新・ネットショップ担当者が知っておくべきニュースのまとめ

購買行動の新定番? 「エージェンティックコマース」は人間の「買ってよかった」をどこまで満たせるのか【ネッ担まとめ】

ネットショップ担当者が読んでおくべき2026年4月11日~5月15日のニュース

酒匂 雄二[執筆]

8:00

AIが人の代わりに商品の選定・購入を行う「エージェントコマース」「エージェンティックコマース」という言葉を見聞きすることが増えました。「Googleトレンド」で調べると、直近で急伸しているようすが伺えます。「人が商品を選ぶ面倒な作業から解放される」ことは、Z世代を象徴する表現としてしばしば用いられる「タイパ」「コスパ」に通じるものがあるかもしれません。ですが、買い物は人にとって単に面倒な作業なのでしょうか。あてもなく街に繰り出し、一目ぼれしたモノを手に入れるセレンディピティな体験、真夜中にネットサーフィンをしながら「つい、ポチってしまった」ことを、人は本当に手放すのでしょうか? エージェントコマースと検索は対極のように語られることが多いですが、気になる記事を参照しながら、少し考えてみませんか。

ECで「選ぶ」ことは「面倒な作業」なのか。

エージェンティックコマースの衝撃、AIで変わる購買体験と求められるECの変化 | 日経クロステックActive
https://active.nikkeibp.co.jp/atcl/wp/b/26/04/30/06227/

人は面倒な「選ぶ」作業から解放される。ECサイトにとっては、従来のSEOから「AIに選んでもらうための最適化」が必要になる。

人が検索して選ぶ際に必要な「検索エンジン最適化」と、AIに選ばれるために必要な「AI最適化」は本当に異なるものなのでしょうか。

「AIによって人は検索しなくなる」「AIによる概要(AI Overviews) によってゼロクリック検索が増える」という趣旨の文献を読むことも多いです。しかし、人が選んで手にしたい「欲求」、知りたいという「探究心」を失わない限り、従来の検索はなくなったり置き換わったりするのではなく、AI検索と併用されるものだと思っています。

Optimizing your website for generative AI features on Google Search(Google検索における生成型AI機能向けにウェブサイトを最適化する) | Google for Developers
https://developers.google.com/search/docs/fundamentals/ai-optimization-guide

生成型AI検索において、SEOは依然として有効なのでしょうか?

つまり、答えはイエスです!

先日、現時点でのGoogleの見解が公開されました。執筆時点では日本語版が出ていないので、ブラウザの翻訳機能などを使ってぜひ読んでみて下さい。

AI検索最適化の用語だけを見ても、AEO、LLMO、GEOなど何種類もあり、AI検索最適化の情報も数多く出回っています。

しかし、Googleがここまで具体的に「生成型AI検索の誤解を解く」として、本来は行わなくてもいい発信している以上、出典や根拠が乏しいことは信じなくて良いのではないでしょうか。

ただ、間違いなく変化と進化はしていきますから、常にアップデートを怠らないようにしていきたいですね。

要チェック記事

SEO関連

What's new in Google Analytics:New AI Assistant traffic measurement(Googleアナリティクスの新機能:新しいAIアシスタントのトラフィック測定) | Google Analytics Help
https://support.google.com/analytics/answer/9164320?hl=en#05132026

参照元が認識済みのAIアシスタントと一致すると、新しい「ai-assistant」値が自動的に割り当てられます。

これまでAIツールからの流入の多くは、直接流入や参照元不明のリンクのような正確な効果測定が難しい状態が続いていました。

この新機能では、今後AIからの流入が計測できるようになることが期待でき、サイト管理者やSEO従事者にとっては「神アプデ」と言えるかもしれません。

Googleは「従来のSEOが本質的である」としながらも、計測データとして区別することの重要性を軽視しているわけではなさそうです。

AIエージェント時代、「検索はされなくなる可能性」にZOZOはどう対処する?「『提案の場』になるチャンスをつかみに行く」 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/n/2026/05/12/16025

