アスクルは1月20日15時、ランサムウェア攻撃によるシステム障害の影響で停止していた消費者向けEC「LOHACO(ロハコ)」を再開した。
納期は「最短で注文の翌日にお届け可能」で、「お届け日指定」「お届け時間指定」「お届け場所指定(置き配)」「定期購入」「医薬品に関するお問い合わせ・受注業務」といった各種サービスも利用できるという。「クーポン」機能は2月から一部再開予定で、「まとめ割」は3月から再開を予定している。
アスクルは、「『ASKUL』ならびに『LOHACO』のWebサイトについては、専門家と連携しながらシステムの安全性に関する対策を講じており、安全に注文できることを確認している」と説明。なお、「LOHACO」では2026年3月上旬に大型セールを実施する予定だ。
アスクルサービスの復旧状況について
アスクルは1月15日、「サービスの復旧状況について(ランサムウェア攻撃によるシステム障害関連・第16報)」を公表し、事業所向けEC「ASKUL」を含む各サービスの復旧フェーズの進捗を明らかにした。
事業所向けEC「ASKUL」では本格復旧フェーズを進めており、1月14日からはASKUL関西DCでも物流システムを使用した商品出荷を再開。これにより、単品(バラ)単位で注文可能な商品数は、約2万5000商品から約24万4000商品へと拡大した。一方で、現時点では出荷拠点が限定されているため、商品のお届けまでに1〜7日程度のリードタイムを要するとしている。
アスクルは、安全稼働を最優先にしながら順次出荷センターを拡大し、従来通りの商品数を従前のリードタイムで提供できる体制への移行を進めている。現在は、東京DC、関東DC、仙台DC、福岡DC、関西DCから単品(バラ)および箱(ケース)商品の出荷を実施。大阪・横浜・名古屋のアスクル物流センターからは箱(ケース)のみ出荷しており、出荷拠点は商品によって異なるという。
その他のサービスについて、印刷サービス「パプリ」が全顧客向けに通常サービスを提供中(ただし一部で納期遅延あり)。「SOLOEL(ソロエル)」および外部カタログ連携(直販モデルを含む)も、通常サービスを提供している。「LOHACO」は1月中に再開する予定としていた。
システム障害の対応とこれまでの経緯
アスクルは2025年10月19日、ランサムウェア攻撃によるシステム障害を確認し、第1報を公表。「ASKUL」「ソロエルアリーナ」「LOHACO」で受注停止が続いていた。10月22日には、障害の主な影響範囲が物流システムであると発表し、10月29日には37アイテムを対象としたFAX受注による手運用トライアルを開始した。
10月31日には、ハッカー集団による犯行声明に関する報道を確認したとし、事実関係の調査を進めていることを明らかにした。同日、一部個人情報の流出可能性を公表。11月11日には顧客問い合わせ情報の一部で新たな情報流出を確認し、11月14日には、良品計画など取引先企業が展開するASKUL LOGISTで受託していた物流業務に関する出荷・配送データの一部が外部に流出した可能性を発表している。
11月6日にはサービス再開に向けたスケジュールを公表し、11月12日からFAX受注の対象を拡大。11月中旬以降は対象顧客を広げ、FAXに加えて「ソロエルアリーナ」サイトでの注文も再開した。12月3日には事業所向けEC「ASKUL」での注文を再開。12月17日からは「ASKUL東京DC」「ASKUL関東DC」の2拠点で物流システムを使用した商品出荷を再開し、12月25日にはASKUL仙台DCとASKUL福岡DCでも同様の出荷を再開している。
アスクルは、調査結果や対応状況について公式サイトで随時報告している。12月12日には、ランサムウェア攻撃の影響調査結果と安全性強化に向けた取り組みを公表し、攻撃手口や被害範囲、不正アクセスの再発防止策、システム復旧・再構築に関する対応内容を詳細に開示した。情報流出が確認された顧客や取引先には個別に連絡を行っており、今後も流出情報の悪用リスクを考慮し、長期的な監視体制を継続しながら、必要に応じて追加対応を実施していく方針だ。
12月22日には「アスクルのサイバーセキュリティ」Webコンテンツを開設し、情報セキュリティに対する同社の考え方や主要な取り組みを紹介している。