新・ネットショップ担当者が知っておくべきニュースのまとめ

「TikTok Shop」、物流2030年問題、AI――2025年の注目トピック振り返り。2026年はリアルとバーチャルの垣根がより薄くなるかも

ネットショップ担当者が押さえておくべき2025年のトピック振り返り+2026年に意識しておきたいポイント

中林慎太郎[執筆]

7:00

年始の原稿が終わって一難去ったと思ったら、また一難。「先に書いておけばいい」「2026年はいろいろと仕事をしながら、時間の使い方にフォーカスして生活をしよう」と考えているものの、新年からなかなか思うように物事が動かない中林ですが、2026年も頑張ります。頭をフル回転して、2025年のトピックの振り返り、2026年のEC予測――をまとめました。

「Amazon Bazaar」、AI活用、「TikTok Shop」、物流問題――2025年気になった4つのニュース

さて、年始からあたふたしている皆さま、ごきげんよう! 「2026年は何をしようか」と既にスケジュールが決まっている人はどのくらいいるでしょうか? 2025年を振り返って「今年はこうしたい」「やっぱりこうしないといけない」「こうした方がよかったな」「これを進めたい」など目標設定は進んでいますか? 2026年も既に2月に入りましたが、まずは2025年の気になったニュースを4つ!

アマゾン、格安アプリ「Amazon Bazaar」を台湾や中東・南米に拡大 | Impress Watch
https://www.watch.impress.co.jp/docs/news/2061861.html

2024年から安さを売りにした中国サイトが目立ち、2025年のニュースにもちょこちょこ出てきましたね。商品によっては良くも悪くも「Temu」や「SHEIN」などが話題になり、Googleのショッピング広告に出てくるのをよく見かけます。

そして今回は、14地域に拡大した「Amazon Bazaar(アマゾンバザー)」。新興市場で「低価格アプリ競争」が激化していますが、今後どうなっていくのか?! 2026年も型番商品、低単価商材、低価格サイトの動きは気になりますね。

ただ個人的には、モノにもよりますが、ある程度の価格帯でもクオリティが担保されていれば、現状ビジネスとしてはそこまで支障がないかなと感じています。新興市場を横目で見つつ、今の価格帯や価値をしっかり表現して運用・販売していくというのが重要だと考えています。

AI時代に起きる購買行動の“地殻変動”。エージェントコマースから選ばれるブランド、ECサイトになるには? | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/15107

「SEOは死んだ」などとささやかれ、2025年もそんなセンセーショナルなタイトルの記事を目にすることがありましたね。AIが単なる検索支援ではなく、消費者の「買うべき商品」を自動で提案・決定する仕組みが急速に普及しつつあります。ただ、結局は“AIアルゴリズム上で存在感を持てるか”ということにあると思います。

AIでも人でもそうですが、何かしらの判断基準が出てくるはずなので、そこをしっかり選別する。今までGoogle上だけでマーケティングをしていたわけではないので、あくまでも「消費者行動が変わる可能性が高まってきており、そうなるような未来がそこまできている」というお話です。

小売業者としては、とにかく今できることをしっかりやる。AIがよくわからない大きな力に左右されない限り、テクニカルな部分は置いておいて、小売業者としてやることは変わらないのではないかと思っています。もちろん、AIで検索されることで得られるPVは重要なので、しっかり動向を押さえておくことは大切です。

TikTok Shop は「黒船」か、それとも「共存者」か? 米国の先行事例に学ぶ | DIGIDAY
https://digiday.jp/platforms/251106_firework_takizawa/

2025年下半期で一番聞いたワードは「TikTok Shop」。文化的な問題で国内のライブコマースが足踏みしている感はありますが、ちらほらと“成功事例”と呼ばれているお店も出てきています。ただ、まだ規模感としては小さいみたいなので、サービスとして日本で根を張るのか、その辺りも含めてしっかりジャッジしていきたいところ。2026年はどのように変化してもおかしくないので。

記事内にある「今時のクリエイティブを発信しながら、ブランドやストーリーで勝負する場」、これをいかに「オーセンティシティ(本物らしさ)」を表現するかがキーワードになってくると思います。日本市場の場合、まだライブコマースという部分がネックになりそうですが、若年層をターゲットにした商品や越境ECなどにおいては勝機がありそう。まだまだ文化との障壁はありそうですが……。

「置き配」を標準サービスに、国交省がルール改定へ 再配達削減狙う | 日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA075UL0X01C25A1000000/

