酒匂 雄二[執筆] 8:00

「SEOはオワコン」「SEOは死んだ」――EC担当者からSEOに軸足を置いてから15年ほど経ちますが、この言葉をこれまで何度聞いてきたことでしょうか。衝撃的な響きも聞き慣れすぎて「またSEOはオワコンになるのか」と思うほどになってしまいました。

実はどこかのタイミングで滅んで蘇ったのか、はたまたそうではなかったのか。SEOも生業にしている筆者ですが、そのようなゾンビ的な印象も抱いてはいません。しかし、ユウキノインのサイトの「Search Console」にも毎月ずっと「SEO オワコン AI」の組み合わせが出ていることから、SEOの行く末?が気になる人がそれだけいるということかも。SEOは「オワコン」のふりをしているのかもしれません。しかし正解はSEOに関わる人とサイトの数だけあるのではないでしょうか。

今回は「オワコン」ではなく「崩壊」と言われたSEO

【SEO崩壊】AIで「マーケティングの鉄則」が激変している | NewsPicks
https://newspicks.com/news/10751309/body/

10月28日に上記の記事が公開されると、私のX(旧Twitter)のタイムラインにも次々に引用ポストが流れてきました。「え? SEOはまたオワコンなんですか?」「いや今度は崩壊したそうです」という感じでした。

本当に「オワコン」なのか「崩壊した」のか真偽のほどはわかりません。というか、これはSEOを「検索対策」としているのか「Googleに最適化することをめざす」のか、あるいは「ユーザーに最適化すること」なのかによって、捉え方が異なるのではないでしょうか。

SEOを主業にしているため、ポジショントークと思われるかもしれませんが、私は崩壊したとも急速に衰退するとも思っていません。SEOが崩壊したと真に感じるならば、それは「お客さんをきちんと知ろうともせず対話もせず、ただ『Google』の検索結果だけを見てアルゴリズムをハックしようとしていた」とか、「以前は検索結果に表示されていた・ヒットしたページ数の大きなもので上位に表示させる」「特定のキーワードで上位を獲得しようする」ことをSEOとしていたからではないでしょうか。

これまで数百のサイトに関わり、現在も20ほどのECサイトを支援している立場での一意見ですが、お客さんの行動心理、購買動機への探求心を失わなければ、またお客さんも探求心を失わなければ、売り手と買い手をつなげる最適化はなくならないのではないかと考えています。もちろん、時代とともに変化・進化はするかもしれませんが。

SEOという共通のテーマで話していても、解釈やアプローチはそれぞれで食い違うこともしばしばありますし、それはSEO従事者の数だけ正解というか最適な解答があるのかもしれません。Xで「SEO 崩壊」と検索することでさまざまな考えに触れました。これだけ多くの人たちにいろいろな感情を抱かせるSEOはある意味すごいなと感じました。

要チェック記事

【雑記】 SEOはいつになったら終焉をむかえるのか | ナイルのSEO相談室
https://www.seohacks.net/blog/25802/

今回の主題に関する考察記事のなかで“過去に何度かSEOが終了したきっかけ”として例をあげているのが興味深く、ピックアップしました。

Google、生成AI検索を世界展開 「AI Overviews」 | Impress Watch
https://www.watch.impress.co.jp/docs/news/1635118.html

2023年に「SEOを自ら終わらせた」とされた旧SGE、「AI Overviews(AIによる概要)」。早くも「ここに出現させる方法をハックした」という記事や動画も出てきていますが、100か国以上に展開されることになり、注目を集めそうですね。

【Yahoo!検索】検索結果上に生成AIによる回答の表示とチャット形式で情報の深堀りができる機能の提供を開始 より速く情報にたどり着き、より少ないステップで目的を達成できる検索体験を提供 | コマースピック
https://www.commercepick.com/archives/57061

YahooでもAIによる概要、チャット機能が提供されるようです。Google、Yahoo、Bingも同様になると、またふりだしに戻る感じもしますね。

検索結果に表示されるファビコンを定義する | Google検索セントラル
https://developers.google.com/search/docs/appearance/favicon-in-search?hl=ja

検索結果やブラウザのタブに表示されるファビコン。「48×48ピクセル以上のサイズを推奨」とガイドラインが更新されています。大手企業のサイトでもファビコン未設定のところがありますが、企業ロゴやブランドロゴによる視認性はCTRに影響しそうですね。

グーグル検索のトップが交代、新トップは収益増加よりもUX改善を優先?【SEO情報まとめ】 | Web担当者Forum
https://webtan.impress.co.jp/e/2024/10/25/47980

“短期的には収益を犠牲にしてでも、長期視点に立ちユーザー体験向上を優先してグーグル検索の改良に注力していく可能性も考えられる”。SEO従事者としては、UX優先は嬉しいところですね。

1,000パターンの検証でわかった、成果を最大化するA/Bテストの基本と進め方 | MarkeZine
https://markezine.jp/article/detail/47079

“LPの場合はFVとCTAボタンを改善、Webサイトの場合はユーザーフェーズ起点で考える”。最近、筆者のクライアントでもA/Bテストを行うことが増えてきたので。

ロシアの裁判所、Googleに対し20000000000000000000000000000000000ドルを賠償請求か | ITmedia NEWS
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2410/30/news214.html

米ドルで200溝ドル、日本円換算で約3澗(かん)円だそうです。兆でも京でもなく、澗で10の36乗。子どものおままごとで出てきそうな数字ですね。最初に見たときジョークかなと思ったので。

今、みなさんにお伝えしたいこと

百万回生きた猫は、 何故、最後に 生き返るのをやめたの? | 桃山学院教育大学
https://www.andrew-edu.ac.jp/team/12.html

「SEOはオワコン」という話が出る度に「100万回生きたねこ」という絵本を思い出します。この作品が誕生してから50年近くになりますが、色褪せない名作だと思います。

100万回生きたことを自慢する主人公の猫は、自分にすり寄ってくる猫ではなく、そっけない白猫に惹かれ、彼女との間に生まれた子どもたちへ愛情を注いでいくようになり……というストーリーです。

そして最後に「猫は何故、生き返るのをやめたのだろう」という投げかけがあるわけですね。「この解釈の数こそが正解ではないか」と、物語を読み合う楽しさを桃山学院教育大学の二瓶弘行教授が語っている動画があります。

SEOも幾度となく「終わった/終わっていない」論争が繰り広げられてきましたが、冒頭で紹介した通り、多くの人が感想を述べています。それぞれの考え方を読み合わせてみることも、SEOを深く見つめ直すことになるのかもしれません。

それではまた次回! 酒匂(さこっち)の「ネッ担ニュースまとめ」をよろしくお願いいたします。

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