釣具専門チェーン「イシグロ」のEC統合施策とは? 4つのサイトを1つに統合、26店舗に分散した店舗在庫を一元管理
イシグロは、商材の異なる4つのECサイトを統合し、26店舗に分散していた在庫を一元管理できる体制を整えた。中古品の一点モノも過受注なく販売できるようにしたほか、複数店舗にまたがる注文の一括発送にも対応し、店舗とECを横断した運営基盤の再構築を進めている。
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釣具専門店を展開するイシグロは、商材ごとに運営していた4つのECサイトを統合し、店舗とECを一体運営する体制を構築した。従来展開していた中古釣具、ロッドビルディングパーツ、プライベートブランド「Tsulino(ツリノ)」の商品サイトに、ナショナルブランド商品サイトを加え、1つのECサイトとして統合。あわせて、26店舗に分散していた在庫の一元管理や、複数店舗の商品をまとめて発送する仕組みを実現した。

静岡・愛知を中心に、三重、岐阜、滋賀を含む中部エリアで26店舗を展開するイシグロは、プライベートブランド商品の企画・製造に加え、中古釣具の買取・販売を行うリユース事業にも注力している。
一方で、店舗数の拡大やEC事業の成長に伴い、在庫管理、物流、販促運用の分散が課題となっていた。
また、各店舗に分散している在庫をEC上で正確かつ効率的に管理・販売する体制が十分ではなかった。特に1点モノの商品が多い中古釣具では、基幹システムとの連携不足により、在庫情報をリアルタイムかつ正確に表示することが難しく、過受注リスクが発生していたという。
1つの注文に複数店舗の商品が含まれる場合、各店舗から個別発送する必要があり、同梱発送ができないことが顧客体験と物流コストの両面で課題になっていた。
さらに、複数のECサイトを別々のドメインで運営していたため、クーポン配布やセール、メール配信などの販促施策もサイトごとに設定する必要があり、横断的な施策展開が難しい状況だった。
今回の刷新では、店舗とECが連携した運営体制の構築を目的に、在庫、物流、販促、運用を1つの基盤へ統合した。
26店舗の在庫をリアルタイム管理、全店在庫をECの売り場に
在庫管理では、26店舗に分散していた商品情報をリアルタイムで一元管理できる仕組みを整備した。
これにより、1点モノの中古品についても、どの店舗に在庫があるかを正確に把握しながら販売できるようになった。店舗ごとの在庫を1つの売り場として活用することで、販売機会の拡大と過受注リスクの低減を両立した。
物流面では、複数店舗の商品を含む注文を中継拠点に集約し、一括発送する仕組みを導入した。従来は店舗ごとに発送していた注文でも、まとめて配送できる体制を整え、物流効率の向上につなげている。

4サイト統合で販促施策を横断展開
販促面では、従来運営していた3サイトにナショナルブランド商品サイトを加えた4サイトを統合。クーポン、セール、メール配信などの施策を横断的に実施できるようにした。
サイトごとに個別設定していた作業負担を削減するとともに、ブランドをまたいだキャンペーン展開も可能になった。
商品情報については、EC基盤を起点に基幹システムと自動連携。POSシステムから基幹システムを経由し、在庫情報を約30分ごとに自動同期する仕組みを整えた。

店舗スタッフは、画像追加や送料区分の設定など最低限の作業でEC掲載準備を進められるようになり、運用負荷の軽減にもつながっている。
また、担当店舗ごとに利用できる機能を設定できる権限管理も導入。誤操作や情報漏えいリスクの低減にも取り組んでいる。
EC統合で実店舗のない地域からの注文も増加
イシグロによると、今回の刷新では、実店舗の顧客情報やポイント情報の統合にも対応した。さらに、ブランド横断で利用できるセール施策やゲスト購入機能を導入したことで、初回購入時の心理的ハードルを低減。関東や関西など、実店舗を展開していない地域からの注文も増加しているという。
イシグロは今後、店舗とECが一体となった運営体制をさらに強化し、ECを通じた新たな購買体験の提供を進める考えだ。
今回、イシグロが採用したECプラットフォームは、W2が提供する「W2 Commerce」。選定理由として、標準機能の充実度に加え、4サイトの一元管理、基幹システムとの在庫連携、複数店舗の商品をまとめて発送する独自機能への対応など、柔軟なカスタマイズ性を評価したとしている。
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