ZOZOがAI活用を「日常の服選びを支援する提案機能」として具体化しているという記事です。

しっかり顧客と対話し、購買行動のデータを生かしていれば、先述のGoogleの見解を実践でき、提案の場に自社がいるチャンスを掴むことにつながるのではないでしょうか。

マーケティング関連

実店舗の再来店きっかけ調査、SNS投稿は2.2%で来店体験・生活動線の55.3%が約25倍に | コマースピック
https://www.commercepick.com/archives/92890

「SNSをフォローしてもらえれば・LINEで友だちになってもらえさえすれば、リピーターになってくれる」と思うのは少々甘い考えかもしれません。ピックアップした記事は、「それらにも可能性はあるが、かなり低い」という調査結果と言えそうです。

「初回来店中」「来店直後」「後日、店の近くを通った時」の合計が55.3%と過半数を超えており、来店時の体験がいかに重要かがわかります。AIにいくら選んでもらえても、よい体験や満足度を提供できるかどうかがカギになりそうですね。

【みんなの給与明細】AI普及におびえる人々と業界の混沌 | 週プレNEWS
https://wpb.shueisha.co.jp/news/society/20260503-131098/

人間の仕事は奪われるのか? SEOやコンテンツ従事者をはじめ、社名が掲載されているものも。あの仕事をしている人たちはAIにどんな危機感を抱いているのか、興味深いのでピックアップしました。

今、みなさんにお伝えしたいこと

バンダイ新商品で「ランダム販売取りやめ」の事例、背景に商法全体への“疲弊不満”の高まりか 複数の調査結果が話題に | オタク総研
https://0115765.com/archives/183450

私もランダム販売商品を時々購入することがあるので、この発表には驚きました。

理由は明かしていないものの、2月に「ランダムグッズに関する実態調査」を実施しており、ランダム販売では「ダブり」が発生することへの不満、是正を求める声が高まっている影響もあったように感じます。

バンダイとは別会社が実施したアンケート調査では、わずか1週間で回答数が約3万6000件を超え、自由記述の設問の累計文字数は269万文字を超えるという結果に。

あらゆるものの相次ぐ値上げで、消費者の心理も「目当てのモノを引くドキドキ」よりも「欲しいモノを手に入れたい」が高まっているのかもしれないですね。

ギフトのように予算と目的に加え、相手の趣向がわかっていれば、AIが代行してくれる買い物は便利だと思います。一方で、「自分のモノは自分で選びたい」「好きなモノを買えた満足感」という体験を代替するものはなかなかないかもしれません。

以前、EC経営者の友人が、お客さんから「どこでも買えるものだからこそ、あなたのところで買いたい」と言われ、仕入れ予定のなかった商品を仕入れたと聞いたことがあります。AIが探し、見つけてきて購入するより、その言葉にはお店冥利に尽きるものが詰まっているように感じました。

誰に選ばれるお店でありたいか、そのためにできることをコツコツ続けていくことが、ひいてはAIにも選ばれることになるのではないでしょうか。

それではまた次回! 酒匂(さこっち)の「ネッ担ニュースまとめ」をよろしくお願いいたします。


「新・ネットショップ担当者が知っておくべきニュースのまとめ」は以下の専門家が連載しています。

ECMJ 石田氏石田氏

ECマーケティング人財育成は「EC事業の内製化」を支援するコンサルティング会社です。ECMJコンサルタントが社内のECチームに伴走し、EC事業を進めながらEC運営ノウハウをインプットしていきます。詳しくはECMJのホームページをご覧ください。

UdemyでECマーケティング動画を配信中です。こちらもあわせてご覧下さい。

ユウキノイン 酒匂氏酒匂氏

ユウキノインは寄り添い伴走しながら中小企業・ECサイトのSEOからコンテンツマーケティング、プレスリリースやクラウドファンディングなど集客・販促・広報をお手伝いする会社です。詳しくはユウキノインのホームページをご覧ください。

Designequation 中林氏中林氏

Designequationは何かに特化したサポートではなく、モール・ベンダー選定や広告・CSなど各企業に合わせたカスタマイズ型の運用サポートを行っています。

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