
データから読み解くAmazonのEC事業。直販+第三者販売の流通総額+顧客属性+成長チャネルなど数値まとめ

年間EC売上高が4000億ドルを超えるAmazon。EC売上高の推移、2025年の成長予測、顧客属性、マーケットプレイスの流通総額などをまとめました。
2025年のEC売上高は4866億ドルの見込み
Amazonは、2024年の年間EC売上高が前年比8.6%増の4475億ドル、2025年は4866億ドルに達すると予測される世界最大のEC事業者です。ただし、AlibabaなどのオンラインマーケットプレイスとBtoB事業者は除きます。
Amazonは2024年、EC事業の売上高を360億ドル以上成長させました。これは、北米で第3位の小売事業者であるAppleのEC事業全体よりも大きい規模です。

AmazonのEC事業は、2020年から2024年までに1400億ドル以上拡大。2025年までの5年間の年平均成長率(CAGR)は15.9%とされています。また、2020年からの「Amazon.com」のEC売上高の累計増加額は、2025年末までに2781億ドルになると予測されています。
成長分野は第三者販売サービス
米国のEC専門誌『Digital Commerce 360』、Webサイトのトラフィック分析などのサービスを提供するSimilarwebによると、Amazonのチャネル別年間売上高は2025年に7142億ドルとなる見込みです。これまでの変遷を見ると、特に第三者販売サービスの販売手数料が顕著に成長しています。

直販は鈍化傾向
AmazonのECプラットフォームにおける、ファーストパーティ(オンラインストア)の売上高規模はどれくらいなのでしょうか?
サブスクリプションサービスとサードパーティ販売手数料を除外し、Amazonのオンラインストア売上高だけを見ると、Amazonは世界最大のEC事業者で、2位の中国の「JD.com」に1000億ドル以上の差をつけています(Alibabaは除く)。
なお、オンラインストアは現在、成長分野と見なされていません。実際、Amazonのファーストパーティ売上高は、2025年末までに2番目に成長の遅い事業部門になると予測されています。

Amazonのファーストパーティセラーとサードパーティセラーの年間流通総額を見ると、ファーストパーティは2020年からほぼ横ばいまたは微増で推移。サードパーティは増加傾向が見られています。『Digital Commerce 360』は、サードパーティの年間流通総額は2025年に約5200億ドルになると予測しています。

サイトの月間訪問者は24億回
「Amazon.com」の月間平均訪問回数は24.1億回、月間平均ユニークユーザー数は4億5460万回です(『Digital Commerce 360』とSimilarwebより。2025年1月現在のデータ)。
「Amazon.com」の利用者属性は、性別で見ると男性が女性よりも多く、約6割を占めています。年代別で見ると、25~34歳が約3割で最も多くなっています。

サブスクリプションだけでも北米EC売上3位
Amazonは、「プライム会員」に提供しているサブスクリプションサービスだけで年間400億ドル以上の売り上げがあります。
Amazonが他に何も販売せず、サイトにファーストパーティ商品を1つも置かず、サブスクリプションサービスだけを販売していたとしても、Amazon.comは北米で3番目に大きなEC事業者としてランクインするでしょう。Apple(3位)やHome Depot(4位)よりも大きな規模です。
さらに、Nike(9位)、Costco(6位)、Chewy(13位)の合計収益と比較しても、Amazonのサブスクリプションサービスだけで、これらのEC事業者の合計を上回ります。
