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検索から「エージェント」へ。Googleと米国美容大手が挑む「UCP」活用によるAIで検索→購入までできる買い物体験とは

米Googleは米国の美容専門チェーンと共同で、新たに2つのAIサービスを開発・発表しました。「AIモード」でのエージェント型コマースと、AIエージェントです。その取り組みと、美容専門チェーンによるAI活用の拡大にフォーカスします。

Digital Commerce 360

8:00

米Googleと美容・コスメ専門店大手の米Ulta Beauty(アルタビューティー)はこのほど、共同で2つのAIサービスを発表しました。1つ目は、Googleの検索インターフェースや「Gemini」に組み込まれた「AIモード」によるエージェント型コマース。2つ目は、AIショッピングエージェント/アシスタントの「Ulta AI」です。これらのAIサービスの特長を解説します。

米GoogleとUlta Beautyが2つのAIサービスを共同開発

美容・コスメ専門店大手のUlta BeautyとGoogleは、AIにフォーカスしたパートナーシップを4月22日に発表しました。消費者は「Gemini」のエージェント型コマース機能を通じて、Ulta Beautyの商品を購入できるようになります。

Google画面上からのUlta Beautyの商品の購入イメージ(画像はUlta Beautyのコーポレートサイトから編集部がキャプチャして追加)
Google画面上からのUlta Beautyの商品の購入イメージ(画像はUlta Beautyのコーポレートサイトから編集部がキャプチャして追加)

GoogleとUlta Beautyは、2つの主要なAIサービスを共同で発表しました。

1つ目は、Googleが検索インターフェースおよびGemini内に組み込んだ「AIモード」におけるエージェント型コマースです。

2つ目は、「Ulta AI」です。GoogleとUlta Beautyは「Ulta AI」を「ショッピングエージェント」または「アシスタント」と位置づけています。「Ulta AI」はGoogleが提供する小売・サービス業界向けAI基盤「Gemini Enterprise for Customer Experience」を使用して構築しており、Ulta Beautyが持つ4600万人以上のロイヤリティ会員のインサイトが活用されています。

Googleでマーチャント・ショッピング担当バイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーを務めるアシッシュ・グプタ氏は、「エージェント型AIは、あらゆる人にとってオンラインショッピングをより簡単にさせる大きな可能性を秘めています」と話しています。

デスクトップ表示(左)、モバイル画面表示(右)の「Ulta AI」のインターフェース表示イメージ(出典:GoogleおよびUlta Beautyのプレスリリース)
デスクトップ表示(左)、モバイル画面表示(右)の「Ulta AI」のインターフェース表示イメージ(出典:GoogleおよびUlta Beautyのプレスリリース)

Google「UCP」活用でAIコマースを円滑化

グプタ氏によると、Ulta BeautyはGoogleの「ユニバーサル・コマース・プロトコル(UCP)」を導入することで、AIモードでのエージェント型コマースを円滑化し、購入プロセスの「障害」を取り除いているそうです。 

「UCP」は、Googleが米Shopifyと共同開発したAI決済対応の標準プロトコルで、AIエージェントと加盟店(EC事業者)をつなぎ、商品検索から購入までの一連のショッピング体験をシームレスにつなげるための基盤です。

なお、Shopifyは2026年3月下旬、「ChatGPT」から自社のECプラットフォーム「Shopify」を利用するブランドの商品を購入可能にする連携を開始しています。

「Google AIモード」内でのエージェント型コマース機能

GoogleとUlta Beautyは、今後1か月かけて「Google AIモード」内にエージェント型コマース機能を順次展開していくとしています。

この機能によって、消費者はGoogle AIモードを通じてUlta Beautyの商品を検索・購入できるようになり、エージェント型コマースの代表的な活用例の1つとなります。GoogleとUlta Beautyによると、消費者はGoogleのインターフェースを用いた対話を通じて、次のようなアクションが可能になるとしています。

  • 商品のお薦め情報を受け取る
  • 買い物する商品の選択肢を比較する
  • 対象商品の決済を完了させる

Googleは発表のなかで、Ulta Beautyを「エージェント型コマース開発における初期の協力パートナー」と呼び、Ulta Beautyが「この新たなコマースモデルが美容分野でどのように機能するかを探る上で、大きな助けとなった」としています。

Ulta Beautyのローレン・ブリンドリー氏(チーフ・マーチャンダイジング・アンド・デジタル・オフィサー)は、「AIを活用した信頼できる専門知識とセグメントした商品提案を通じて、消費者に新たな商品との出会いを促したいと考えています」とした上で、次のように話しました。 

Ulta Beautyは昨今、専門的知識と、お客さまごとにセグメントされた商品提案という強みをAIによるショッピング体験へと拡張しています。これにより、場所を問わず、よりシームレスでパーソナライズされた、そのまま購入可能な商品発見体験をお客さまに提供します。(Ulta Beauty ブリンドリー氏)  

チーフ・テクノロジー・アンド・トランスフォーメーション・オフィサーのマイク・マレスカ氏は、Ulta Beautyが「『UCP』の活用企業として早い段階から参画していた」と明かしました。

お客さまの美容商品の探し方や買い方は明らかに変化しており、その過程でAIがより大きな役割を果たすようになっています。AIはパーソナライゼーションをさらに高度なレベルに引き上げる可能性を秘めていると信じています(Ulta Beauty マレスカ氏)

Ulta Beautyが自社ECサイトで提供する「Ulta AI」

Ulta Beautyは、自社ECサイト(ulta.com)で「Ulta AI」の提供を開始しました。今後はモバイルアプリにも展開していく計画です。

「Ulta AI」は、ユーザーごとにパーソナライズしたショッピングガイドを提供します。これには、膨大な商品カタログの中からユーザーがアイテムを見つけ出すためのサポートや、AIアシスタントによるお薦めなどが含まれます。

次世代のコマースは、小売事業者がいかにAIを実用的かつ拡張可能な機能に変革できるかによって形作られます。「Gemini Enterprise」をUlta Beautyのデータやコマースインフラと組み合わせることで、より利便性や精度の高いプラットフォームを構築し、デジタルエコシステム全体でイノベーションを加速させ、新たな顧客体験の提供につなげます。(マレスカ氏)

米Google Cloudのダルシャン・カンタク氏(応用AI担当バイスプレジデント)は、Ulta Beautyとの提携を「業界の新たなベンチマークになる」と評価しています。

Googleのショッピングエージェントは、消費者の意図とインスピレーションをつなぎ合わせ、カスタマージャーニーを加速させます。従来の検索フィルターを飛び越え、発見から決済まで、パーソナライズされた迅速な体験を提供します。こうした利便性や顧客体験をつなぎ合わせることで、あらゆる検索・購入体験が消費者にとってより意味のある、楽しいものになるのです。(Google Cloud カンタク氏)

この記事は今西由加さんが翻訳。世界最大級のEC専門メディア『Digital Commerce 360』(旧『Internet RETAILER』)の記事をネットショップ担当者フォーラムが、天井秀和さん白川久美さん中島郁さんの協力を得て、日本向けに編集したものです。

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