欧米トップ企業はなぜマーケットプレイス化を急ぐのか? BtoB企業の競争力を高める新潮流

世界で450超のマーケットプレイスを支援するMirakl(ミラクル)が、BtoBマーケットプレイスの成功事例を解説

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7:00

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企業間取引は既存の取引先や営業ネットワークを中心に成立してきた。しかし、BtoCの領域で一般化したマーケットプレイスの仕組みが、BtoBの領域にも広がりつつある。BtoBマーケットプレイスは、調達や販売を効率化するだけでなく、新たなビジネスを生み出す基盤として注目を集めている。

マーケットプレイス基盤を提供するMirakl(ミラクル)の對馬慶亮氏が、BtoB領域で急拡大するマーケットプレイスの基本概念、同社が支援する欧米企業の成功事例について解説する。

Mirakl 営業本部 BtoBチーム シニア アカウント エグゼクティブ 對馬慶亮氏

企業のマーケットプレイス化を支援するMirakl

2012年にフランスで創業したMiraklは、マーケットプレイスを構築するためのSaaSを提供する企業である。日本市場には2022年に参入した。BtoC、BtoB双方のマーケットプレイス構築を支援しており、支援するマーケットプレイスは世界で450以上。Miraklのプラットフォーム上に出店する販売事業者は10万社を超えている。

顧客に選ばれ続ける企業として成長するには、さまざまな技術や打ち手を組み合わせて“総合格闘技”のような戦いに勝っていかなければならない。我々が提案させていただくその選択肢の1つがマーケットプレイスだ。(對馬氏)

Mirakl 営業本部 BtoBチーム シニア アカウント エグゼクティブ 對馬慶亮氏
Mirakl 営業本部 BtoBチーム シニア アカウント エグゼクティブ
對馬慶亮氏

マーケットプレイスの仕組みとメリット

マーケットプレイスとは、取引の場を提供するECサイト運営企業、そこに出店する販売事業者(セラー)、消費者の三者で構成されるビジネスモデルである。商品発送はセラーが担い、決済は運営企業が実施し、手数料を差し引いてセラーへ支払う構造になっている。

ECサイト運営企業にとっては大手プラットフォーマーとの差別化と収益性向上が課題となっている。一方、販売事業者は販路拡大を求め、消費者はより幅広い品ぞろえと利便性の高い購買体験を求めている。また、消費者は幅広い品ぞろえと高い購買体験を求めている。こうした背景がマーケットプレイス需要を押し上げている。

マーケットプレイスの概要
マーケットプレイスの概要

マーケットプレイスを運営するメリットは他にもある。まずあげられるのが在庫を持たずに品ぞろえを拡大できること。そして、手数料モデルによる高い利益率を確保できることだ。また、商品展開のスピードを向上できることも魅力の1つにあげられる。

マーケットプレイスは運営側であるプラットフォーマーだけではなく、販売事業者にとっても魅力的。新規顧客へのリーチ、顧客データの獲得、在庫販売機会の増加、ブランド価値向上といった利点があるからだ。マーケットプレイスは日本の商習慣に根付く複雑な契約や在庫負担といった課題を解消し、利益構造を変革できる可能性がある。(對馬氏)

BtoC領域で普及したマーケットプレイスだが、BtoB領域でも注目されるようになった。その理由について對馬氏は、次の3点をあげた。

  1. リモートワークの普及を背景にオンライン取引が急増し、調達プロセスのデジタル化がコスト削減と競争力向上に直結している
  2. 供給網の脆弱性(ぜいじゃくせい)が顕在化するなか、多様なサプライヤーへ容易にアクセスできる環境の重要性が増している
  3. 価格情報や取引データを活用したデータドリブンな意思決定の重要性が高まっている

欧米トップ企業のBtoBマーケットプレイス成功事例

ここからは海外のBtoBマーケットプレイスの事例を紹介していく。

[事例1]Sysco Corporation(米国)

米国の食品卸売大手Sysco Corporationは、冷凍食品、生鮮食品、飲料などをレストラン、医療施設、学校、ホテル向けに卸販売を手がける商社。ただ、顧客のウォレットシェアは40%未満で、ニッチな製品や専門性の高い商品の不足が課題にあがっていた。卸売りモデルでは在庫責任や資金制約があり、品ぞろえ拡大には限界があったのだ。

そこで飲料メーカー、家電量販メーカー、地場の小規模サプライヤーなどをセラーとしてリクルートし、マーケットプレイスを構築。その結果、デジタル領域で4.5億ドルの増収を実現し、ワンストップショップ化によって顧客の調達負荷を軽減した。

