メルマガが果たす役割と価値とは? 読者の行動は「その場」では起きない。好意につながっているのは「世界観」と「書き手」
ユミルリンクとライトアップの共同調査によると、メルマガの効果は開封率やクリック率だけでは測れず、時間差での閲覧や店舗来店、企業への好意形成にも表れている。好意につながる要素としては、クーポンなどの特典よりも、企業の世界観や「書き手」の存在感が強く影響していることがわかった。
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メッセージングソリューション事業を手がけるユミルリンクと、AIソリューション事業を展開するライトアップは、企業やブランド、店舗などのメールマガジンを登録している20歳以上の男女1000人を対象に、メールマガジンの役割や価値に関する共同調査を実施した。調査では、メルマガの成果は開封率やクリック率だけでは測れず、時間差での閲覧や店舗来店、企業・ブランドへの好意形成などにも表れていることがわかった。好意につながる要素としては、クーポンなどの特典よりも、企業の世界観や「書き手」の存在感が強く影響していることがわかった。
8割超が「後から開封・利用することがある」
調査によると、「メルマガが届いていることを認識しつつ、その場では開封や閲覧をせず、後から開封・利用することがある」と答えた人は80.7%にのぼった。配信直後ではなく、自分の都合に合わせて読む読者が多い実態が浮かんだ。
メルマガをきっかけに取った行動では、「Webでクーポンを利用する」が39.0%で最も多く、次いで「Web・SNSで検索する」が37.4%だった。
購買行動に関しては、「店舗に見に行く・購入する」が35.3%となり、「Webで購入・申し込みする」の30.5%を上回った。ユミルリンクとライトアップは、メルマガの効果がオンライン上の計測指標だけでなく、オフラインでの来店や購買にも及んでいるとみている。
メルマガは「公式の窓口」として信頼を得る
企業・ブランドの公式アカウントやWeb媒体のうち、最も信頼できるものを聞いた設問では、YouTubeが14.2%、メールマガジンが13.2%、Instagramが12.8%、Xが12.0%と拮抗した。
メールマガジンを信頼する理由では、「個人情報や会員登録を渡してつながっている、公式な窓口だと感じるから」が28.8%で最も多かった。一方、SNSを信頼する理由では、「役立つコラムやコンテンツがある」「見せ方が丁寧」「中身の濃い情報が読める」といった回答が上位となった。
調査では、SNSがコンテンツや表現の充実によって信頼を得る一方、メルマガは「自分が登録した公式の窓口」という立場そのものが信頼につながっていると分析している。
継続購読の理由は特典、強い好意につながるのは「世界観」や「書き手」
好意形成に関する設問では、「最もよく読んでいるメールマガジン」を配信する企業・ブランドについて、「やや好き」が39.6%、「とても好き」が14.7%で、合計54.3%が好意を持っていると回答した。
読み続けている理由では、「メルマガ限定のクーポンや会員限定の特典があるから」が41.6%で最も多く、「商品やサービスの最新情報・限定情報がいち早く手に入るから」が37.0%で続いた。
一方、配信企業・ブランドを「とても好き」と答えた人が、その理由として挙げた項目では、「その企業やブランドの考え方、世界観・価値観が好きだから」が34.7%で最も高かった。「メルマガ担当者のひと言などから、企業の『中の人』の温かみや人間味を感じるから」が31.9%、「メール全体のデザインや文章の雰囲気がよく、好感が持てるから」が31.6%で続いた。
クーポンや特典は継続購読の動機になる一方、企業・ブランドへの強い好意には、世界観や文章の雰囲気、書き手の存在感なども影響していることがうかがえる。
年代によって異なるメルマガに求める価値
年代別では、20代・30代で「イベント・参加型企画の案内」を理由に挙げる比率が、ともに26.5%と全体平均の16.8%を上回った。20代では「中の人の温かみ」も17.7%となり、全体平均の10.0%より高かった。

一方、50代では「クーポン・会員特典」が48.2%で最も高かった。年代によって、メルマガに求める情報や価値が異なる傾向も見られた。
ブランド想起やSNS接触との関係も
メルマガ配信企業・ブランドへの好意度は、第一想起にも関連する傾向が見られた。ブランド名を「いつも思い出す」と答えた層では、72.6%が配信企業・ブランドを「とても好き」と回答した。

また、想起が起きている層ほど、メルマガ登録企業・ブランドのSNSをフォローしている比率も高かった。メルマガとSNSの双方に接触している読者ほど、企業・ブランドを想起しやすい傾向が見られた。

約半数がメルマガに「生成AIらしさ」を感じた経験
調査では、AI活用に対する受け止めも聞いた。「これは生成AIで作った画像や文章だなと感じたことがある」と答えた人は46.3%だった。

年代別では20代が62.4%で最も高く、60代以上の36.3%を大きく上回った。若年層ほど、生成AIらしさを感じ取る傾向が見られた。
また、配信企業・ブランドへの好意度別に見ると、「とても好き」と答えた層で、AIらしさを「よくある」と感じている割合は31.9%で、全体の11.7%を上回った。よく読んでいる読者ほど、文章や画像の変化に気付きやすい可能性がある。
AI活用への評価は「効率的」と「手抜き感」が併存
AIで作成したと感じるメルマガへの印象では、「手抜きをされているようで、冷たい」が44.1%で最も多く、「どこかで見たような内容で退屈」が32.4%で続いた。

一方、「トレンドを捉えていて良い」が29.4%、「効率的で情報が整理されて読みやすい」が21.1%と、肯定的な受け止めも一定数あった。
配信企業・ブランドへの好意度が「とても好き」の層では、「効率的で情報が整理されて読みやすい」が51.8%まで上昇した。一方で、「手抜きをされているようで、冷たい」と答えた人も43.5%を占めた。
調査結果からは、AIによる情報整理や効率化を評価する読者がいる一方、内容が画一的だったり、手抜きと受け取られたりした場合には、否定的な印象につながる可能性もあることがわかる。
メルマガは即時のCVだけでは測れない
今回の調査では、メルマガが配信直後の開封やクリックだけでなく、時間差での閲覧、Web検索、店舗来店、購買、企業・ブランドへの好意形成などにつながっている実態が示された。
また、継続購読のきっかけとなるクーポンや最新情報に加え、企業・ブランドの世界観や書き手の存在感も、読者との関係構築に影響している。メルマガの効果を評価する際には、短期的な指標だけでなく、継続的な接触やブランドとの関係性も含めて捉える必要がありそうだ。