EC業界でも深刻な、物流の2030年問題。少子高齢化によるトラックドライバーの絶対的な不足により、2030年には国内の輸送能力の約34%(9億トン相当)が不足し、経済活動やサプライチェーンに深刻な影響が出るとされる問題です。物流費の高騰なども含め、ECに直撃しそうな問題ですね。

こうした問題もあり、最近標準化され始めている「置き配」ですが、盗難防止という課題解消にはなかなか時間がかかりそうです。海外では、いたずら系ユーチューバーが盗難を逆手にとった動画企画を制作し、爆発音やカラースプレーで盗人を驚かせる装置を仕込んだ「罠荷物」を置いて逆切れさせるというショート動画などが流れるほど。

日本でも「置き配にしたら荷物がなくなった」といった話を自分の周りでも結構聞くので、早く解消されるようなトラブル回避の手段が一般的になると、個人的にもありがたいですね。一日も早く、物流問題の解消と物流費が安定化する未来がきてほしいものです。

2026年は「ボーダーレス」が進む?! リアルとバーチャルの垣根はどんどんなくなっていくかも

さて、この話をする前に「2025年度に何を書いたかな?」と思い、振り返ってみました。「自分たちのビジネスに沿った、お客さまのニーズに合わせた今ある技術をしっかりと見据え、価格と相談しながらきちんとテクノロジーを使いこなしてください!」と、あまり面白くない結論でしたが、皆さまは一年間どうだったでしょうか?

2025年に「どこのSNSやモールが良いのか」とよく聞かれましたが、「自分たちのお客さま属性は何なのか?」をしっかり見据えた上で「じゃあどこでECをやるのか」を決めることが重要です。これはいつの時代も変わらないことですね。

そして、2025年もたくさんの出来事がありましたよね。特に「ChatGPT」のショッピングアシスタント機能、「TikTok Shop」など、EC業界にダイレクトに関わってくるようなニュースが多かったように思えます。まさに地殻変動が起こりつつあるということではないでしょうか?

そんななかで「何をしたら・考えたらいいのか」ということですが、OMOやオムニチャネルといったリアルとバーチャルの境界線を意識的になくしていくことが、いよいよ表面化してくるかなと思っています。「ECはECのなかで」ということが当たり前に進んでいましたが、リアルの世界がIT化し始めてくると、元々戦っていた場所で地殻変動が起こり得ます。

中小企業からみると、大手企業が一気に資金力で武装し始めてきています。数年前に「D2C」という言葉が流行っていましたが、注力している大手企業もたくさん出てきました。リアルとの境目がなくなると、一層企業間で格差が生まれてくるのではないかと思っています。

「越境EC」という部分では、外資系のカート「Shopline」、外資系のモール「Shopee」なども、アジア圏での仕組みが出来上がりつつあり、以前よりも身近になってきている気はします。しっかり次の戦略を練りながら、頭の中に無意識にある「ボーダーライン」を取り払い、今を「ボーダーレス」で考えた時にどう世界が広がるのか。そして、そこに見えているお客さまとしっかりと向き合うことがより重要になってくるのではないでしょうか。

マーケティングとは少し離れますが、生産性の向上という観点で、AIを活用した生産性向上をどのように職場に組み込んでいくかも大切です。これはEC事業者に限らず、「AIをどう駆使して、社内インフラとしてどこまで取り込んでいくか」「取り込むための知識と準備をするか」も、2026年の運用という意味では大事な課題になってくるかなと思っています。

2026年もITを駆使してしっかりECを運用してもらいつつ、3人のリレー記事を楽しく読んでいただきたいです。今年もよろしくお願いいたします。

今年も新年早々、「早く原稿を下さい」とつつかれている中林慎太郎でした。


「新・ネットショップ担当者が知っておくべきニュースのまとめ」は以下の専門家が連載しています。

ECMJ 石田氏石田氏

ECマーケティング人財育成は「EC事業の内製化」を支援するコンサルティング会社です。ECMJコンサルタントが社内のECチームに伴走し、EC事業を進めながらEC運営ノウハウをインプットしていきます。詳しくはECMJのホームページをご覧ください。

UdemyでECマーケティング動画を配信中です。こちらもあわせてご覧下さい。

ユウキノイン 酒匂氏酒匂氏

ユウキノインは寄り添い伴走しながら中小企業・ECサイトのSEOからコンテンツマーケティング、プレスリリースやクラウドファンディングなど集客・販促・広報をお手伝いする会社です。詳しくはユウキノインのホームページをご覧ください。

Designequation 中林氏中林氏

Designequationは何かに特化したサポートではなく、モール・ベンダー選定や広告・CSなど各企業に合わせたカスタマイズ型の運用サポートを行っています。

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