アスクルは1月28日、2025年6-11月期(中間期)の連結決算を発表した。売上高は前年同期比12.3%減の2087億2500万円、営業損益は29億9500万円の赤字(前年同期は60億2800万円の黒字)、経常損益は38億1400万円の赤字(前年同期は59億2000万円の黒字)、中間純損益は66億1200万円の赤字(前年同期は37億3900万円の黒字)となった。
アスクルは、ランサムウェア攻撃によるシステム障害の影響で受注・出荷の一時停止を余儀なくされ、大幅な減収減益となった。この影響により、中間配当は無配とした。
営業利益は前年同期比で約90億円悪化した。ランサムウェア攻撃の影響により、2025年11月は大幅な減収で利益が約45億円減少。また、一時的な物流効率の低下により、コストが約25億円増加した。このうち約7割は、システム障害に伴う手作業オペレーションによるもの。加えて、猛暑による飲料出荷増や、新物流拠点(関東DC)の立ち上げ費用もコスト増の要因になった。さらに、ロジスティクス事業などもランサムウェア攻撃の影響を受け、赤字幅が拡大した。
出荷停止期間中のWebサイトや物流センターにかかる償却費6億8000万円は営業外費用として、システム障害対応費用52億1000万円は特別損失として計上した。システム障害対応費用には、物流基盤の維持費用、調査・復旧費用、出荷期限切れ商品の評価損などが含まれる。
売り上げの再成長に向けた流動性確保のため、500億円の借入枠(当座貸越極度額)を設定し、機動的な資金調達体制を整えた。
現在、システムおよびサービスレベルがおおむね正常化しているとしており、今後は「過去最大規模の販促」を通じて、顧客数と売り上げの完全回復をめざす。
攻撃直後はFAXや手作業による暫定運用で対応したが、約1か月後にWeb受注を再開。約2か月後には一部物流システムが復旧するなど、段階的に回復を進めてきた。現在は、ほぼすべての物流システムが復旧し、「LOHACO」事業も再開している。出荷力などのサービスレベルは、概ね平常時の水準まで戻っているという。
1月は年始要因による変動があったものの、その翌週には回復基調に戻り、改善トレンドが継続しているとしている。
「ASKUL」「LOHACO」ともに大型セールを実施
アスクルは、2026年5月期末までに顧客数の完全回復をめざし、BtoB・BtoCそれぞれで次の施策を実施する。
ASKUL(BtoB)向け施策
価格競争力の強化策として、主力オリジナル商品を20%以上値下げするほか、メーカー人気商品の特別セールを実施する。営業面では、エージェントと連携し、架電や訪問による直接アプローチを強化する。
LOHACO(BtoC)向け施策
大規模セールを実施する。賞味期限が近い飲料・食品などを対象としたアウトレットセールや、「まとめ割」の対象拡大・割引率強化を手がける。あわせて、「LINE」「Yahoo!」「PayPay」との連携を強化し、大規模な集客施策を展開する。
足元では顧客の利用が回復し始めており、これらの施策を順次投入することで、2027年5月期以降のV字回復につなげていく方針だ。
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