原材料費や人件費の高騰で、多くの企業にとって値上げは避けられないテーマになっています。ただ「値上げをするとお客さまが離れてしまうのではないか」と不安ですよね。今回の「ネッ担まとめ」では、「ブロンコビリー」の事例から、「価格競争」とは異なる「選ばれ方」について考えます。
値上げしても選ばれる理由
おかしい、値上げしたのに客数が増えているだと…? 名古屋が誇る外食企業「ブロンコビリー」が貫く"ご馳走の哲学" | 東洋経済ONLINE
https://toyokeizai.net/articles/-/945751
鍵となるのが、同社が長期ビジョンとして掲げる「ご馳走カンパニー」という概念だ。「食を通じて人を幸せにしたい」という経営理念のもと、値引きで客を呼ぶのではなく、体験の質で選ばれる店をつくるという宣言である。
その具体的な表れが値引率の縮小だ。値引率は、クーポンやキャンペーンなどによる値引き施策の影響が表れる指標である。
(中略)
さらに2025年10月から12月にかけて実施した「140店舗突破 大感謝祭」の再来店効果が、2026年1月以降の客数を支えたと同社は決算短信本文で明記している。割引で一時的に集客するのではなく、体験を通じて再来店につなげる設計だ。
もともとブロンコビリーは、目の前で焼き上げる炭火ステーキや大かまどの米、季節ごとに変わるサラダバーを通じて、「楽しい食事空間」を作り続けてきた企業でもある。いまでこそ「体験型消費」という言葉は広く使われるが、同社はそうした言葉が浸透する以前から、単に空腹を満たすだけではない”外食の時間”を提供してきた。だからこそ、「新鮮サラダバー」を「ブロンコビュッフェ」へ刷新しても違和感がない。変わったのは消費者への伝え方であり、本質的な価値は変わっていない。
変わったのは価値そのものではなく、「伝え方」なんですよね。
最近は「体験型消費」なんていう言葉がよく使われますが、「ブロンコビリー」はずっと前からそれを実施していた。つまり、流行に合わせて事業を変えたのではなく、元々持っていた価値を「言語化し直した」わけです。
実は多くの企業に当てはまる話で、新しい価値を考える前に、自社がすでに持っている価値を整理すれば見え方は大きく変わってくる。
宝物は、いつだって自分のそばに。
要チェック記事
「平日昼のガラガラ時間」がむしろ“収益源”に サウナ業界で始まった空き時間ビジネス | ITmedia ビジネスオンライン
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2605/23/news003.html
そうなんですよね。サウナって、そもそもは「お風呂」なんですよね。私もお風呂が好きでサウナに行く人なんです。ご飯も食べてもらえれば単価も上がるしね。
稽古見学ができる"相撲部屋付き賃貸"の衝撃 「墨田区にこだわりたい」親方の情熱と地元不動産の奇策が異例のマンションを生んだ | 東洋経済ONLINE
https://toyokeizai.net/articles/-/944659?display=b
いやもう相撲が好きだったらこんなマンションたまらないでしょ。同じ趣味の仲間もたくさんできて毎日が充実しそう。ある意味のコンセプト物件ですね。
ChatGPTの「やさしさ」の危うさ 10代に伝えたいAI利用法 | Impress Watch
https://www.watch.impress.co.jp/docs/topic/2113048.html
阿部監督の事例は良くも悪くもAIの実用性を世間に知らしめてしまったわけですが、「人に相談するよりもAIに相談した方が気が楽」って人多いだろうなぁ。
買物の決め手は“レビュー”から“生成AI”へ 生成AIの信頼度はユーザーレビューを超え、約6割が最終判断も委ねたいと回答―博報堂買物研究所「AIショッパー調査」― | 博報堂
https://www.hakuhodo.co.jp/news/newsrelease/267248/
ちょっと極端すぎないかなという印象。「最終判断まで委ねたい」という人は少なくとも私の周りにはまだいなさそうなんですが。みなさん実際どうなんでしょうか?
検索結果、上位サイトを何サイトまで見るか?【ナレッジHD調べ】 | Web担当者Forum
https://webtan.impress.co.jp/n/2026/06/03/52724
そうそう。AIで情報を整理した後に、一度インターネット検索を挟んでいると思うんですよ。AIというツールが既存の購買行動のどこかに入り込む感じ。
「メール1通送った」はただの通知だ! ウェビナーの集客数を増やし、商談を最大化する“3回、3つの顔”|Web担当者Forum
https://webtan.impress.co.jp/e/2026/05/25/52580
SNS投稿やメルマガも一緒で、1回送って「以前、案内したんですけど反応なかったんですよね~」というの多いんですよね。大切なのは受信者のタイミングにヒットするかですよ。
今週の名言
【ホットリンクが語るSNS活用の本質論 第3回】「一定のインプレッションはあるのに売れない」の乗り越え方 | コマースピック
https://www.commercepick.com/archives/93058
UGCは自然発生を待つだけではなく、きっかけを設計することもできます。きっかけには大きく二つあります。
一つは、商品・体験そのものに工夫を加えることです。開封体験の設計や写真映えする商品デザインなど、消費者が「誰かに伝えたくなる」と感じるポイントを商品設計の段階から意識します。
もう一つは、公式アカウントから「こんな場面で使える」「こう使うと美味しい」といった投稿を発信し、ユーザーが語り出すための文脈・話題の切り口を用意するアプローチです。「企業が言わせる」ではなく「消費者が言いたくなる文脈を設計する」こともUGCのきっかけになります。
「口コミは自然発生するもの」でもあるんですが、裏側には「設計」もある。
無理やり言わせるのではなく、思わず話したくなってしまう理由を用意する。SNSに限らず、すべてのマーケティングに通じる話ですよね。
お客さまが語りたくなる商品。誰かに紹介したくなる体験。そういうものには、広告費では買えない広がりが生まれる。「どう広げるか」の前に、「なぜ語りたくなるのか」を考えることが大切なんでしょうね。
「新・ネットショップ担当者が知っておくべきニュースのまとめ」は以下の専門家が連載しています。
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値引きには「即効性」があります。ただ、その効果が切れるとまた次の施策が必要になるわけです。しかし、「また来たい」と思ってもらえれば、次回来店の理由は当然値引きではなくなるんですよね。
ECでも同じで、クーポンで買ってもらうことと、「このお店だから買いたい」と思ってもらうことはまた別の話。
コスト管理がさらに厳しくなる時代だからこそ、いかに「良い体験」を提供するか、改めて考えたい視点です。