朝比美帆[執筆], 吉田 浩章[撮影] 7:00
[Sponsored by: ]

MIXIのスマホゲームアプリ「モンスターストライク(モンスト)」内で使用するアイテムなどが購入できる公式ECサイト「モンストWebショップ」の利用が、ファンの間で活発化している。その背景には、プラットフォーマーが提供するアプリ内の課金よりもアイテムをお得に購入できるだけでなく、決済方法の拡充などUI/UXの向上施策が奏功している。

2025年12月施行の「スマホソフトウェア競争促進法」により、アプリ提供者の自社ECサイトの重要性はさらに高まると見込まれるなか、「モンストWebショップ」が現在どのような取り組みに力を入れているのか。MIXIの福留大輔氏(開発本部 たんぽぽ室 ブルーグループ)に取材した。

MIXI 開発本部 たんぽぽ室 ブルーグループの福留大輔氏

ユーザー数6400万人を誇る大人気スマホゲームアプリ「モンスト」

スマートフォンの特性を活用し、スワイプの操作で誰でも気軽にプレイできるRPG「モンスターストライク」は、2025年に12周年を迎え、2025年5月時点で世界累計ユーザー数は6400万人を突破。登場した当時からの根強いファンも多く、ユーザーは20~40代がボリューム層だが、新たにゲームを始める10代のユーザーも増え続けている。「モンスターストライク」は複数のユーザーとプレイするマルチプレイが可能なため、若年層を中心にコミュニケーションツールとしても利用されているという。

画面上のキャラクターをスワイプで操作し、敵を倒しながらステージを進めていくスマホRPG「モンスターストライク(モンスト)」
画面上のキャラクターをスワイプで操作し、敵を倒しながらステージを進めていくスマホRPG「モンスターストライク(モンスト)」

ゲームで使うアイテムをお得に提供する「モンストWebショップ」を開設

「モンスターストライク」を運営するMIXIは2024年8月、ゲーム内で使うアイテムや特典を購入できる公式ECサイト「モンストWebショップ」をオープンした。ECサイトではゲームのアプリ内よりもアイテムの「オーブ」がお得に購入できるほか、オーブのまとめ買いができるようになっている。

「モンストWebショップ」ではお得にアイテムを展開
「モンストWebショップ」ではお得にアイテムを展開

ゲームアプリ内でもアイテムは購入できるが、その場合はプラットフォーマーが提供するアプリ内での課金となるため、プラットフォームへの手数料が30%ほど発生してしまう。

「モンストWebショップ」では手数料が発生しない分、お得な価格でアイテムを提供し、ユーザーに還元している点が付加価値となっているようだ。

「モンストWebショップ」限定でオーブ(ガチャを引く際に最も主要な消費アイテム)のまとめ売りのほか、Webショップ限定商品を展開。アプリ内でのアイテム購入と「モンストWebショップ」での購入の割合は非公表だが、ECサイト限定アイテムの展開で「モンストWebショップ」の利用者数は順調に伸長しているという。

「モンストWebショップ」ではオーブをお得にまとめ買いできるため、オーブを大量に購入したいユーザーに多く利用いただいている。そのため、「モンストWebショップ」の利用者は、ゲーム自体を継続的にプレイしてくださっている方が特に多い印象だ。

月に一度購入できるパック「月イチお得オーブ」という企画を実施しており、購入履歴がリセットされる月初めには、ほかの期間以上に購入の動きが大きくなりやすい。(福留氏)

MIXI 開発本部 たんぽぽ室 ブルーグループの福留大輔氏
MIXI 開発本部 たんぽぽ室 ブルーグループの福留大輔氏

「モンストWebショップ」はアプリ外のWebブラウザでの利用となるため、UI/UXの向上が不可欠

「モンストWebショップ」はアイテムをお得に購入できる一方で、ゲームアプリ内ストアと違い、Webブラウザを開く一手間が必要となる。そのため、いかにUI/UXを向上させるかが課題だった

