新・ネットショップ担当者が知っておくべきニュースのまとめ

2025年はZ世代~α世代に対応したコンテンツ作り、新たな技術やプラットフォームへの挑戦が大切。「E-E-A-T」は決して忘れずに!【ネッ担まとめ】

ネットショップ担当者が読んでおくべき2025年のSEOやコンテンツ作りのポイント

酒匂 雄二[執筆]

1月16日 7:00

前回は2024年のSEOを振り返りつつ、2025年の成長のカギは「圧倒的なリアルとライブ感」とお伝えしました。では、2025年のEC業界はどのようになっていくのか、SEOを主軸とした展望をお話しします。

唯一無二なコンテンツ作り、越境ECにおけるSNS活用がポイントに

下の図は、筆者のとあるクライアントのECにおける2024年と2023年の年間売上推移の比較です。上半期は横ばいで推移し、前年割れが3か月ありましたが、下半期は大きく上振れしている月が並び、ECの過去最高売上を記録しました。

ニュースまとめ 2024年SEO振り返り とあるクライアントのECにおける2024年と2023年の年間売上推移
とあるクライアントのECにおける2024年と2023年の年間売上推移

2024年後半にかけて堅調な動きをみせたECサイトには共通点があります。SEO、SNS施策、そして丁寧な接客対応を重視した店舗運営を心がけていたことです。

SEOでは「Google検索品質評価ガイドライン」、特に「E-E-A-T」を意識し、スタッフによる経験や一次情報などに時には動画を交えて、生成AIではカバーできない独創的な唯一無二のコンテンツ作りに取り組みました

Google検索品質評価ガイドライン | Google
https://static.googleusercontent.com/media/guidelines.raterhub.com/en//searchqualityevaluatorguidelines.pdf

顧客と対話しながらのライブコマースによって売り上げを伸ばしている店舗も多くなっていますが、ライブコマースで直接コンバージョンに結びつかなくても、お店の人となりや商品の特徴を伝えることができる「ナーチャリング」につながることの重要性を感じている店舗も増えていると思います。前回触れたリアルイベントも同様ですね。

店舗やショールームがある、インバウンドの来客が見込める事業者のなかでも、ローカルSEO、越境ECで伸長したサイトは、TikTokやInstagramなどSNS発信の優先順位を上げていました

ですが、いずれもハイレベルな取り組みはなく、誰でも実践できるようなことしか行っていません(実践した内容の詳細は2024年の展望記事をご覧ください)。

新しい技術やプラットフォームに積極的に挑戦していく

2025年のEC市場は「AI」「ソーシャルメディア」「サステナビリティ」「オムニチャネル」「メタバース」といったキーワードを軸に、大きな変革を遂げると予想されます。Z世代後半~α世代前半のデジタルネイティブたちも高校生になりはじめ、アルバイトによって得た自分のおこづかいで直接購買をする機会も増えてくるでしょう。

AIの進歩も著しく、個々の消費者によりパーソナライズされた利便性の高いサービスに触れる機会も増えると推測されます。Z世代、α世代は環境問題や多様性に強い関心を持つ人たちが多いと言われていますから、エンターテインメント性に富み、よりエシカルな購買体験を求めるようになることも考えられます。

こうした世代はデジタルデバイスにネイティブですから、検索エンジンやSNSで徹底的にリサーチし、レビューなども吟味して購入することが増えるでしょう。そうすると、これまで以上に企業がどのような経営理念を持ち、どのような課題に取り組み、もの作りやサービス提供を行っているのかということがより周知される状況になると考えられます。

事業者はこれらの変化に対応するため、SNSをはじめとする新しい技術やプラットフォームにも積極的に挑戦し、新たな顧客接点を創出、顧客体験の向上、サステナビリティへ取り組むことが、競争優位性を確立する上で重要になると考えています。

AIに依存しすぎず、「人と人が売買している」に立ち返って考える

その際には、一次情報に基づき「E-E-A-T」を損なわない、人が介在している独創性の高いコンテンツを発信していくことが、SEO・SNS共に重要になってくるでしょう。

しかし難しく考えることはありません。商店街で人気の名物店主が何を行っているかを思い浮かべてみてください。たとえば八百屋の店主であれば、野菜のことを知り尽くし、顧客を見ながら献立を聞いたり、顧客の質問に的確に答えながらおすすめ商品や調理方法を提案したりしていますよね。そこにファンがつき、ファンが増える。それをWeb上で行うには何をすればいいかと考え、そこに適した手法を用いるだけ。

その際、AIに作成させるとしても依存しすぎないようにすることが大事です。会社や店舗として、AI活用の範囲やSNSで「どこまで行って良いか」というOBゾーンを設けることを絶対に忘れないでください

「パーソナライゼーション」「サステナビリティ」「デジタルと現実の融合」をベースに消費者の生活をより豊かに便利に、そして売り手も買い手も健やかになることをめざしていくことが大切だと思っています。

ECも「人と人が売買をしている」という原理原則に立ち返り、「どのような店舗運営、情報発信、接客対応ができるか」につきるのではないでしょうか。2025年が全EC事業者にとって穏やかで健やかな1年になることを、心から祈念しています。

ECマーケティング人財育成は「EC事業の内製化」を支援するコンサルティング会社です。ECMJコンサルタントが社内のECチームに伴走し、EC事業を進めながらEC運営ノウハウをインプットしていきます。詳しくはECMJのホームページをご覧ください。

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