性の向上に関する法律」(取引透明化法)の指定を受け、楽天グループは各種情報を開示。ヤフーは2020年12月までに各種取り組みが完了したとしている
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経済産業省は4月1日、デジタルプラットフォームにおける取引の透明性と公正性の向上を図る「特定デジタルプラットフォームの透明性及び公正性の向上に関する法律」(取引透明化法)の規制対象として、ECモールではアマゾンジャパン、楽天グループ、ヤフーの3社を指定した。

アプリストアでは、Apple Inc.およびiTunes、Google LLCを指定している。

「取引透明化法」の規制対象事業者(画像は経産省のHPからキャプチャ)

規制の対象は、総合物販オンラインモールでは前年度の国内流通総額が3000億円以上、アプリストアは2000億円以上のプラットフォームを運営する事業者。

規制対象の基準(画像は経産省のHPからキャプチャ)

「取引透明化法」は2021年2月に施行。デジタルプラットフォーム運営事業者に対し、取引条件などの情報開示、運営における公正性確保、運営状況の報告を義務付け、評価・評価結果の公表といった必要な措置を講じるとしている。

「取引透明化法」で指定されたデジタルプラットフォーム運営事業者は、取引条件などの情報の開示、自主的な手続・体制の整備を実施。その措置や事業の概要について、自己評価を付した報告書を毎年提出する必要がある。

「取引透明化法」について(画像は経産省の公表資料からキャプチャ)

楽天グループは4月1日、「取引透明化法」の指定を受け、「楽天市場」運営における基本的な事項を明確化し、出店店舗に向けて情報を開示した。「検索順位を決定する基本的な事項」「出店店舗のデータの利用」などの項目を出店者に公開している。

また、出店店舗が「楽天市場」の運営について苦情や紛争を申し立てることのできる専用窓口も新設した。

ヤフーは、外部有識者で構成する「デジタルプラットフォーム事業者情報開示の在り方検討会」を2020年4月に立ち上げ。検討会による提言を踏まえ、「『Yahoo!ショッピング』にて開示しているユーザー向け・ストア向けの『おすすめ順について』の記述について、背景や理念を明確化して補足」などの取り組みを実施し、2020年12月までに対応が完了したと公表している。

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