MIXIは、ユーザーがアプリを離れてWebブラウザを開いてもらう必要があるため、「モンストWebショップ」の買い物ではできる限りユーザーのストレスを軽減しようと努めている。遷移する際に離脱するユーザーもいれば、せっかく購入画面に進んだにもかかわらず、カゴ落ちしてしまうユーザーも一定数存在する。

そこで、「モンストWebショップ」に訪れたユーザーの機会損失を減らすため、サイトのUI/UXを向上させる施策の一環として決済方法の拡充に着手した。

決済方法には当然クレジットカードをラインアップしているが、クレジットカードを持っていないユーザーや、ECサイトでカード情報を入力することに抵抗を持つユーザーもいる。「ユーザーが利用したい決済方法をECサイト側でしっかり用意しておき、なるべくカゴ落ちを防ぐようにしよう」とMIXIは考えた。

決済方法の拡充と利便性向上のため、圧倒的利用者数の「Amazon Pay」を導入

「モンストWebショップ」の決済方法拡充とUI/UXの向上のため、AmazonのID決済サービス「Amazon Pay」を導入したのが2025年2月。福留氏は「EC開設当初から、『Amazon Pay』は条件が合えばぜひ導入すべき決済方法だと考えていた」と話す。その理由にまず、Amazonの持つ圧倒的なユーザー基盤をあげる。

「Amazon.co.jp」のアカウントを持つユーザー数は相当な規模にのぼる。「モンストWebショップ」ではクレジットカードのほか、多様な決済手段を用意しているが、国内の多くの人が「Amazon.co.jp」を使っている状況を踏まえると、「Amazon Pay」を導入すればユーザーがより一層買い物をしやすくなることは明らかだった。

導入する決済方法は、ゲームアプリの「モンスターストライク」側とも相談。「Amazon.co.jp」の利用者数が多いことから、「『Amazon Pay』を導入すれば、購入機会が増やせるだろう」と社内でも同意が得やすかったという。

「Amazon Pay」導入で、決済方法拡充とUI/UXの向上につなげる
「Amazon Pay」導入で、決済方法拡充とUI/UXの向上につなげる

「Amazon Pay」は「Amazonギフトカード」が使えることが魅力。ショップとの相性も抜群

「モンストWebショップ」に「Amazon Pay」を導入して感じた魅力のひとつとして、福留氏は「『Amazonギフトカード』が使えること」だと言う。

MIXIではさまざまなシーンで「Amazonギフトカード」のプレゼントキャンペーンを実施しており、多くのユーザーがそれらに参加・応募して「Amazonギフトカード」を手にしている。「Amazonギフトカード」の使い道はさまざまだが、たとえば500円分の「Amazonギフトカード」が当たった場合、それで買い物をしようにも物販では買えるものが限られてしまう。そんな時に、500円以下のアイテムを販売しており、なおかつデジタルコンテンツのため送料もかからない「モンストWebショップ」が「Amazonギフトカード」の使い道として選ばれるケースが多く見られているという。

「Amazon Pay」の利用で「Amazonギフトカード」をプレゼントするキャンペーンを実施
「Amazon Pay」の利用で「Amazonギフトカード」をプレゼントするキャンペーンを実施

実際にXでも「『Amazonギフトカード』の残高でお得にアイテムが買えた」といったユーザーの声が見受けられており、多くの「モンストWebショップ」ユーザーに「Amazonギフトカード」の有効な利用方法として広がっている

「Amazonギフトカード」は特定のショップや製品でしか使えないギフトカードと違い、物販でもデジタルコンテンツでも幅広く使えるところに強みがある。「モンストWebショップ」が「Amazonギフトカード」の有効な利用場所になるとは、私も想定外だった。

クレジットカード情報を一から入力せずに、「Amazon.co.jp」のアカウントに登録している情報で決済できる手軽さと利便性が「Amazon Pay」導入の理由だったので、「Amazonギフトカード」で購入できるという視点は導入前にはなかったが、ここにも大きな利点があったと実感している。(福留氏)

有効期限が過ぎる前など、「Amazonギフトカード」を使うために「モンストWebショップ」で買い物をするユーザーもいると考えられ、「Amazon Pay」の導入が、プラットフォーム内課金とは異なる新たな付加価値の提供と差別化につながっている

