Walmartは自社のAIアシスタント「Sparky」とOpenAIの「ChatGPT」の連携を進めており、担当役員は従前のオンラインショッピングにはなかった「プラスアルファ」の買い物チャンスを創出できると考えています。WalmartのAI活用の最新状況、役員がそのように考えている理由を解説します。
「ChatGPT」でShopify加盟店のアイテムを直接販売
Shopifyは、OpenAIの「ChatGPT」内で、消費者が「Shopify」加盟店の商品カタログから直接購入できる仕組みを正式発表しました。

この発表により、Shopifyが3月上旬に示唆していた戦略変更の内容が明確になりました。 Shopifyのフィンケルスタイン社長は、LinkedInに「ChatGPT」との連携がどのように機能するかを説明する動画を投稿。「『ChatGPT』との連携機能をすぐに取り入れる『Shopify』の利用事業者は、昨今のEC市場で真の優位性を手にすることになるでしょう」と、フィンケルスタイン社長は説明しています。
なお、LinkedInに投稿した3月24日の時点で、「Shopify」と「ChatGPT」の連携機能はすでに実装されています。
優位性を得られる理由は、「ChatGPT」との連携によって単にアクセス数が増えるからだけではありません。EC市場では、今まさに「AIを活用する買い物の習慣」が新しく作られている最中だからです。AIとの会話の中で最初に表示されるブランドこそが、消費者の記憶に残るブランドになり、購買につながるのです。(フィンケルスタイン社長)
「ChatGPT」とのコマース連携
この取り組みは、3月中旬にShopifyが「ChatGPT」プラットフォーム内での「エージェント型コマース」へのアプローチを変更する計画を示したことに続くものです。
フィンケルスタイン社長は動画の中で、この連携を「販売事業者にとって、(売上アップにつながる)大きなチャンス」だと話しています。
消費者が「ChatGPT」に商品のオススメを聞くとします。すると、「ChatGPT」が「Shopify」のグローバルカタログを通じて最も関連性の高い商品を提示します。そして消費者が購入を決めたら、アプリ内ブラウザを通じて販売事業者が運営するECサイトのショップ窓口にジャンプし、決済が行われるのです。(フィンケルスタイン社長)
EC支援企業のOmnisendが発表した2026年版の「AI ショッピングレポート」によると、すでに「ChatGPT」内で直接決済している消費者の割合は、各国で一定数を占めています。最も多いのは米国の消費者で38%、これに続き英国が22%、オーストラリアが21%、カナダが18%です。

フィンケルスタイン社長が投稿した動画のデモが示す通り、ユーザーはチャット画面の上にアプリ内ブラウザがスライドするように表示されます。そこから、ブラウザは販売事業者のモバイルショッピング画面を表示します。
商品は検索や発見のプラットフォームとして機能する「ChatGPT」のチャットログ内で閲覧できますが、消費者による購入手続き自体はアプリ内ブラウザを通じて完了します。言い換えれば、Shopifyは消費者に提供する購入体験や決済フローをOpenAIに委ねたり後回しにしたりするのではなく、自社で維持することを選択したのです。
「AIから直接買える」ChatGPTとの連携メリット
フィンケルスタイン社長は、このアプリ内ブラウザによる購入プロセスにより、「Shopify」を利用する販売事業者はエンドユーザーに次のようなサービスの提供を維持できると説明しています。
- サブスクリプション(定期購入)
- セット販売
- 独自の価格設定
- さまざまな支払い方法
- Shopifyが提供する決済サービス「Shop Pay(ショップペイ) 」
販売事業者に手間は一切かかりません。複雑な設定は不要です。販売事業者の商品がデフォルトで「AIで買える状態」になり、エンドユーザーとの関係も販売事業者だけのものとして守られます。(フィンケルスタイン社長)
フィンケルスタイン社長によると、Shopifyが販売者向けに提供している「エージェントプラン」を使うと、この「ChatGPT」でのショッピング体験を利用できるようになります。販売事業者が「エージェントプラン」を選択すると、商品データがShopifyカタログに登録され、「ChatGPT」などの生成AIプラットフォームへと供給されます。
『Digital Commerce 360』のデータによると、現在、北米のEC売上上位2000社のうち118社が、ECプラットフォームとして「Shopify」を採用。2025年における、「Shopify」を採用している上位2000社の合計売上高は104億5800万ドルとなっています。
企業のAI活用における消費者の反応
Omnisenの同調査レポートによると、EC運営における企業のAI活用で、事業者によるデータ収集や活用に懸念がある消費者は各国で半数以上にのぼっています。最も懸念を感じている人が多い国は英国で67%、次いで米国では63%です。
米国の消費者に聞いたところ、具体的には「自分のデータがどのように収集・利用されるか」に懸念を感じる人が最も多く45%、これに続き「自分の承認なしにAIが購入を完了させてしまうのではないか」と不安な人が34%となっています。


