AIによって「答え」に瞬時にアクセスできる時代になりました。便利で効率的な一方、「自分の体験から得る学び」は減ってしまっているのかもしれません。今回の「ネッ担まとめ」では、AI時代だからこそ価値が増す、「体験」から得る一次情報の重要性について考えます。
現場でしかわからないことがある
AIが何でも教えてくれる時代。あえて体験して実感する理由とは | Web担当者Forum
https://webtan.impress.co.jp/e/2026/02/24/52164
冬の松本に行くのは初めてだったので、事前にネットで積雪状況や天気予報を確認しました。市街地は雪がそれほど深くなく、歩道にほとんど積もっていないことがわかりました。「スノーブーツは必要なさそう」と判断し、家族分買い揃えていたスノーブーツは置いていくことにしました。
ところが、いざ現地に着いてみると、その判断が間違っていたと気づきます。大人の目線では確かに道に雪はなく、スニーカーでも問題なく歩けます。しかし、子どもたちは、歩道の端や日陰に残っている雪を見つけては、スニーカーのまま迷わず雪の中へ入っていきます。無邪気に雪と戯れる娘たちを見ながら「スノーブーツと手袋を持ってくればよかった」と後悔しました。
ネットの情報は、冬の松本の街を歩くうえでの「正解」は教えてくれますが、雪を見つけた瞬間の子どものテンションまでは計算に入れてくれません。実際に足を運んで、失敗して、濡れて冷たくなった子どもの靴を横目に、次は絶対スノーブーツを持ってこようと反省する。こういった経験が自分なりの体験の解像度を上げてくれるのだと痛感しました。
情報があふれ、誰もが「正解っぽい答え」へアクセスできる時代だからこそ、自分の体を通して得た一次情報に価値が生まれます。
誰かの分析をなぞるのではなく、自分の視点で世界を解釈すること。
効率という物差しをいったん脇に置き、あえて飛び込んで体験してみること。
一見すると無駄に思えるその遠回りこそが、AIには決して書けない、自分だけの言葉や視点を育ててくれる唯一の方法なのだと、私は信じています。
AIは、過去の膨大な情報を整理して「答え」を出してくれます。しかし、「これから何が起きるか」はAIにも人間にもわからない。ただ1つ言えるのは、「これから起きること」は人の発想が起点だということです。
自分の目で「見て、感じて、考える」。その積み重ねがあるからこそ、言葉にも説得力が生まれるのではないでしょうか。
AIを使う時代だからこそ、人間は「体験」を増やしていく必要があるのかもしれません。
要チェック記事
飲食店の「仕込み代行」で売上高21.5億円 “倒産1000件時代”に急成長する企業とは? | ITmedia ビジネスオンライン
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2603/03/news011.html
すごい。ラクスルもそうですが、こういった事例を知ると、レガシーな業界でもテクノロジーの進化で新しいモデルは常に生まれているんだなと感心します。
「eコマース革命」から13年。「Yahoo!ショッピング」出店プランを一部変更、月額利用料+売上ロイヤリティを有償化 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/n/2026/03/02/15667
あれからもう13年ですか。「eコマース革命」自体を知らない事業者さんもすでに多いのでは。でも、知らなくていいと思うんです。知っていると引っ張られる。
成果は見えづらいが、実は「経営を支える」生命線…【企業の兵站】としてのバックオフィスの"誇り" | 東洋経済ONLINE
https://toyokeizai.net/articles/-/934873
バックオフィスには定性・定量の情報が常に集まってくる。いかにそれを「攻め」につなげるか。まずはチームの意識改革と、それに伴う評価制度が必要だと感じます。
「世界のユニクロ」も夢じゃない? 欧米で大苦戦してたのに、気付けば世界47位のブランド 大躍進を実現した戦略に迫る | ITmedia ビジネスオンライン
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2602/27/news022.html
15年前、20年前にユニクロに入社した人たちが、成長して世界中で活躍しているのでは。採用・教育・成果のサイクルを見ると、企業の成長が予知できるのかも。
毎朝Slackに「今日やるべき広告改善案」が届く。マーケターを解放するAIエージェントの理想と現実 | note | 佐藤 恒 Koh Satoh
https://note.com/rips_gh/n/ne3641eeb44a1
大切なのは「判断」であり、判断には「責任」が伴う。そうなると、判断をAIに任せるのは根本的に難しいと思うんだけどなぁ。ミスったら「AIの判断でして」って言うの?
LINEヤフー、音声入力利用者は約3割 スマホ調査結果発表|日本ネット経済新聞
https://netkeizai.com/articles/detail/17546
私もAI活用は音声入力で行っています。当たり前ですが、文字を書くよりも音声を文字に起こしてもらう方が何倍も早いんですよね。ここは人の習慣が作用していそうです。
今週の名言
「本が売れない時代」なのに30年間右肩上がり…京都生まれの大垣書店が突き止めた"本離れ"の意外な突破口 | PRESIDENT Online
https://president.jp/articles/-/108570
「森ビルといえば、ベンチャー企業や投資会社の人が働く場所でしょう。『これから何をすべきか』『どうやって価値を生み出すか』と常に未来を考えている人たち。だからこそ本はぴったりなんです。考えるヒントを与えてくれるものですからね。そこでビジネス書などを中心に置いたわけですよ。さて、結果どうなったと思います?」
大垣さんは著者に問いかけた。最先端で働く人たちは新しい情報が詰まった本が好まれるのでは、と答えると、大垣さんはニヤリと笑ってこう言った。
「絵本が一番売れたんです(笑)」
意外な答えに驚かされた。その理由を聞くと、子育て世代の社員が昼休みにふらっと立ち寄ったり、休日に子どもと一緒に訪れたりして、惜しみなく購入していくのだという。
「だからね、結局やってみないと分からないんですよ。ターゲットに向けた本選びはするんだけど、結果がわかってたら、みんな悩みませんよ」
(中略)
「だから人間には想像力や経験が必要で、それを育むのが本だと思っています。最近、生成AIってよく聞きますけど、あれはあくまで過去のデータの集積ですよね。確かに処理速度は速いし、過去の傾向から答えを導くのは得意やけど、『これから何が当たるのか』っていう未来は読めないですから」
「ターゲットを想定する」ことはできますが、最終的に何が売れるか、それは行動してみないとわかりません。もちろんデータや分析は大切にするものの、最後は実行するしかない。
データで測れない仮説を生み出すのは人の想像力や経験です。間違っていてもいいじゃないですか。改善すればいいのだから。そして間違いも経験値になります。
AIの進化は激しいですが、「未来を作る役割」は、まだまだ人間に残されているのかもしれませんね。
「新・ネットショップ担当者が知っておくべきニュースのまとめ」は以下の専門家が連載しています。
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ネットの情報やAIは、「平均的な正解」は教えてくれます。ただ、その場の空気、人の感情、予想外の行動までは計算することができません。
マーケティングも同じで、データ分析や市場調査で大枠は見えても、「実際のお客さまの反応」は、現場でしかわからないことが多いですよね。効率を重視すればするほど、体験を省略したい気持ちになるのですが 遠回りのなかにしか見えない発見もあるということ。
マーケティングの原点は、やっぱり「現場」なのかもしれません。