「モンスターストライク」のゲームユーザーに行ったアンケートによると、「モンストWebショップ」の認知度はまだまだだが、ECサイト限定商品やサブスクも提供していることに加え、「Amazon Pay」や「Amazonギフトカード」が使えるというECサイトならではのサービスが好評を得て、徐々にユーザー数は増えてきている状況だ。

「Amazon Pay」を使いたいユーザーは一定数いると実感

「Amazon Pay」の導入に際しては、ユーザーからも歓喜の声が数多くあがっていた。「モンスターストライク」に関する最新情報を公開する公式番組「モンストニュース」(運営:MIXI)を配信しており、ゲームのアップデートやイベント情報などが確認できる場として、プレイヤーから人気を集めているが、ここで「モンストWebショップ」に「Amazon Pay」を導入したことを発表すると、ユーザーから「『Amazon Pay』があると助かる」などの肯定的なコメントが寄せられた

公式番組「モンストニュース」内で「モンストWebショップ」への「Amazon Pay」導入を発表
公式番組「モンストニュース」内で「モンストWebショップ」への「Amazon Pay」導入を発表

「モンストWebショップ」は「モンスト」内のイベントなどがあるタイミングで利用者数が伸びやすく、2025年7月に実施したキャラクターの強化イベントの際も、通常時より購入者数が大幅に増加した。購入者の増加と同じ率で「Amazon Pay」利用者も伸長したため、「『Amazon Pay』を積極的に使いたいユーザーは、確実に一定数いる」(福留氏)と捉えている。

「スマホソフトウェア競争促進法」が、アプリ提供者の自社ショップの追い風に

2025年12月に「スマートフォンにおいて利用される特定ソフトウェアに係る競争の促進に関する法律(通称:スマホソフトウェア競争促進法)」が施行される。これは、アプリストア市場の公正な競争の促進を目的に、プラットフォームに向けて新ルールが設けられる法律となる。

「スマホソフトウェア競争促進法」における規制の概要
「スマホソフトウェア競争促進法」における規制の概要(出典:公正取引委員会「スマートフォンにおいて利用される特定ソフトウェアに係る競争の促進に関する法律の概要 別紙2」)
リンク元:https://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/2024/jun/0102gaiyou.pdf

こうした内容が施行されれば、アプリストアのルールも大幅に変更され、アプリ提供者がそれぞれに講じられる施策の幅も広がっていくと考えられ、すでに「モンストWebショップ」のように、アプリ外でショップを開設するゲーム事業者の動きは増えてきているという。

今後、アプリ外のショップで買い物をするユーザーが増えれば、アプリ提供者はアプリストアへの手数料分を抑えられる分、利益の拡大につなげやすくなると思われる。

加えて、アプリ提供者のショップが独自に決済方法を拡充すれば、これまでアプリ内課金の決済手段が原因で取りこぼしていた可能性のあるユーザー層にも、再度アプローチすることができると期待される。

2025年12月の「スマホソフトウェア競争促進法」施行以降、MIXIも「『モンスターストライク』のゲームアプリチームと『モンストWebショップ』のチームで協議を重ね、ユーザーがより使いやすく、より購入機会を逃さない施策を検討していきたい」としている。

購入の簡単さ、安心のブランド力、ギフトカードが使える利便性が「Amazon Pay」の大きなメリット

「モンストWebショップ」で「Amazon Pay」を導入・実装して、実際に感じたメリットは、①購入プロセスの簡単さ②Amazonブランドがもたらす安心感③ユーザーの手持ちの「Amazonギフトカード」の残高が決済に利用可能――の3つが特に大きいと福留氏は改めて強調する。これらの特長は、ほかのEC事業者にも有効に働きそうだと指摘する。

Amazonを利用しているユーザーは、「Amazon Pay」を使えばカード情報を入力する必要もなく、本当に手軽に決済が完結できるため、「モンストWebショップ」の買い物自体をすごく便利だと感じるだろう。

