中林慎太郎[執筆] 7:00

お正月休みでなまった身体を一生懸命温めている皆さん、あけましておめでとうございます。お正月休みから約2週間が経ちました。本年も「はっ!」と気付きのあるネタを発信したいので、頑張ります。

2024年のトピックを振り返りつつ、2025年のECを予測する――ということで、まずは2024年の振り返りをして、その後に"中林・ノストラダムス・慎太郎"の大預言ばりに、2025年を予測していきたいと思います。

生成AI、物流問題、決済など、2024年を振り返る

毎年ですが、"ラットイヤー"なITの世界は日々劇的に進化していきます。想像よりも流れが早く、追いつけないですよね。ただ、やること・できることは限られているので、はやり廃りではなく、しっかり自分たちのビジネスや業務を見据えた上で「自分のお店に何が必要なのか」を取捨選択し、情報を得ることが重要です。

毎回同じことを言っていますが、基本的にやること・考えることは同じ。一発逆転ホームランなんてありません。勉強をしていない凡人が、東大なんて受かりません。

話題の「ChatGPT」こんなに使えたら本当にすごい! 目からウロコの使い方を解説|GPTs活用事例も | Web担当者Forum
https://webtan.impress.co.jp/e/2024/01/24/46177

生成AIで変わるコンテンツ制作効率化 Googleからの低評価を防ぎ、SEOで成果を出す方法 | Web担当者Forum
https://webtan.impress.co.jp/e/2024/09/20/47719

2024年は「ChatGPT」などの生成AIを筆頭に、さまざまなAIの仕組みを業務に使い始めた年ではないでしょうか。「Gemini」で構成されたデータベース「Google NotebookLM」もあったり、「bolt」のようなシステム生成があったり。ただし、AIは業務遂行ツールという使い方ではなく、業務を補佐し時短ツールとして使っており、人間がまだ介入する必要もあります。

「Chat GPT」が本格的に世の中に出てきてから、GoogleはAIが生成したSEOコンテンツに対して「ポリシーに違反する」と言っています。あくまでも業務改善ツールの枠のなかでいかにAIを活用してあげるか、どうシステムを使いこなすか、上手に使うことが重要ですね。まぁSEOコンテンツの生成はまだまだウエットな部分がなく、温度感を感じられないので、AIでコンテンツを生成しても結果的に効果が……となりそうですしね。

何をしたいのか、目的を考えながらしっかりとAIと向き合いましょう!

ECサイトを作るほどではないけれど……テスト販売・カスタムなど柔軟な売り方をかなえる中小向け決済とは | ECzine
https://eczine.jp/article/detail/15709

【ここがすごい】オンライン決済Stripeとは?初心者向けにわかりやすく解説 | Rabiloo
https://rabiloo.co.jp/blog/online-payment-stripe

個人的にはゆっくりと注目されてきたと思う「決済」。2024年末の記事でも書きましたが、ECもリアルのビジネスも、どんどん垣根がなくなってきたように思います。今後フィーチャーのされ方によっては、簡単に決済を実装できるシステムがより利用されるようになってくるのではないでしょうか? 実店舗へのバーコード決済の導入など、デジタル化がリアルの世界でもどんどん進んできていますが、その波と同じような流れかもしれません。

ECも進化しています。プラットフォームがなくてもECサイトが作れる、ブログでも簡単にカートが設置できる、そんな世界がもうすぐそばにきていますね。アイデアを駆使して自由なECの体験を作り出すことも可能な世界になっています。

楽天オプティミズム2024まとめ | コマースデザイン
https://www.commerce-design.net/blog-staff/240926-optimism2024/

楽天オプティミズム2024 ~「楽天市場」2024年下期戦略共有会~【参加レポート】 | コマースピック
https://www.commercepick.com/archives/54470

2024年度下半期も後半にさしかかり、いろいろなサービスがリリースされているタイミングではないでしょうか。それによる弊害、よりお客さまにプラスになること、いろいろあると思いますし、さまざまなサービスがリリースされると思うので楽しみです。また1月末には「楽天カンファレンス」も行われるので、どのよう内容がリリースされたのかも確認できますね。

さて、「各サービスをしっかりと自分達のビジネス上の影響を考えて運用していますか?」という点から、この2記事をピックアップ。知らないうちに変わっている部分もあると思いますが、しっかりと確認しておくことが必要です。「楽天カンファレンス」に出席する・しないにかかわらず、システムのアップデートを再度見直してみましょう! 使っていない新機能があるかも?!

