ユナイテッドアローズのECサイトが再開、停止期間は約2か月半。自社開発への移行は「必ずやり遂げる」
ユナイテッドアローズは11月27日、約2か月間半にわたって運営を停止していたECサイト「UNITED ARROWS LTD. ONLINE STORE」を再オープンした。一部で再開できていないサービスがあるものの、ほぼ全面的に復旧している。
11月27日時点で再開していないのは、ECサイトで気になった商品を店舗に取り寄せて試着できる「お店で試着」、「お直しサービス」。準備が整い次第、再開するとしている。
ユナイテッドアローズはECサイトを全面刷新するために自社ECの運営を9月12日に一時停止、10月中にリニューアルオープンするとしていた。だが、新システムでの運営スタートが難航。長期にわたるサイトの運営停止を避けるため、従来システムへ切り戻した。停止期間は約2か月半に及んだ。
これまでECシステムの開発や運営を委託していた先はファッション通販サイト「ZOZOTOWN」を運営するZOZO子会社のアラタナ。ECサイト運営の一時停止措置は、自社主導に切り替えるため。システム開発を内製化し、機能追加の迅速化、オムニチャネルサービスの強化などを進める方針だったが、システム開発などはアラタナへ再委託する格好となった。
オムニサービスの実現に向けて自社開発は「必ず成し遂げる」
長期にわたってサイト運営が停止に陥った事態を受け、12月1日付で自社EC開発部を社長直下に新設、情報システム部の部長とデジタルマーケティング部の担当執行役員の2人が自社EC開発部を管掌する組織体制に移行する。自社ECサイトの開発、オムニチャネルサービス開始に向けたインフラ整備が主な目的。
ユナイテッドアローズは「自社運営化によるオムニチャネル施策は当社の今後の成長を支える重要施策だと認識しており、必ずやり遂げる」と説明。プロジェクト管理を強化するために組織変更を実施し、12月1日付で自社EC開発部を社長直下に新設。
担当執行役員には、過去に情報システム部長、デジタルマーケティング部長を歴任し、現在は経営企画部門とファッションマーケティング部門を担当する髙田賢二執行役員が就いた。自社EC開発部の部長は、情報システム部長が兼務する。
なお、「専門組織として推進することで責任の所在を明確にし、行動計画に基づいて進捗管理を行いながら、今後の開発を進める。手続きの都合上、組織設立は12月となるが、すでにこの体制でプロジェクト管理をスタートしている」(ユナイテッドアローズ)。
ユナイテッドアローズでは、内部監査室を中心に開発遅延とサイト停止に至った原因と責任の所在を明らかにするために調査を実施中。調査結果に基づき、適切な処置を下す予定としている。