全国一律420円で荷物が送れるヤマト運輸の「こねこ便420」とは? 特長+ネコポスなどとの違い+今後の展望を担当者に聞いた
ヤマト運輸が提供する、全国一律420円で荷物が送れる小型配送商品「こねこ便420(よんにーまる)」の販売が好調だ。「こねこ便420」の特長や今後の展望をヤマト運輸の担当者に聞いた。

「こねこ便420」とは?
「こねこ便420」は、資材費込み全国一律420円で荷物が送れる小型配送商品。専用資材は横34センチメートル×縦24.8センチメートル、厚さ3センチメートル以内、3辺合計61.8センチメートルのサイズ。事前に専用資材を購入することで発送時の支払いが不要となる。

宅急便と同等の日数で配送先の郵便受けに投函する。配送状況の追跡もできる。日付指定、時間指定はできない。また現時点ではB2クラウドには未対応としている。
会報誌の発送などで引き合い
専用資材はヤマト運輸の営業所またはセールスドライバーから購入できる。発送はヤマト運輸の営業所への持ち込みか集荷で受け付ける。1通から自宅やオフィスへの集荷・配送に対応するという。補償額(責任限度額)は3000円まで。
「こねこ便420」の利用シーンは、書籍・雑誌、CD・DVD、衣類、化粧品といった小型商品の配送など。発売後の傾向としては会報誌の発送などの需要が高いという。
「ネコポス」など小型配送商品はすでに展開していますが、従前は法人向けが中心でした。加えて「ネコポス」はPCやプリンタなど設備が必要となることもあり一定のハードルがありました。誰でも使える、わかりやすさを重視し、物を送る選択肢を広げる「こねこ便420」を開発しました。
専用資材によって資材の準備や梱包の手間も省け、宛名シールを貼り付けるだけで発送できます。まずはより多くのお客さまに「こねこ便420」を知っていただきたいです。(ヤマト運輸 宅急便部サービス商品課長 山﨑遥氏)
ヤマト運輸 宅急便部サービス商品課長 山﨑遥氏
「こねこ便420」は2024年8月に東京都限定で先行発売し、2025年5月21日から沖縄を除く全国に展開した。全国展開以降の進捗は順調だという。「どちらかというと法人からのニーズが高く、小規模な企業からの引き合いも多い。100枚など大ロットで購入いただくケースも多い」(山﨑氏)
他の小型配送商品との共存関係は?
「こねこ便420」はヤマト運輸が展開する他の小型配送商品との共存関係はどうなっているか。たとえば「こねこ便420」の専用資材は2025年9月現在の「ネコポス」(※)より一回り大きい。また「宅急便コンパクト」の薄型専用BOXとほぼ同サイズとなっている。
※縦31.2センチメートル以内/横22.8センチメートル以内/厚さ2.5センチメートル以内。ただし、「ネコポス」のサイズは2025年11月10日に改定予定。改定後のサイズは、三辺60センチメートル以内、長辺は34センチメートル以内(下限は縦23センチメートル・横11.5センチメートル)。
「宅急便コンパクト」を関東から関東に送った場合、宅急便運賃は650円、専用BOXは70円で合計は720円となる。「こねこ便420」は全国一律420円のためリーズナブルだ。「ニーズに応じて最適な商品を利用してもらいたい」(山﨑氏)

専用資材の販売場所・発送方法の拡充も検討
今後は専用資材の販売場所や発送方法の拡充を検討しているという。
今後、ヤマト運輸の営業所以外にもコンビニでの資材販売や発送、駅やスーパーなどに設置されているオープン型宅配便ロッカー「PUDOステーション」からの発送など、販売場所や発送方法の拡充といったサービス改善を検討しています。現在は1通から専用資材の販売・集荷に対応しているので、気軽にセールスドライバーに連絡してほしいです。(ヤマト運輸 宅急便部 サービス商品課 係長 金 敏鎬 氏)
ヤマト運輸 宅急便部サービス商品課係長 金 敏鎬 氏
なお、「こねこ便420」は日本郵便が展開する「レターパックライト」とも競合すると見られる。サイズは同様で、レターパックライトに対して「こねこ便420」は価格が10円安く、補償額の設定があるという違いがある。一方、レターパックライトの特長としてはコンビニなどでも購入可能でポスト投函で発送ができる。なお「こねこ便420」では信書は送れない。