さらに、家電や地場商品といった新カテゴリへの進出や、従来は取引が難しかった小規模サプライヤーとの連携も可能となり、双方にとって新たな販売機会を創出した。

Sysco Corporationによるマーケットプレイス
Sysco Corporationによるマーケットプレイス

[事例2]ABB Ltd.(スイス)

ABBは配電機器やスイッチなどを扱い、電力会社、産業施設、オフィスビルなどを主要顧客とする電気機器メーカーだ。最終顧客の6割強が販売代理店経由で取引しており、既存の商流を維持しつつ、顧客満足度を高めるという課題を抱えていた。

この課題に対し、ABBは自社のマーケットプレイスを構築し、販売代理店をセラーとしてリクルート。これにより、代理店との関係を維持したまま迅速にECモデルへ移行した。

ブラジルではわずか5か月でマーケットプレイスを構築し、インドでは初年度で6000人が利用するプラットフォームへ成長させることができた。代理店を通じた商流を保ちながらスピーディにECビジネスへ市場参入し、事業を拡大できたのだ。

ABB Ltd.によるマーケットプレイス
ABB Ltd.によるマーケットプレイス

[事例3]Toyota Material Handling USA, Inc.(米国)

フォークリフトや関連部品を扱うToyota Material Handling USA, Inc.は、EC化を進める上で正規ディーラーがオンライン販売に参加できない、自社だけでは非正規パーツの流通が難しいといった課題を抱えていた。また、地域ごとのディーラー網を崩さずにEC化を進めなければならない、つまり既存流通を壊さないように配慮しなければならないといったジレンマもあった。

そこでマーケットプレイス化で正規ディーラーをセラーとして参加させ、各ディーラーがサイト上で注文を受けられる仕組みを整備。その結果、オンラインで提供可能な商品数は60万点を超え、流通取引総額が前月比30%以上増加した。

特筆すべきはマーケットプレイス経由の注文の約70%が新規顧客であった点。正規パーツの購入を希望する新たな層を取り込むことにも成功したのだ。

Toyota Material Handling USA, Inc.によるマーケットプレイス
Toyota Material Handling USA, Inc.によるマーケットプレイス

[事例4]Graybar Electric Company(米国)

電気機器卸売企業Graybar Electric Companyはケーブルやスイッチなど電気機器を扱い、電気工事業者や建設業者を主な顧客としている。サプライヤーからの製品情報取得に時間がかかり、販売が遅れることや、紙やFAX、メールなど、形式が異なる注文情報の登録にリソースが必要なことが課題だった。

そこでMiraklを活用し、サプライヤーをセラーとして参加させるマーケットプレイスを構築。現在では取扱商品は100万点を超え、サプライヤー数も1200社以上に拡大している。商品点数やサプライヤー数の増加がボトルネックにならない運営体制を実現した結果、社内では単純作業から解放され、付加価値の高い業務に集中できる環境となった

Graybar Electric Companyによるマーケットプレイス
Graybar Electric Companyによるマーケットプレイス

[事例5]Bunzl plc(イギリス)

英国企業Bunzl plcは売上2兆円規模の消耗品卸売企業で、使い捨てカトラリー、包装材、清掃・衛生用品などを扱い、ホテルやレストランを主要顧客としている。M&Aにより欧州で50社以上の子会社を保有しているが、各社が異なるシステム・商流で運営しており、製品カタログが分断され、グループ全体の商品を一元管理できない状況だった。

そこで、Bunzl plcは子会社をセラーとして参加させるマーケットプレイスを構築した。その結果、全子会社の製品データが統合され、品質が向上し、ワンストップで全商品を閲覧・購買できる環境が整備された。子会社の自立性を維持しつつ、グループ全体の品ぞろえを提供できるようになった。

Bunzl plcによるマーケットプレイス
Bunzl plcによるマーケットプレイス

質の高い商品情報がAI時代を制する

BtoBコマースの高度化を考えるうえで、AIの活用も欠かせないテーマになっている。ただし、AI時代になっても変わらないのは、質の高い商品情報の重要性だ。AIを十分に機能させるには、量だけでなく質の面でも優れた商品データが欠かせない。(對馬氏)

Miraklではマーケットプレイスだけでなく、商品データ管理(Mirakl Catalog Platform)、リテールメディア(Mirakl Ads)、複数チャネル管理(Mirakl Connect)など、さまざまなプロダクトを提供している。これらをAIと組み合わせ、EC事業の成長を加速させるソリューションへと進化させている。

マーケットプレイスは単なる販路拡大策ではなく、商流を維持しながら事業構造そのものを進化させる選択肢になりつつある。Miraklは、こうした変化を支える基盤として、自社を「コマースアクセラレーション(コマースの加速)」の担い手と位置づけている。(對馬氏)

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