「Yahoo!ストア向け フルフィルメントサービス」終了のお知らせ | ヤマト運輸
https://business.kuronekoyamato.co.jp/news/20241120/index.html

ヤマト運輸、Yahoo!ストア向け フルフィルメントサービス終了を発表【2025年2月20日まで】 | ECのミカタ
https://ecnomikata.com/ecnews/45274/

"EC×物流問題"という点から見ると、このサービスの終了は非常にショッキングでした。楽天の「RSL」やAmazonの「FBA」のような形をめざしていたと思うのですが、残念でしかありません。

確かにECの物流はかなり煩雑化しており、「おもてなし」がサービス運用に負荷をかけているのも間違いないでしょうし、かなり難易度が高いと思っています。「大手だからできない」こともあるとは思うのですが、サービス過剰なのか、そもそも「おもてなし」は必要とされているのか。バックヤードを自社で運用するにしても委託するにしても、非常に重要な部分だと思っています。

事業規模が大きくなってくると、感情面も含めてロジカルにしっかりとサービスを見直して、システムにある程度組み込むことも重要だと思っています。これはCSの部分も同様です。

物流2024年問題、通販・EC企業の7割が「影響あり」。対策は運賃交渉、運送費の値上げ、配送会社の見直しなど | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/12875

「物流業界の2024年問題」 EC業界に与える影響を物流スペシャリストが解説! | ECのミカタ
https://ecnomikata.com/column/43202/

ECの世界ではもはや当たり前となった物流問題。しかし、あまり自分ごと化できていないEC事業者さんも多いのではないでしょうか? 物流費の値上げや遅延など、引き続き2025年も物流クライシスは継続すると思われます。ECモールなどの対応、そして自社サイトでも対応する必要が出てくると思われます。

現状、人海戦術の物流はどうしてもサービスを充実させるとコストが増加してしまいます。今後、コスト以外にも影響が出てくる恐れがある物流問題。2025年も何かしらの波がくる可能性がありますね。

2025年のECはどう変わる?! 2025年にやらないといけないこと。

つまらないかもしれませんが、2025年も相変わらず「未来で何が起こったとしても、基本的に新しいモノはECではあまり使えません」という回答です。はやりの情報に乗っかるのは良いですが、既に出ている技術をしっかりと理解した上で身に着けることが重要です。

そもそも「2025年の予測」という話題が出た際に、「魔法使いや占い師じゃないので、未来予測なんて……」とは思ったのですが、未来予測が当たろうが当たらなかろうが、ここでしっかりと書くことも重要かなと思いまして。

自分たちのビジネスに沿った、お客さまのニーズに合わせた今ある技術をしっかりと見据え、価格と相談しながらきちんとテクノロジーを使いこなしてください!」というのが答えになります。

「こんなところでそんな回答……」と思うかもしれませんが、基本的な部分は特に変わりません。カスタマー対応が重要なこと、マーケティングという統計学が中小企業ではあまり使えないこと、マーケティングとブランディングがごちゃ混ぜになっていること、エモーショナルを無視したマーケティング、数字だけの統計学――いつの時代も同じだと思っています。

AIの技術は会議やマーケティング、情報のまとめなどには役立ちそうですね。そして、何をどう使うのか、どの技術を取捨選択するのか。自分の行っているビジネスや興味・関心のあることも含めて色々調整すると、時間短縮にも使えると思います。

「楽天市場」「Yahoo!ショッピング」「amazon.co.jp」などモールの動きもいろいろありますね。AIの導入で今後変わっていくこともありますし、それによって組織の形も変わってくると思います。さらにモールの動きが変われば、本店(自社ECサイト)の運用の仕方も変わってきます。

パソコンだけだったものが、スマートフォンの普及により作業が2倍になっている今。「どうすればコスパが良いのか」も含めて、技術の革新と技術の介入と「それらを自分たちはどうするか」の取捨選択を行う。

「昔はこうだった」ではなく、「今はこういうニーズ」と考える。足し算ばかりではなく、引き算もしっかり行う。2025年も変わらず、熟考しながら日々の業務をコツコツと改善しつつ、新しい技術の情報を得ながら導入して進めつつ、しっかりと業務の基礎を固めて、取捨選択しながら日々の業務を邁進してもらえればと思います。

2025年も上手に技術と向き合ってECを運用しながら、3人のリレー記事を楽しく読んでもらえたらと思います。今年もよろしくお願いいたします。

毎回、編集者に「早く書け」と突っつかれている中林慎太郎でした。

ECマーケティング人財育成は「EC事業の内製化」を支援するコンサルティング会社です。ECMJコンサルタントが社内のECチームに伴走し、EC事業を進めながらEC運営ノウハウをインプットしていきます。詳しくはECMJのホームページをご覧ください。

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Designequationは何かに特化したサポートではなく、モール・ベンダー選定や広告・CSなど各企業に合わせたカスタマイズ型の運用サポートを行っています。

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