『売れる! EC事業の経営・運営 ネットショップ担当者、チームのための成功法則。』ダイジェスト

購入後のユーザーと接触機会を増やして印象UP+リピート購入につなげる。定型メール見直し、同梱物を工夫しよう

『売れる! EC事業の経営・運営 ネットショップ担当者、チームのための成功法則。』(坂本悟史/コマースデザイン 著 インプレス 刊)ダイジェスト(第16回)

坂本 悟史[執筆], コマースデザイン株式会社[執筆]

8:00

購入後のお客さんとの接触機会を増やすことで、印象UPとリピート購入につなげましょう。ここでは、購入後に送る「定型メール(サンクスメールやフォローメール)」と、商品に同封するチラシなどの「同封物」の活用を紹介します。一度仕組みを設定すれば、あとは「自動的に」購入客をフォローできます。

定型連絡メールを見直す

ECモールでは、注文内容確認メールがシステムから自動配信されますが、店舗からもオリジナルの内容で送ると、店の存在感が強まります。

こういったサンクスメールやフォローメールなどの「定型的にお客さんに連絡するメール」は、トランザクションメールとも呼ばれます。

注文が受け付けられたか、いつ到着するのかなどの必要な情報が書かれており、お客さんにとって「必要なメール」なので、開封率が高く、告知媒体としての効果があります。

サンクスメール(受注確認メール)・発送完了メール

気になりそうなことを、先回りして載せておくとよいでしょう。例えば、「FAQ(よくあるお問い合わせ)のリンク」「商品お届け日の変更方法」「商品取り扱い上の注意点」「領収書の発行」「注文キャンセル・返品・交換」などです。地道なことですが、特にFAQへの導線は、CS対応が効率化され、問い合わせが減少する効果があります。

また、少しでも記憶に残るよう、簡単にお店の紹介を入れるのもよいでしょう。「◯◯専門店△△屋」といった「特長が伝わる店舗名」であれば、名乗るだけでアピールになります。

フォローメール

接触頻度が高いほど記憶には残るので、サンクスメールを1回だけ送って終わりにせず、発送完了メールや、到着後のフォローメールも送るお店も多いです。

お礼を伝え、商品や配送に問題がなかったかと確認します。法則15で紹介した「満足したらレビュー依頼、問題があった場合は直接連絡」もここで行います。

同封物を工夫する

同封物はメルマガとは違い、開封率100%の媒体です。購入客は、届いた包みを必ず開封し、中に入っているものを確認し、取り出します。そこに何か伝えたいことを記載したチラシ類を同封しておけば、必ず一度は目に入ります。

チラシなど資材の費用はかかりますが、それほど高くありません(新規ユーザーを集客してくる費用のほうがよほど高いです)。パンフレットや冊子のようにきちんとした体裁のものでなく、「白黒のA4紙一枚」でも構いません。

お薦め商品・期間限定商品の案内や店舗紹介などを掲載し、レビュー依頼やリピート購入促進をします。商品の使い方や続ける意義をチラシで伝えることも、継続購入の動機付けとなります。

ここでも、店舗名や店舗の特徴を印象付ける工夫をするとよいでしょう。法則59、60で紹介する店舗コンセプトやデザインが定まっていれば、同封物でもアピールします。購入時に店舗名を少しでも覚えてもらえるかが、お客さんの記憶を左右して、リピート購入のきっかけに影響するからです。

長く同じチラシを使いたい場合は「時間が経っても変わらない情報」を掲載しますが、新聞のような体裁で、季節ごとにチラシの内容を変えるケースもあります。一方、コストダウンや環境への配慮などのために同封物を入れない運用もあります。ここは店の方針次第です。

おまけを活用

商品サンプルをおまけとして付けるのも有効です。気に入ってもらえると本商品をリピートしてもらえるきっかけになりますし、ちょっとしたサプライズプレゼントは、購入客の心証をアップしてくれます。「注文していない商品が入っている」と誤解されないように、簡単な説明メモを付けましょう。

クーポンも活用

お客さんの背中を押す「お得感」があると、よりリピート率がアップするものです。同封チラシに、例えば「次回購入時500円引き」や「特定の商品を10%オフ」などのクーポンを付けておくことで、店舗リピートにつながります。

同封物の注意点

ギフト注文の場合は、善かれと思って入れた同封物がトラブルを招く可能性があるので要注意です。金額が書いてある納品書の同封を控えたり、同封物も差し替えるなど、注文者の面子を潰してしまわないような気配りが必要です。例えば、おまけなども、ギフト送付先に同梱するべきなのかどうか、購入客に前もって確認しておくとトラブルを回避できるでしょう。

資材も広告ツールの一種

同封物だけでなく、梱包資材もお店を記憶してもらう効果があります。

ある程度の出荷数になったら、オリジナルの梱包資材を作ることもよいかもしれません。ポイントは、運送会社の規定サイズに納まるサイズで作って運賃を抑えること、そして商品の収まりがよいサイズで作り緩衝材不要で梱包できるようにすることです。メール便は特に出荷数が多くなりやすく、資材としては安いので、該当する方は検討するとよいでしょう。

この記事は『売れる! EC事業の経営・運営 ネットショップ担当者、チームのための成功法則。』(インプレス刊)の一部を編集し、公開しているものです。

売れる! EC事業の経営・運営 ネットショップ担当者、チームのための成功法則。

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インプレス 刊
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