ユナイテッドアローズのECサイト停止は店舗売上に悪影響――自社運営化は断念せず

自社ECが約2カ月間停止したことで、実店舗の売り上げにマイナスの影響があった。顧客は実店舗に来店する前にインターネットで商品を閲覧し、欲しい商品をある程度見極める傾向があることから、自社ECサイトが休止したことで来店のきっかけを失ったとしている。
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ユナイテッドアローズ単体の2019年4-12月期 (第3四半期累計)における実店舗の小売売上高は、同2.1%減の633億4900万円だった。

消費増税後に需要が減退したことや、冬場の気温が例年よりも高かったことが影響したほか、自社ECサイトを2019年9月12日から約2か月間停止したことで実店舗の売り上げにマイナスの影響があったという。

顧客は実店舗に来店する前にインターネットで商品を閲覧し、欲しい商品をある程度見極める傾向があることから、自社ECサイトが休止したことで来店のきっかけを失い店舗売上にマイナスだったとしている。

2019年10-12月(第3四半期)における小売売上高は同6.6%減の245億6000万円。ECサイトの運営再開以降、小売既存店売上高の前年比は改善傾向にあるという。

3QのEC売上高は20%増の206億円

2019年4-12月期 (第3四半期累計)におけるネット通販売上高は、同20.9%増の206億900万円だった。売上高に占めるEC売上高の割合(EC化率)は20.9%で前年同期比1.9ポイント伸長している。

10-12月のネット通販売上高は同1.1%増の75億1100万円。自社ECサイトが休止したものの、他のサイトへの誘導や積極的な販促施策を行ったことで増収を確保した。

小売売上高やネット通販、卸、アウトレットなどを含めた単体売上高は、前年同期比0.6%増の985億円だった。

システム変更に失敗し特損約5億円

ユナイテッドアローズのECサイトが休止した原因は、自社ECの運営体制を自社主導に切り替えるためのシステムのリプレイスで失敗したこと。

新たに使用する予定だったソフトウェアの開発費用のうち、今後の利用が見込めなくなった約5億円分を特別損失として第3四半期に計上した。

ユナイテッドアローズは自社ECサイトの自社運営化とオムニチャネルサービスの実施を必ず実現させるとの方針を示している。

特損の計上などについて(画像は編集部が決算説明会資料からキャプチャ)

 

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