経済産業省は6月4日、小売り、物流、旅客輸送、介護など、地域の生活に欠かせないエッセンシャルサービスの供給維持に向け、事業者の効率化を支援する補助事業「生活維持役務等効率化促進事業」の公募を開始した。補助上限額は3000万円。公募の締め切りは6月25日。

補助対象経費は、クラウドサービス利用費・広告宣伝・販売促進費など
支援対象は、生活の維持に必要な物品やその輸送、旅客輸送、その他のサービスを提供する事業者などで、地域においてエッセンシャルサービスの供給不足が生じている、または将来的に生じるおそれがある分野を対象としている。
補助対象経費には、建物費、機械装置・システム構築費、車両改造費、専門家経費、研修費、クラウドサービス利用費、外注費、技術導入費、広告宣伝・販売促進費、廃業費などが含まれる。
「合理化」「広域化」「多角化」による事業効率化を支援
「生活維持役務等効率化促進事業」では、エッセンシャルサービス事業者の生産性向上に向け、「合理化」「広域化」「多角化」による事業効率化を支援する。
対象となるのは、「連携型事業展開モデル」または「多種型事業展開モデル」に該当する取り組み。
「連携型事業展開モデル」は、複数事業者による協業などを通じて、事業範囲の拡大や経営資源の合理化を図る取り組みを対象とする。
一方の「多種型事業展開モデル」は、複数のエッセンシャルサービス事業を展開することで、事業範囲の拡大や経営資源の合理化を図る取り組みを支援する。
補助対象となる「合理化」「広域化」「多角化」の具体例
補助対象となる取り組みの例として、「合理化」では設備投資やDXツール導入による省力化のほか、共同調達、業務の標準化、バックオフィス機能の共通化などを想定している。
「多角化」の例として、ガソリンスタンドが小売店を併設するケース、バス事業者が貨客混載を実施するケース、地域の観光事業者や建設事業者が介護サービス事業に参入するケースなどをあげている。
また、「広域化」では、小売業の広域チェーン展開、物流事業者による広域配送網の構築、交通事業者による営業所統合などを例示している。
具体的な事例は次のとおり。
- 大手スーパーの地場スーパー承継によるサプライチェーン最適化
- 物流会社によるスーパーの事業承継・移動販売
- 宅配の有閑時間を活用した移動販売
- 同業複数社での共同出資会社設立・拠点集約による灯油宅配事業
- 住民出資会社の事業承継によるSS維持・小売多角化
- 複数の介護施設での共同送迎・コミュニティバス化
- 地場LPガス会社:既存事業の配送網を活かした複数ES事業の展開
補助額は100万円から3000万円まで、補助率は最大3分の2
補助事業期間は、交付決定日から2027年2月19日まで。補助額は100万円から3000万円までで、補助率は、大企業などが2分の1以内、中小企業などが3分の2以内としている。採択結果は7月中旬ごろに公表する予定としている。申請は電子メールまたはJグランツで受け付ける。
なお、同一法人による申請は1件まで。地方公共団体は補助対象外となる。また、同一事業で複数の国の補助金を受けることはできず、交付決定前に契約・発注した経費は補助対象とならない。採択後は、モデルケースの横展開を目的として、全国47都道府県で実施するセミナーへの登壇などに協力を求める場合があるとしている。

