「ビバホーム」などのアークランズ、Salesforce B2C Commerceなど採用しSCSKと協働でシステム基盤を再構築

ホームセンター「ムサシ」「ビバホーム」などを運営するアークランズは5月27日、SCSKと協働し、ECサイト「ビバホーム公式オンラインショップ」のシステム基盤を再構築したと発表した。
アークランズによると、近年のホームセンター業界は商業施設の供給過多となり市場規模が横ばいで推移。新規出店による売上拡大戦略が見直され、OMOやオムニチャネル施策の推進を通じた顧客接点の強化、M&Aによる業界再編が進んでいるという。
アークランドサカモトがビバホームを吸収合併し、商号変更したアークランズ。合併前に各社で運営していたWebサイトやECサイトなどのIT資産や会員情報が統合できていなかったため、合併によるシナジー効果を十分に発揮できていなかったという。
そこで、アークランズは顧客1人ひとりの顧客体験を最適化するため、SCSKの展開するCXサービス「altcircle」を導入、協働をスタートした。
SCSKとの協働による具体的な取り組みは、①OMO・オムニチャネル施策とデジタルマーケティング推進に向けた基盤整備②サイト統合による業務効率化と買い物導線の改善③管理機能の刷新による業務効率化と商品ラインナップ強化④在庫情報の一元管理により売り逃しを防止するECを実現――に着手した。
OMO・オムニチャネル施策とデジタルマーケティング推進に向けた基盤整備
今回のEC基盤再構築で、「ECサイトでの取扱い状況の表示」「ECサイトで注文した商品の店舗受け取りサービス」など、店舗とECを連動させたOMO・オムニチャネル施策を推進していくための基盤が整ったという。
SCSKのデジタルマーケティング伴走サービスを活用し、顧客データを基点としたデジタルマーケティングを推進する体制作りも進めている。今後、店舗とECを連動させたさまざまなサービスを順次リリースしていくとしている。
サイト統合による業務効率化と買い物導線の改善
これまでは商品検索サイトとECサイトが独立して存在。商品マスタの機能も分散しており、メンテナンス工数の増加や精度の低下が課題となっていたという。EC基盤再構築により、この2つのサイトを新ECサイト「ビバホーム公式オンラインショップ」に統合。集客効率とメンテナンス性の双方の向上を実現した。
管理機能の刷新による業務効率化と商品ラインナップ強化
従来のシステムは商品登録や受注処理、在庫情報の更新時などに複数のシステムを操作する必要があり、オペレーションが複雑になっていた。
EC基盤の再構築では、各種管理機能を刷新し、一部の機能をサプライヤーに提供することで商品情報登録や在庫情報登録などのバックオフィス業務の効率化を実現した。これにより、これまで以上に豊富なラインナップの商品をECで購入できるようにした。
在庫情報の一元管理により、売り逃しを防止するECを実現
これまではそれぞれで管理していた自社EC・外部モール(楽天、Yahoo、Amazon)の在庫情報を一元管理することで、過受注および売り逃しを防止できるようになった。ECでの欠品リスクが低下し、顧客は常に最新の在庫状況のもとで安心して買い物ができるようにした。
基盤再構築に「Salesforce B2C Commerce」などを採用
今回のECシステム基盤再構築では、SCSKが提供するソリューションを導入した。採用したのはECフロントシステムが「Salesforce B2C Commerce」、ECバックオフィスシステムに「F.ACE」、モール連携システムに「PCS」「SCS」「StoreOMS」。
【ECフロントシステム】Salesforce B2C Commerce
ヘッドレスAPIを活用し、今後の拡張性やAIを活用したパーソナライズレコメンドなど、最新トレンド・テクノロジーによる顧客体験向上を実現できる「Salesforce B2C Commerce」を採用しました。
【ECバックオフィスシステム】F.ACE
OMO・オムニチャネル施策推進に欠かせないさまざまな機能が標準搭載されている点、SCSKグループの自社開発ソリューションのため柔軟なカスタマイズに対応可能なことから「F.ACE」を採用したという。
【モール連携システム】PCS、SCS、StoreOMS
店舗、自社EC、楽天、Yahoo、Amazonの各チャネルの商品情報、在庫情報を一元管理し、リアルタイムで引当て可能な仕組みが作れる点、SCSKグループの自社開発ソリューションのため柔軟なカスタマイズに対応可能なことから採用を決定した。
アークランズの中計は「EC販売強化」「1to1販促・新会員制度」に言及
アークランズでは、今回のECシステム基盤再構築は、顧客を基点としたビジネスへの変革に向けたプロジェクトの第一ステップとしている。今後、会員基盤やスマホアプリの刷新などを進め、顧客にとっての「分かりやすくて便利」を実現できるよう、引き続きOMO/オムニチャネル施策の推進に協働で取り組むとしている。
アークランズでは2025年〜2027年にかかる中期経営計画を進めており、その中で事業戦略として「EC販売の強化」や「1to1販促・新会員制度」に取り組むとしていた。
EC販売の強化としては、商品ラインナップの改善と販路・販促の強化をあげている。1to1販促・新会員制度については顧客ごとに最適化された販促の強化をあげ、パーソナライズされたサービス提供を行っていくとした。会員制度については2026年4月に刷新を予定しており、新たなポイントプログラムの導入やスマホアプリから全ての会員サービスを利用できるようにするなどに取り組んでいく。