また、「Amazonギフトカード」はオンライン上で贈り合うこともできるため、「Amazonギフトカード」をもらったり使ったりする機会が増えていると思う。これは私の想像ではあるが、「Amazonギフトカード」でお小遣いをもらった大学生が、「モンストWebショップ」でアイテム購入に利用しているケースもありそうだと推測している。ユーザーにとっても数百円単位の「Amazonギフトカード」の残高は使い道に迷いやすいと思うので、特にデジタルコンテンツのECとは相性が良いと感じている。(福留氏)

Amazonの手厚いサポートにより、スムーズに導入できた。コストにも満足

「Amazon Pay」の導入・実装までのスケジュールについては、「想定以上に早かった」(福留氏)と振り返る。技術仕様やドキュメントがわかりやすく整備されており、開発チームとしても特に混乱もなくスムーズに実装作業を進められたという。

また、MIXI側から質問や要望があった際も、連絡ツールで両社のエンジニアが直接やり取りできた上、Amazon側からは常時迅速にレスポンスが返ってきていた。こうしたAmazon側のサポート体制も、開発を順調に進めることに寄与したそうだ。

福留氏は「決済手段の追加で私が担当したなかでも、『Amazon Pay』のサポートが最も手厚かった」と評価している。Amazonの充実した支援により、開発から実装までに要した期間は、わずか約1か月半だった。

導入費用やランニングコストに関しても、「モンストWebショップ」にとっては満足度が高いようだ。初期費用は一切かからずに導入できたため、新たに決済手段を追加する上でもコスト面のハードルはなかったという。

プラットフォームの手数料などと比較して、魅力的な水準と捉えており、「Amazon Pay」導入のきっかけの一要因にもなった。

MIXI 開発本部 MIXI M 事業部 基盤グループの福留大輔氏
福留氏は「日々の運営コストに直結するので、このコストメリットは大変助かる」と話す

キャンペーンなど、「Amazon.co.jp」ユーザーの送客を促す企画を積極展開

「モンストWebショップ」は「Amazon Pay」に関連して、「Amazon Pay」で決済をしたユーザーに抽選で「Amazonギフトカード」をプレゼントする独自のキャンペーンを、これまで2度実施してきた。

初回は「Amazon Pay」の導入と同時に実施。2回目は前月に比べて「Amazon Pay」経由の売り上げが伸長する結果となった。

キャンペーンを「モンストニュース」で告知するとユーザーの間で話題となり、「Amazonギフトカード」のプレゼントキャンペーンは魅力的な企画だと実感。また、Xでも「本当に当たった!」などと発信しているユーザーがいたおかげで、ユーザーを通してますます盛り上がりを見せたという。

「Amazon Pay」導入企業が参加できる、Amazon主催の「Amazonギフトカード」プレゼントキャンペーンも頻繁に企画されているため、今後は「モンストWebショップ」としても独自のキャンペーンに限らず、Amazonの企画にも参加していきたい意向を示している。

「モンストWebショップ」が一緒にキャンペーンを行っている事業者はAmazonだけだが、Amazonは巨大なユーザー基盤から自社に送客できるところが大きな魅力だと感じている。今後もAmazonからの送客を見据えて、積極的にキャンペーンを実施・参加していきたい。(福留氏)

圧倒的なプレイ人口を誇る「モンスターストライク」。「モンスト」の事業のなかで、「モンストWebショップ」が掲げている展望は、最も多く決済・買い物をしてもらう媒体となることだ。そのためには、認知度をより一層高め、ユーザー数を増やしていくことが不可欠。ゲームアプリからの誘導のほか、Amazonとのキャンペーンによる送客を引き続き強化していきたいとしている。

Amazon Payは、©2025 Amazon.com, Inc. 又はその関連会社。Amazon及びこれらに関連するすべての商標は、Amazon.com, Inc. 又はその関連会社の商標です。

[Sponsored by: ]
この記事が役に立ったらシェア!

ネットショップ担当者フォーラムを応援して支えてくださっている企業さま [各サービス/製品の紹介はこちらから]

[ゴールドスポンサー]
[スポンサー]