『売れる! EC事業の経営・運営 ネットショップ担当者、チームのための成功法則。』ダイジェスト

クーポン、イベントなどでリピート率アップを狙う! 豊富な企画、“自分ごと化”を促す工夫を凝らす

『売れる! EC事業の経営・運営 ネットショップ担当者、チームのための成功法則。』(坂本悟史/コマースデザイン 著 インプレス 刊)ダイジェスト(第14回)

坂本 悟史[執筆], コマースデザイン株式会社[執筆]

2025年12月8日 8:00

リピート率を高めるには、「リピートするためのきっかけ」が必要です。自然発生するリピートもありますが、待つだけではなく「リピートのきっかけ」を人為的にたくさん企画して、年間スケジュールの中に組み込んで、何度もお知らせしていくことで、リピート購入率や頻度が上がっていきます。

クーポン等で「リピートのきっかけ」を企画する

リピート機会となるようなイベントを企画しましょう。基本的な施策の構造は、「◯◯特集」や「◯◯セール」といった特設ページを作って、メルマガやLINEから案内するというシンプルなものです。共通のナビゲーションを使って、店舗ページ内から回遊導線を張るのもよいでしょう。

一部の人には、「(セール以外で)お客さんへ案内を出す」ことへの遠慮があるようです。一度配信して売れなかったからといった諦めることはありません。DMを受け取った時は何も買わなかったけど、店の存在を覚えていて別の機会で買ったといった経験はありませんか。何かしら発信して、常に「存在感を出し続ける」のが大切なのです。

企画には、大きく2種類あります。以前購入したのとは別の商品でリピートしてもらう「店舗リピート」と、以前と同じ商品で再購入・まとめ買い・定期購入をしてもらう「商品リピート」です。

店舗リピート企画は豊富な企画で案内

店舗リピート企画は、最初に「水槽」を買ったお客さんに他の「アクアリウム用品」などを買ってもらうようなイメージで、「他の色んな商品」を案内していくリピート購入提案です。

ECモールでは、「ECモールでポイントが多くなる日」やセールイベントに便乗した配信が多いですね。ポイントが◯倍付くから今リピートするとお得等々。他にも、母の日・父の日・敬老の日などの「季節ギフト」、新生活・冷暖房・おせちなどの「季節需要」、花粉対策や夏バテなどの「季節提案」、「北海道フェア開催中」「春の新作が入荷しました」など、なんでもOKです。

メルマガやLINEは、「もうすぐ大掃除の季節ですね」「年末は忙しいので、バタバタしないよう準備はお早めに!」とか「足元の冷え、つらくありませんか?」などと、「なんとなく頭の中にあるニーズ」をうまく「思い出してもらう」文面にします。その意味では、プッシュ集客と同じです。

世の中では毎年似たようなことをしているので、各イベントの開催時期は予測できますよね。自店舗の過去の経験も振り返りつつ、バタつかないよう年間スケジュールを作りましょう。例えばギフトイベントは他店も同じ動きをするので、早めにイベント開始して、早割提案をするほうがよいですね(法則26参照)

商品リピート企画は自分ごとにしてもらえる工夫を

商品リピート施策は、一度買ってくれたお客さんへの「同じ商品」のリ ピート提案です。

例えば「お試し商品をお買い上げ頂いた方は、◯月◯日までなら20%オフで定期購入を申し込むチャンス」といった案内です。当該商品にセグ メント(絞り込み)したり、システムで1to1配信します。複数回の文面を 設定し、何日かごとに自動送信する場合もあります(ステップ配信などと呼びます)

消耗品でなくても「補正下着を買った方へ、洗濯替え用にもう1着いかがですか? ◯月◯日までなら10%オフ、2着買うと20%オフ」といった提案ができます。割引ではなくても「特典で○○をおまけします」とか、「今だけ増量」でもOK。定期購入やまとめ買いなどの高額商品へのアップセルや、関連商品とのクロスセルも有効です。

メルマガ件名を「○○を購入したお客様へ」といったものにすれば、「自分のことだ」と認識されやすくなるので、はるかに開封率は高くなります。この「自分に向けられているんだ」と思ってもらえることは重要で、当該商品にセグメントしたり、システムを使って1to1で配信することは、不慣れなうちは手間に感じますが、セグメントしたメール配信のほうが全配信よりも売上が高いというケースは珍しくありません。

なお、1回買ったお客さんが相手とはいえ、改めての売り込みになりますから「商品の良さを思い出してもらう」ことも必要です。そのため、メルマガやLINEの文面には、「他のお客さんの満足レビュー」やマスコミや識者からの評価を載せて「やっぱりいい商品なんだな」と感じてもらうことが重要です。

売り手にも便利な「クーポン」を活用しよう

店舗リピート・商品リピート両方ともに便利な道具が「クーポン」です。

店舗リピート狙いであれば、「ビールの季節!おつまみカテゴリ全品◯%オフ」「20周年記念で20%オフ(お買い上げ◯円以上から)」など。理由を付けると分かりやすいですね。商品リピートでは、セグメント配信でリピーター様限定のクーポンを渡す、という形になります。

買い手側にとって、「クーポンをもらう」というのは、なぜか良いものをもらったような、嬉しい気持ちになります。売り手側にとっては、クーポンの消費件数や経由売上を比較するなどして、企画の比較や改善が考えやすく、便利です。

ちなみに、応用編として「まだレビューがついてない新商品」を試してもらうお試しクーポンを提供して、ブーストをかける方法もあります。

セール企画は「やりすぎ注意」

セール企画は、やりすぎてお客さんが慣れてしまうと「通常価格では買いたくない」という気持ち、いわゆるセール待ちが発生してしまいます。特に「定番商品をセールに出す」のは十分注意してください。不思議なもので、最初はお得で喜んでいたのに、いつしか「通常価格で買うと損した気持ちになる」という心理になってきます。これを「損失回避バイアス」といいます。

これを防ぐためには、セール対象商品やカテゴリが毎回違って「次にいつ何が割引になるか予測がつかない状態」にしておくことです。そうすると「セール待ちで買わない」ではなく、「買う予定になかったけどセールだからこれも買った」といった予定外の追加の買い物をしてもらえます。

在庫処分品やバーゲン用商品をうまく使いましょう。景品表示法を考慮して、通常価格での販売実績を作っておくことは忘れないようにお願いします。

坂本氏坂本氏

店舗内イベントとしてはライブコマースという施策もありますね。実践した何社かに聞いてみましたが、ECモールが集客してくれる企画なら、勢いよく売れる場合があるようです。お祭り的なところがあるので、出演する スタッフの方にも良い経験になるようです。ただ自社開催の場合は、日頃のコンテンツ発信とフォロワー数次第かなと思います。

この記事は『売れる! EC事業の経営・運営 ネットショップ担当者、チームのための成功法則。』(インプレス刊)の一部を編集し、公開しているものです。

売れる! EC事業の経営・運営 ネットショップ担当者、チームのための成功法則。

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