AIからの流入トラフィックが増え、ECサイトには好影響が出ています。Adobeの分析によると、小売ECサイトに訪問するユーザーのコンバージョン率が向上。エンゲージメント、サイト滞在時間など複数の観点から見ても、AI経由の流入が増えていることが良い影響を与えていることがわかっています。
AI経由で流入したユーザーのコンバージョン率が向上
2025年は、エージェント型コマースが小売ECサイトへの「新たな集客源」として、急速に台頭した1年でした。AI経由のトラフィック数は前年比で4ケタ増で成長。その一方で、AIを活用した商品の発見が今後も継続してトラフィック増の成長を維持できるのか、そしてECサイトのコンバージョンを向上させられるのかについては、疑問が残っていました。
Adobe Digital Insightsが2026年4月中旬に発表したデータ分析は、少なくとも2026年1~3月の期間においては、これらの疑問に答えるものでした。AI経由のトラフィックに起因するECサイトのコンバージョンは改善傾向にあり、Adobeのアナリストによると、AI経由の訪問者と非AI経由のトラフィックの関係性は、従前と比べて「逆転」。AI経由の訪問者の方がコンバージョン率に貢献しているのです。
AdobeはECプラットフォームの運営支援、サイト構築・開発支援、Web分析などさまざまなサービスを提供しています。北米のEC売上高トップ2000社のうち、130社以上が同社のECプラットフォームを利用。100社以上がサイト構築に、200社以上がWeb分析にAdobeのサービスを導入しています。
非AI経由の流入を42%上回る
Adobeの分析結果によると、2026年3月の時点で、小売事業者が運営するECサイトへのAI経由の流入トラフィックは、非AIソースからのトラフィックに比べて42%高いコンバージョン率を記録しました。Adobeによると、これは1年前とは正反対の結果です。1年前の時点では、AIソースからの訪問者のコンバージョン率は、非AIトラフィックの約半分にとどまっていました。

Adobeは、この状況を「AIアシスタントが単なるブラウジング(閲覧)の域を超えた実用性を備え、より効果的に購買を促すツールになりつつある証拠」であると見ています。
AIを活用した買い物は「購入に確信」が79%
Adobeは自社の調査結果から、「オンラインショッピングにAIを利用している消費者の79%はAIアシスタントを利用した後の購入について、より安心感を持てると回答している」と解説。また、調査対象者の69%が「AIアシスタントの助けを借りて購入した商品は、返品する可能性が低い」と回答しています。
AI経由で流入するユーザーの特長
エンゲージメント・閲覧数も非AI経由の流入を上回る
Adobeの分析レポートは、他にも興味深い消費者動向やECサイトに与えている影響を浮き彫りにしています。2026年の最初の3か月間で、小売ECサイトへのAI経由の流入は前年同期比で393%増加しました。

また、AI経由の訪問者は直帰率が低く、非AI経由の訪問者よりもECサイトを回遊するエンゲージメントが12%高いことも判明しました。

加えて、2026年3月に得たデータの分析結果では、AI経由の訪問者はそれ以外の訪問者に比べてサイト内での滞在時間が48%長く、1回の訪問あたりのページ閲覧数も13%多い傾向にありました。
AI経由の流入がECサイトのRPVを高める存在に成長
特筆すべき点は、小売事業者はこれらAI経由の訪問者に対して、非AI経由の訪問者よりも多くの商品を販売できていることです。Adobeが観測した1訪問あたりの収益(RPV)は、非AIトラフィックに比べて37%高い数値となりました。
補足として、3月のAIトラフィックの前年比393%増という数字は、2025年12月に記録した前年比673%増と比べると、成長の伸び率は緩やかになっています。また、2025年12月の数値(前年比673%増)は、2024年10月の実績と比較すると1151%の増加となっていました。
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