ワークマンは2027年3月期の計画において、成長ドライバーとして「出店」「商品」「販売」の3つを連動し、マス市場で勝てる看板商品の育成と供給体制の強化を進める方針を示した。キーワードは「マス化製品政策」。価値ある製品を創り出し、より多くの顧客へ届けることで、国内市場の深耕と経営効率の改善を進め、将来的な海外展開にもつなげる構えだ。
2027年3月期のチェーン全店売上は2379億円計画
2027年3月期は、チェーン全店売上高を前期比13.7%増の2379億7000万円と計画。営業利益は同8.2%増の321億1200万円、経常利益は同9.3%増の334億1800万円、当期純利益は同8.3%増の223億2900万円を見込む。
マス化製品による既存店売上の伸長が全社売上をけん引する一方、店舗網拡大に伴い、新店効果が薄れる点にも触れている。
出店戦略:新業態「Workman Colors」の34店舗出店など、店舗網でマス化加速
出店面では「マス化を加速させる店舗網の構築」を掲げ、法人FCによるショッピングセンター(SC)出店を強化する。特に作業服を扱わない「#ワークマン女子」が進化した新業態「Workman Colors」は新規34店舗(ロードサイド16店舗、SC18店舗)の出店を計画している。
加えて、各業態の強みを生かせる地域や集客力の高い立地への新規出店、既存店活性化に向けたスクラップ&ビルドの推進も打ち出した。
出店計画の全体像では、期末店舗数を1130店舗(前期末1094店舗)とし、中長期目標として1500店舗を掲げる。「Workman Colors」は法人FCによるショッピングセンター出店を強化し、潜在顧客の開拓を進める。

商品戦略:5つの商品群で「マス化」を推進。
マス化製品政策の背景には、売れ筋商品の欠品による顧客満足度低下と、アイテム過多による管理コスト増加・店舗運営の複雑化(加盟店エンゲージメント低下)といった課題がある。
これに対し、「機能×価格」に優位性のある重点商品へ、在庫・販促・売り場などのリソースを集中投下する戦略へ転換。圧倒的な看板商品の育成をめざす。重点商品として、以下の5カテゴリーを提示している。
- MEDiHEAL:低価格リカバリーウエア
- Xshelter:断熱や暑熱など外部環境の影響を大幅に低減する独自高機能素材
- UVカット商品:気候変動に伴う需要変化への対応
- ファンウエア/ペルチェベスト:プロ需要中心から一般向けへ販路拡大
- 機能性インナー:高コストパフォーマンスで来店頻度向上を狙う
KPIは「各重点商品でチェーン全店売上高の10%をめざす」としており、商品単位で“マス”を取りに行く設計だ。
さらに、マス化を成立させるための投下資本として、サプライチェーン強化(生産拠点・外部倉庫拡張)、マスマーケティング(TVCM・チラシなど)、全国統一の売り場づくり(新顕彰制度導入)、商品構成最適化(アイテム数削減)をあげている。
リカバリーウエア「MEDiHEAL」は、2025年9月〜2026年3月のシリーズ販売実績が約684万着、売上高約115億円に達した。一方、想定を上回る需要により欠品が継続しており、販売状況に応じた生産調整と在庫安定化を進める方針を示している。

販売戦略:1店舗平均年商2億円を狙う
販売面では、「販促と売り場の連動を強化し、マス化製品政策の実効力を最大化する」としている。
具体的には、新製品発表会を起点に、TVCMやチラシ、アプリ、SNS、ラッピングストアなどを活用したマスマーケティングを強化し、客層拡大と売上最大化を狙う。
運営面のKPIとしては「1店舗当たり年商2億円の達成」を掲げる。店舗オペレーション改善、販促連動によるマス化製品の拡販、需要予測発注システム稼働による在庫適正化などを通じ、販売効率を高める。
既存店の売り場提案力向上も柱の1つで、年間200店舗以上の改装を見込む。内訳は、業態転換改装55店舗、リニューアル改装165店舗。顧客体験を高めることで、リピーター化を推進するとしている。

