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コロナ禍において、Eコマース事業に「より本格的に取り組みたい」と考えている会社が増えたと想像できますが、「ECサイトを立ち上げただけ」「自己流の運営で売上が立たない」「継続できない」「担当者が辞めた瞬間に事業が止まってしまった」……。このような苦い経験をしている会社も多いことでしょう。

今こそ片手間ではなく、「会社の事業の柱」としてのEC事業に取り組むタイミングではないでしょうか。今回から3回に渡って「基礎からはじめるEC事業」と題し、EC事業を「事業の柱」に育てるための土台づくりについてお伝えします。今回は「組織づくり」「人材づくり」「仕組みづくり」をテーマに解説を進めます。

EC事業の成功に必要な3つの要素

日本でEC市場が生まれてから20年近くが経ちました。楽天市場やYahoo!ショッピング、AmazonなどのECモールがECのお客さまを広げて15年以上にもなります。ECのテクニックや運用ノウハウ、成功事例など、巷にはEC事業を成長させるために必要と言われる知識があふれています。多くの成功ノウハウを得ているはずなのですが、それがすぐに自社のEC事業の成長につながらないのが難しいところです。

EC事業を成長させるために多くの会社が悩むことは何か。それは、“自社のケースではどうすればいいのか”がわからないということでしょう。知識や情報がないことが問題なのではなく、情報の使い方がわからないのです。

EC含め、自社をデジタルトランスフォーメーション(DX)させるには2つの要素が必要になります。1つは「自社の業務知識」、そしてもう1つは「インターネットやデータ活用などデジタルの知識」です。この2つを掛け合わせることができるとデジタル化が一気に進むのですが、自社の業務知識はあっても、それをインターネットやデータ活用などデジタルの知識と結びつけ、戦略に転換することができないことがほとんどです。

自社の業務知識+インターネットやデータ活用などデジタルの知識

EC事業を「事業の柱」にするために必要なのは「組織づくり」「人材づくり」「仕組みづくり」です。それぞれのポイントを整理してみます。

① 組織づくり

まず「組織づくり」についてです。これまでのEC事業というと、「とりあえず楽天市場に出店してみた」「営業部の誰かが時間が空いたときに更新している」「戦略もなく自己流で商品を追加したり広告を打ってみたりしている」というように、ボンヤリとしたマーケティングを続けていた会社が多いかもしれません。

ECを「事業の柱」にするために、最初に整理したいのは「自社のECに対する取り組み方」です。できれば専任の担当者をつけましょう。ビジネスが小さいうちは兼務でも構いませんが、責任の所在は明確にしなければいけません。責任の所在が曖昧だと、社内におけるEC事業の優先順位はどんどん下がっていきます

そして目標と評価です。EC事業単体としての目標をしっかり設定すること。できれば年間の予算と主なマーケティング活動を計画したいところです。目標設定があればEC事業の担当チームの評価ができます。評価がなければスタッフは動きません。とにかく「組織づくり」については、EC事業を「会社の重要な一部門」として位置付けることです。

② 人材づくり

次に「人材づくり」について。EC事業を進める人材の話をすると、しばしば出てくるのが「新規採用と社内人材育成のどちらの手段を取るか」という悩みです。EC事業を今後、事業の柱として続けていくことを考えるならば、社内人材育成の方をおすすめしたいところです。

そもそも、EC事業を先頭に立って進められるような人材は採用市場に多くは存在しません。仮に採用できたとしても、キーマン1人が辞めた時にEC事業が崩壊するようでは、事業の永続性は得られません。なにより、ECサイトで販売する自社の商品やサービスに対する熱意や知識はそう簡単に得られるものではありません

先にも書いたとおり、自社の業務知識がある人材に対して、インターネットやデータ活用などデジタルの知識を付けててもらう。そして、自社への転換方法を考えてもらうのが良いでしょう。キーマン1人ではなくチーム全員で学び、共有することでチーム力が高まり、EC事業という文化が会社に根付くことにつながります。

③ 仕組みづくり

最後に「仕組みづくり」についてです。商品登録を効率的に行う方法や、検索キーワードからのトラッキングの調査、ツールを活用したサイト間の在庫連動など、日々のECの運営業務については、業務を行う中で新しいルールやテンプレート、共有方法などを決めていけば良いのですが、本格的にEC事業に取り組むにあたって忘れてはならないのは「EC事業は会社全体に影響を及ぼす」ということです。

ECの活用というと、あたかもインターネットの中だけで起こるイメージがありますが、EC事業が成長すると、ECサイトについての質問が実店舗のお客さまからも来るようになります。代表電話に問い合わせが来ることもあります。在庫の出所が複数になり、管理が複雑になります。EC事業の成長による「歪み」は社内のさまざまなところで起こります

まず大切なのは、EC事業が成長すると、会社のいたるところに影響が出ると認識することです。そのため、EC事業部が個々の仕事を進めれば良いのではなく、EC事業チームが会社全体に「報・連・相(ホウレンソウ)」を行う仕組みや、他の部門がお客さまの動きや取引先の情報をEC事業チームに共有する仕組みが必要です。社内の情報共有が「仕組みづくり」の第一歩です。

◇◇◇

今回は「組織づくり」「人材づくり」「仕組みづくり」をテーマにポイントを整理しました。次回は弊社クライアントの具体事例から、「組織成長と事業成長の連動性」をテーマにお話ししたいと思います。

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石田 麻琴

株式会社ECマーケティング人財育成

石田 麻琴(いしだ・まこと)

株式会社ECマーケティング人財育成 代表取締役

早稲田大学卒業後、ネット通販企業に6年間従事。ECの責任者として、ヤフーショッピング月間ベストストア8回受賞。全国第1位を獲得。ネット通販を中心としたWebビジネス支援の株式会社ECマーケティング人財育成を設立。EC・Web企業を支援。
BPIA/Webビジネス研究会ナビゲータ、協同組合ワイズ総研理事。

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