国土交通省は、再配達の削減など物流負荷の低減を目的に、「物流負荷の低減に向けた多様・柔軟な受取・注文方法の普及促進事業費補助金」の公募を4月13日に開始した。EC事業者、物流事業者、その他物流関連事業者を対象に、先進的な実証調査・効果検証の取り組みを支援する。補助率は2分の1以内、補助金額は250万円以上、5000万円以下。公募期間は4月13日から5月22日12時まで。
「物流負荷の低減に向けた多様・柔軟な受取・注文方法の普及促進事業費補助金」は、再配達削減など物流負荷の低減をめざし、「置き配サービス」の事業者間連携を促す配送データ形式の共通化、駅・公共施設などの宅配ロッカー活用、物流に配慮した注文方法の普及促進といった先進的な取り組みに関する実証調査・効果検証を支援する制度。

「ゆっくり配送」も補助対象に
補助対象として想定されているのは、大きく3つの取り組みだ。
1つ目は、置き配サービスの事業者間連携。宅配事業者ごとに異なる伝票番号の付番ルールを整理し、共通コード体系を構築した上で、オートロック開錠システムなどとの連携を図る取り組み。置き配のセキュリティと利便性の向上をめざす。
2つ目は、駅や公共施設などに設置された宅配ロッカーの活用。EC購入時の受取方法としてロッカーを指定できるようにし、EC事業者とロッカー事業者のデータ連携によって、通勤・帰宅途中に受け取れる環境の整備を進める取り組みだ。
3つ目は、物流に配慮した注文方法の普及促進。配送日数を長めに設定する、いわゆる“ゆっくり配送”のような選択肢を消費者に提供し、その行動変容が物流全体の負荷軽減につながるかを検証する取り組み。
補助率は2分の1以内、下限250万円・上限5000万円
補助対象は、物流負荷の低減に向けて、消費者の受取・注文方法の選択肢を広げる先進的な取り組みに関する実証調査・効果検証事業に必要な費用。補助率は2分の1以内で、補助金額は下限250万円、上限5000万円。
採択後は、事務局に対して補助金の交付申請を行い、間接補助事業者として事業を実施する。
対象事業者は、EC事業者(ECモール事業者を含む)、物流事業者、そのほか物流関連事業者。一方、国土交通省から補助金停止措置や指名停止措置を受けている事業者、暴力団排除に関する誓約事項に該当する者は対象外となる。
申請時はKPI設定が必須、効果検証と終了後の計画提示も求める
「物流負荷の低減に向けた多様・柔軟な受取・注文方法の普及促進事業費補助金」では、施策の実施に加え、事業目標の設定が求められる。制度の目的が物流負荷の低減や再配達削減にあるため、申請時にはKPIと具体的な計測方法の設定が必要となる。
特に、「物流負荷の低減」や「再配達率の削減効果」を確認できる指標の設定が必須。KPIの例は次のとおり。
- 再配達率の削減
- 再配達にかかるトラックドライバーの労働時間の削減量または削減率
- トラックドライバーの労働時間当たりの配達個数の増加量または増加率
- 1個当たりの配達に要するトラックドライバーの労働時間の削減量または削減率
- 多様・柔軟な受取方法の選択実績の増加率
- 面積当たり、または人口当たりの受取拠点数の増加
- トラック積載率の向上
加えて、申請時に提出する実施計画には、事業期間内の効果検証を盛り込む必要がある。実証で終わるのではなく、施策の成果を検証する設計が前提となる。
さらに、事業終了後についても、多様・柔軟な受取・注文方法の普及に向けた事業計画と目標の提示が求められる。
公募期間は2026年5月22日12時必着。説明会資料や公募要領などは特設サイトで公開している。
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