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RufusとAlexa+を融合した米AmazonのAIエージェント「Alexa for Shopping」とは?パーソナライズ深化の特長+機能まとめ

「Rufus」と「Alexa+」を融合した米AmazonのAIエージェント「Alexa for Shopping」の特長の1つは、Amazon内だけでなく他のWebサイトも含めて機能、価格、レビューを比較した「カスタムガイド」を作成できるという。従前の機能を組み合わせたアップデートを解説します。

Digital Commerce 360

8:00

米Amazonは商品知識に強みを持つAIアシスタント「Rufus」と、生成AI搭載の音声アシスタント「Alexa+」の機能を融合させ、5月中旬に新AIアシスタント「Alexa for Shopping」をリリースしました。Amazon内にとどまらず、Web上の他のECサイトも含めた価格追跡や比較、さらには購入代行までを網羅する新機能を搭載しています。具体的な機能や特長を詳しく解説します。

新AIでは「Rufus」と「Alexa+」を融合

Amazonはこのほど、AIアシスタント「Rufus」と「Alexa+」の機能を統合した、新たなAIエージェントサービス「Alexa for Shopping」を公開しました。

「Rufus」は、Amazonが2024年に提供を始め、2025年のホリデーシーズンに向けて新機能を追加したAIアシスタント。2025年には3億人以上のユーザーがAmazonのショッピングアプリやWebサイトでほしい商品を調べ、比較し、購入するのをサポートしたそうです。

「Alexa+」は、Amazonが2025年2月にローンチした、生成AIを組み込んだ音声アシスタント「Alexa」のアップグレード版。Amazonによると、世界中で数億台のデバイス、「Alexa.com」、「Alexa」アプリを通じて、多くのユーザーが「Alexa+」を利用しています。

これらの機能を組み合わせた「Alexa for Shopping」の主な特長には、高額な買い物をする際、Amazon内だけでなく他のWebサイトも含めて機能、価格、レビューを比較した「カスタムガイド」を作成できる点があげられます。

Amazonは5月13日に発表した「Alexa for Shopping」のニュースリリースで次のように説明しています。 

「Rufus」が持つ商品の専門知識やAmazonでの購買履歴と、「Alexa+」が持つ顧客ごとにパーソナライズした知見、顧客が意図することの理解を融合させることで、「Alexa for Shopping」は幅広い場面やデバイスにおいて、より1人ひとりに寄り添った便利な買い物体験を提供します。(Amazon)


利用は無料、会員登録も不要

これまで、Amazonの有料会員「プライム会員」以外のユーザーが「Alexa+」を利用するには月額19.99ドルの支払いが必要でした。一方、「Alexa for Shopping」は、Amazonのアカウントにサインインしているすべてのユーザーが無料で利用できます。「Echo」デバイスや「Alexa」アプリからの利用も可能。また、プライム会員であるかどうかも問わないとしています。

モバイルやデスクトップの画面上で、「Alexa for Shopping」がどこに表示されるかを示すイメージ(出典:Amazonのプレスリリース)
モバイルやデスクトップの画面上で、「Alexa for Shopping」がどこに表示されるかを示すイメージ(出典:Amazonのプレスリリース)

複数デバイスの情報を基にパーソナライズ加速

Amazonによると、「Alexa for Shopping」を利用するユーザーは、音声、タッチ、あるいはその両方を使ってAmazonストア内を閲覧することができます。

「Echo」やその他の「Alexa」対応デバイスでユーザーが「Alexa」に共有した内容は、Amazonでのショッピングに反映されます。また、Amazon内でのAIとの会話、閲覧、購入の履歴を学習するため、ユーザーはAmazon.comを含むあらゆる体験において「Alexa」の活用がさらに便利になります。

会話やユーザーの好みに関する情報は各デバイスやWebサイト内で双方向に流れるため、「Alexa for Shopping」は使えば使うほどパーソナライズされ、便利になっていきます。(Amazon)

Amazonはさらに、「Alexa for Shopping」について、ユーザーについて把握している情報と商品の専門知識を組み合わせることで、商品の発見や購入を「より快適」にすると付け加えています。

買い物でAIを活用する割合約3割。グラフはAmazonやWalmartでオンラインショッピングをする際、進化した「Rufus」または「Sparky」(WalmartのAIアシスタント)のいずれかを使った経験を聞いたもの(米国のEC専門誌『Digital Commerce 360』のグラフを元に編集部が作成)
買い物でAIを活用する割合約3割。グラフはAmazonやWalmartでオンラインショッピングをする際、進化した「Rufus」または「Sparky」(WalmartのAIアシスタント)のいずれかを使った経験を聞いたもの(米国のEC専門誌『Digital Commerce 360』のグラフを元に編集部が作成)

