エージェンティックコマースは「知らない」が5割、8割超が「AIによる購入代行」を利用したいと回答
メルカートの調査によると、EC利用時にAIで調べたり相談したりする消費者の86.0%が、AIによる購入代行機能を「利用したい」と回答した。一方で、「エージェンティックコマース」という言葉を「全く知らない」人は50.8%にのぼり、認知に先行して需要が立ち上がっている実態が浮かんだ。
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メルカートは7月22日、ECサイトでの商品購入時にAIで調査や相談を行う20~60代の消費者400人を対象に実施した「ECサイト利用時のAI相談に関する調査」の結果を発表した。

AIが予算や好みを理解し、商品選択からカート投入、決済までを代行する機能について、86.0%が「利用したい」と回答した。一方で、AIが商品選びから購入までを担う購買体験を指す「エージェンティックコマース」という言葉を「全く知らない」と回答した割合は50.8%にのぼった。
エージェンティックコマースの認知は十分に広がっていないものの、AIによる購入支援への需要はすでに高まっている実態が明らかになった。
「全く知らない」が50.8%でも、AI購入代行の利用意向は86.0%
「エージェンティックコマース」という言葉の認知度を聞いたところ、「全く知らない」が50.8%で最多となった。「言葉は聞いたことがあるが、内容はよく知らない」は27.0%、「意味まで詳しく知っている」は22.3%だった。

AIを使って買い物相談をしている層でも、概念としての認知はまだ十分に浸透していないことがわかる。
一方、AIが予算や好みを理解し、カート投入や決済まで代行する機能の利用意向を聞くと、「積極的に利用したい」が28.5%、「日用品などのルーチン購入なら利用したい」が38.5%、「AIが選んだ商品を最後に承認するだけなら利用したい」が19.0%となった。
利用意向を示した回答は合計86.0%に達し、「利用したくない」は14.0%にとどまった。

認知度別に見ると、「全く知らない」層でも75.9%が利用意向を示した。「言葉は聞いたことがある」層では95.4%、「意味まで詳しく知っている」層では97.8%に達している。

メルカートは、エージェンティックコマースについて「知れば知るほど受け入れられる領域」と分析している。
AIレコメンド購入経験者ほど「購入代行」に前向き
AIにおすすめされた商品を「購入したことがある」と回答した人は43.0%だった。「購入はしていないが、購入候補に入れた」と回答した36.0%を合わせると、79.0%がAIによる商品推薦を購買検討に取り入れていた。
購入経験の有無とAI購入代行機能の利用意向を比較すると、AI経由で購入経験がある人の利用意向は92.4%に達した。
なかでも「積極的に利用したい」と回答した割合は42.4%で、未経験者の14.3%と比べて約3倍となった。

メルカートは、AIによる商品推薦を一度利用した消費者ほど、次の段階として購入手続きまでAIに任せることに前向きになる傾向があるとしている。
「決定疲れ」がAIへの委任ニーズを高める
商品選びで失敗したくないため、比較や検討に時間をかけすぎてしまう「決定疲れ」を経験したことがある人は、「よくある」が25.8%、「たまにある」が50.5%となり、合計76.3%に達した。
また、買い物でAIを利用する理由として「自分で多くの商品を見比べ、決断することに疲れを感じるから」と回答した人も24.5%いた。
決定疲れの経験と購入代行機能の利用意向を見ると、「決定疲れがよくある」層では「積極的に利用したい」が55.3%となり、全体平均の28.5%を大きく上回った。

属性別では、女性50代の90.0%、女性40代の80.0%が決定疲れを経験しており、商品選択における負担感がAIへの委任意向を高めていることがうかがえる。
60代男性もAI購入代行への利用意向が高い
性年代別では、60代男性のAI購入代行機能への利用意向が95.0%と最も高かった。「積極的に利用したい」と回答した割合も35.0%で、男性のなかでは最も高い水準だった。一方で、60代男性の62.5%は「エージェンティックコマース」という言葉を「全く知らない」と回答している。

買い物でAIを利用する理由を年代別に見ると、60代では「客観的な比較をしてもらい、買い物での失敗を防ぎたいから」が41.3%と、他世代より高かった。
メルカートは、新しい概念への理解よりも、比較負担の軽減や購入失敗の回避といった実用的なメリットが、AI利用意向を支えていると分析している。
EC事業者には「AIが理解できる売り場」への対応が必要に
今回の調査結果についてメルカートは、エージェンティックコマースの認知拡大を待ってから対応するのでは遅れる可能性があると指摘する。
言葉自体を知らない消費者でも、AIによる購入代行への需要はすでに高い。今後はAIエージェントが消費者に代わってECサイトを訪問し、商品比較から購入手続きまでを担う購買行動が広がる可能性があるためだ。
その際に重要になるのが、AIが正確に参照できる商品情報、在庫情報、価格情報の整備と、代理購入を安全に実現する決済・認証基盤だ。
人にとって見やすいECサイトであっても、必要なデータが整理されていなければ、AIにとっては商品を理解しにくい売り場になりかねない。
今後のEC競争では、商品を大量に並べる従来型の売り場づくりだけでなく、AIとの対話を通じて消費者の選択負担を減らす「提案型」の購買体験への対応が重要になりそうだ。
調査概要
- 調査名:ECサイト利用時のAI相談に関する調査
- 調査方法:インターネットアンケート
- 調査対象:ECサイトで商品を購入した経験があり、購入の際にAI(ChatGPTやGeminiなど)で調べたり、相談したりすることがある20~60代の消費者
- 有効回答数:400人(性別×年代の各セグメント40名ずつ均等割付)
- 調査時期:2026年3月18~19日
※構成比は小数第2位を四捨五入しているため、合計が100%にならない場合がある。

