メモリーテックつくばはこのほど、キャラクターIP「ほっぺちゃん」などを手がけるインタラクティブコンテンツ事業部のサン宝石の事業方向性を発表した。
サン宝石の人気キャラクターIP「ほっぺちゃん」を中核に据え、価格競争ではなく知的財産を軸に、ブランド価値で選ばれる事業へ転換。雑貨、文具、アパレル、カプセルトイ、菓子、コスメ、インテリア、書籍、デジタルコンテンツなど、幅広い領域で事業を展開する。
外部の売り場やイベントなどで「ほっぺちゃん」と消費者の出会いを創出し、「ファンが見つける」→「SNSで語られる」→「新しい世代に届く」→「公式ECやイベントへ戻ってくる」の循環を作り出すことを成長戦略とする。国内だけでなく、海外への進出も視野に入れている。
民事再生後、通販中心の事業構造を見直し
サン宝石は子ども向けアクセサリーなどの老舗通販会社。雑誌広告で新規顧客を集め、会員に通販用カタログを送るビジネスを展開してきた。
帝国データバンクによると、収益悪化により資金繰りが限界に達し、2021年8月27日に甲府地裁へ民事再生法の適用を申請。同日に保全命令を受けた。2013年9月期の売上高は約42億6400万円だったが、2020年9月期売上高は約4億9100万円と収益が悪化。購買行動の変化、少子化、カタログ通販市場の縮小などが背景にあったという。
その後、玉光堂の子会社である聖和趣味の会とスポンサー契約を締結。聖和趣味の会が吸収合併によりサン宝石事業を吸収、法人としてのサン宝石は解散した。関連会社のみっとめるへん社にサン宝石の事業が移った後、グループ企業4社の合併で存続会社となったメモリーテックつくばがサン宝石の事業を手がけている。
現在は従来の通販中心の事業構造を見直し、自社コンテンツ「サン宝石」と「ほっぺちゃん」を軸に、EC、ライセンス、ポップアップストア、ワークショップ、SNS、アニメ、海外展開を組み合わせた新たな事業モデルへの転換を進めている。
「ほっぺちゃん」をライセンス事業の中核に
「ほっぺちゃん」は2010年にサン宝石が誕生させたキャラクター。2026年5月5日に誕生16周年となった。誕生当時は女子小学生を中心に人気が集まり、現在は当時のファンが大人になったことで再び注目を集めているという。「平成レトロ」「平成女児」といったトレンド、大人が子どものような感性を楽しむ「キダルト消費」といった時代の流れとも重なった。
民事再生後、サン宝石は通販事業のビジネスモデルをそのまま元に戻すのではなく、「ほっぺちゃん」をフックとしたIPブランドの成長をめざすことを決めた。ガチャガチャ、卸売り、ライセンス、ワークショップなどを通じてサン宝石以外の売り場やイベントにも展開。そこで出会ったファンがSNSで自発的に発信し、その声が子どもたちなどの新しいファンへ届く循環が生まれているという。

「ほっぺちゃん」の手作りワークショップ、撮影ブース、寄せ書きコーナー、限定商品、過去作品展示、従前のカタログの展示などを通じて、ファンが「買う」だけではなく、思い出す・作る・参加する・共有する体験を提供する。
海外戦略も進行し、日本ならではの「かわいい」「手作りの温かさ」「ファンとともに育つ」文化を背景に「ほっぺちゃん」を世界へ届けることをめざす。
多様性の象徴として再定義
「ほっぺちゃん」は職人の手しぼりで作られ、色も形も表情もそれぞれ異なる。この特長から、サン宝石は「ほっぺちゃん」を多様性を象徴するキャラクターとして再定義している。

着ぐるみ化、アニメ化、手作りキットでファン接点拡大
サン宝石は近年、「ほっぺちゃん」の着ぐるみ事業を開始した。着ぐるみ化によりイベント、ポップアップ、ファンミーティング、地域連携、企業コラボなどリアルな場での体験価値を広げる。
2026年1月10日からは、「ほっぺちゃん」のアニメ放送を開始。反響は「好評」だという。

近年は職人が「ほっぺちゃん」をしぼる動画がSNSで反響につながり、「自分でも作ってみたい」という声が寄せられているという。こうした声を受け、サン宝石はワークショップや手しぼりキットを展開し体験を提供してきた。16周年では“手しぼりキット”の再販、体験イベントの拡大、企業・クリエイター・キャラクターとのコラボレーションを通じて新たな価値創造をめざす。

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