「Alexa for Shopping」が実現する機能

Amazonは、「Alexa for Shopping」はユーザーの次のアクションをサポートするとしています。

  • 商品を見つける
  • カテゴリやアイテムを比較する
  • パーソナライズした商品のお薦め情報や紹介を提供する
  • 価格の変動を追跡する
  • 目標価格で商品を購入する
  • 定期的に必要な日用品を再注文する
  • カートを管理する
  • Web上の他のオンラインストアで買い物をする

Amazonの対話型コマース担当バイスプレジデントであるラジブ・メータ氏は、リリースで次のように話しています。

「Alexa for Shopping」は、ユーザーのことをすでに熟知しており、好みや過去の購入履歴、会話の内容を記憶している『専属のバイヤー』のような存在です。そして、その知識やユーザーへの理解を、スマートフォン、ノートPC、「Echo」デバイス間で引き継ぐことができます。ユーザーは商品を比較するときも、値下がりを追跡しているときも、あるいは昨日始めた調べ物の続きをするときも、最初からやり直す必要はありません。(メータ氏)

検索バーからの質問に対応

Amazonによると、「Alexa for Shopping」には新機能だけでなく、「Alexa+」や「Rufus」から改良された機能も導入しています。

ショッピングアプリでは、検索バーで「Alexa for Shopping」に質問することができます。または、専用の「Alexa for Shoppingチャットウィンドウ」を使って質問することも可能です。

検索結果のなかから複数の商品を選択し、「Alexa for Shopping」に画面上で並べて比較させることもできます。

「Alexa for Shopping」とのやり取りから、ユーザーが希望する商品価格に変動した際に購入を促すなど「Alexa for Shopping」がさまざまな通知を行う
「Alexa for Shopping」とのやり取りから、ユーザーが希望する商品価格に変動した際に購入を促すなど「Alexa for Shopping」がさまざまな通知を行う

ショッピングアプリの検索結果の最上部には、AIが生成した概要を表示します。商品の詳細ページでもAIによる概要を確認できるようになっており、Amazonはこの機能を米国のすべてのユーザーに向けて順次展開する方針です。

希望価格での購入をサポート

商品の詳細ページには「価格履歴」ボタンを表示。または、「Alexa for Shopping」に直接、価格変動の履歴を尋ねることで、過去1年間で価格がどのように変動したかを確認することもできます。

ユーザーはほしい商品のこれまでの価格変動を知ることができる
ユーザーはほしい商品のこれまでの価格変動を知ることができる

定期的な買い物を代行

ユーザーは、メッセージバーの近くにある「+」ボタンをタップすることで、定期的なタスクとして繰り返すアクションを作成できます。Amazonは次のような例をあげています。

  • 毎月、カートに商品を追加する
  • 定期的に使う日用品を補充する
  • お気に入りの著者が新刊を出したときに通知する
  • 誕生日やホリデーシーズンの前に贈り物のアイデアを提案する

たとえば「この日焼け止めが10ドルに値下がりし、かつ過去2ヶ月間購入していなければ、カートに追加して」といった、より具体的なプロンプトを出すことも可能です。プロンプトを基に「Alexa for Shopping」が商品のリサーチを行い、ユーザーに通知するか、関連商品を直接カートに追加します。これは1回限りのアクションとしても、定期的なスケジュールとしても設定できるため、ユーザーは「Alexa for Shopping」がアクションした内容を確認して決済するだけで済みます。(米Amazon)

日用品の購入を定期的なアクションとして設定できる
日用品の購入を定期的なアクションとして設定できる

ユーザーは「Shop Direct」機能を利用して、他の小売事業者の商品を閲覧することもできます。「Shop Direct」は、米Amazonが2025年2月に開始した、「Amazon.com」やAmazonショッピングアプリで商品を検索した際、Amazonストアで販売していない商品も表示する機能です。

「Shop Direct」は他社のECサイトの商品をAmazonサイト内から購入可能とする 
「Shop Direct」は他社のECサイトの商品をAmazonサイト内から購入可能とする 

Amazonによると、対象商品であれば、エージェント型AI機能の「Buy for Me」が、ユーザーに代わって購入手続きを代行。この機能を活用した決済では、Amazonに登録されているメインの住所とクレジットカードのデータを使用します。

この記事は今西由加さんが翻訳。世界最大級のEC専門メディア『Digital Commerce 360』(旧『Internet RETAILER』)の記事をネットショップ担当者フォーラムが、天井秀和さん白川久美さん中島郁さんの協力を得て、日本向けに編集したものです。

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