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世界最大のEC事業者は、Amazon、Walmart? それともアリババグループ? データで見る世界のEC市場

ECの巨人として君臨しているAmazonですが、Walmart、Alibabaとグローバルで比較すると、必ずしもそうとは言えない事実が浮かび上がります。2024年の実績とともに解説します

Digital Commerce 360[転載元]

2月20日 8:00

米国においてAmazonが最大のEC事業者であることは揺るぎない事実ものですが、WalmartやAlibabaのグローバル展開と比較すると、まだAmazonにも成長余地があることがわかります。Walmart、Alibabaとの比較を通じて、Amazonが遅れをとっている分野を掘り下げます。

米国では最大も「世界最大」のEC事業者ではないAmazon

Amazonは米国最大のオンライン小売事業者であることは間違いありません。AmazonのEC売上高を見るとその事実は明らかです。しかし、これらの数字を主要分野でAmazonとWalmartを、グローバルでAmazonとAlibaba Groupを比較すると興味深い事実がわかります。

Amazonの競合企業であるWalmartとAlibabaの2社と比較すると、ECの巨人であるAmazonがリードしている分野と、まだ遅れをとっている分野が浮き彫りになるのです。

米国のEC専門誌『Digital Commerce 360』の2つのデータベースにおけるAmazonのランキングを見てみましょう。

「Amazon.com」は、「北米EC事業トップ2000社」で1位にランクイン(編注:『Digital Commerce 360』が、北米のオンライン小売事業者を対象に、年間のEC売上高で順位付けしたもの)。AmazonはWalmartよりも上位に位置し、Walmartは2位にランクインしています。

ところが、『Digital Commerce 360』の「グローバルオンラインマーケットプレイス」のランキング調査では、Amazonは3位にランクインしています。1位はTaobao、2位はTmallです。「グローバルオンラインマーケットプレイス」のランキングは、第三者総商品販売額(GMV)で世界トップ100社のグローバルマーケットプレイスをランク付けしています。

米国ではAmazonが2位のWalmartを突き放しトップシェア

米国および北米におけるオンライン小売事業者のなかで、AmazonとWalmartの間には大きな差があります。

『Digital Commerce 360』は、Amazonの2024年のEC売上高(編注:製品売上高と第三者販売売上などから『Digital Commerce 360』が推計)を4486億4,000ドルと推定。Walmartは1232億ドルでAmazonの3分の1未満でした。

間違いなくAmazonもWalmartも、競合他社よりもはるかに優れていますが、Amazonがいまだに圧倒的なリードを握っています。

Amazonは別の重要な指標でもWalmartを凌駕しています。Amazonの2024年10-12月期(純第4四半期)決算で、売上高は前年同期比10%増の1878億ドルでした。Walmartが2月20日に第4四半期の決算発表を控えていますが、一部のアナリストはWalmartの四半期売上高がAmazonの売上高を下回るのは今回が初めてになると予想しています。

このことは、小売業においてECが重要な役割を果たしていることや、Amazonが提供しているクラウドサービス「AWS」や広告を含む、EC以外の収益源によるAmazonの成功を浮き彫りにしているとも言えます。

四半期ごとのAmazonとWalmartの売上高推移(単位:10億ドル)
四半期ごとのAmazonとWalmartの売上高推移(単位:10億ドル)

AmazonはECビジネスにおいて、価格競争力を維持する方法を確立しているようです。Amazonは2024年連結業績の決算発表会で、アンディ・ジャシーCEOが「Amazonは2024年のホリデー商戦で、Walmart、Best Buy、Targetを含む競合他社よりも低価格での販売を顧客に8年連続で提供した」と説明しています。

Amazonに立ちはだかるAlibaba Group

「当社はグローバルで見ても最大手のEC事業者」であるというAmazonの主張には落とし穴があります。この主張を正当なものとするには、EC事業に加えてBtoBサービスを展開する企業、特にAlibaba Groupを除外する必要があるからです。

中国に拠点を置くAlibabaは2024年11月、すべての国内およびグローバル向けのEC事業をAlibaba E-Commerce Business Groupという1つの企業に統合すると発表しました。個々の部門には、BtoBマーケットプレイス「Alibaba.com」や、世界最大級の2つのECプラットフォーム「Taobao.com」と「Tmall.com」が含まれています。

『Digital Commerce 360』は、2024年のTaobaoとTmallの合計第三者総商品販売額(GMV)を約1兆4,800億ドルと推定しています。

Amazonは「2024年に総売上高が前年比11%増の6,380億ドルに達した」と連結業績で発表していますが、Alibabaは依然として世界的に強い地位を保持しています。

この記事は今西由加さんが翻訳。世界最大級のEC専門メディア『Digital Commerce 360』(旧『Internet RETAILER』)の記事をネットショップ担当者フォーラムが、天井秀和さん白川久美さん中島郁さんの協力を得て、日本向けに編集したものです。

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