2月前後から見聞きすることが増えた「アンソロピック・ショック」「SaaS is Dead」といった言葉で株式市場もソワソワしていましたが、必要以上に不安になっていませんか。私もその1人かもしれません。自分が知らなかった「AIでこんなことができた」に触れると、驚きと不安が募るかもしれません。しかし、今はすごいモノでもやがてサービスとして普及し、コモディティ化していくものも多いでしょう。かつてはGoogleアップデートで順位が乱高下する様子を「Google Dance」などと呼び、一時期Googleも公式イベント名に冠したほどでしたが、すっかり見かけなくなりました。コアアップデートで大騒ぎするSEO界隈の人もずいぶん減ったように感じます。今回は不安があるなかでの、AIとの丁度良い付き合い方・見つけ方を紹介します。
不安を作り上げているのは、AIではなくコンテンツ
AI疲れや不安を感じている方へ | Yasuhisa Hasegawa
https://yasuhisa.com/could/article/about-ai-fatigue/
見た目は情報提供でも、多くは発信者の立ち位置を示すための発信です。「AIでこれができた」のようなコンテンツは情報共有ではなく、「私はあなたより先にいる」という暗黙の宣言です。受け手がそこから受け取るのは知識ではなく、「遅れている」という感覚が残ります。
AIという道具を使って効率化することではなく、今の自分にとってちょうど良い付き合い方はどのようなものかを探ること
あれこれ試してみて「ちょうどいい」を見つけることが重要です。食べ過ぎで満腹になって動けないようなことは避けたいところ。
筆者のクライアントであるDX支援企業は、自社ツールを勧める際、「1人の作業が1日あたり何分以上短縮できれば、導入メリットがある」と明確にしています。「何をどのようにできればいいか」「短縮時間の目安はどのくらいなのか」など、自社で助かること・やりたいことの実現性といったわかりやすい指標を持つことから始めても良いかもしれません。
「AIを使うこと」が目的になってしまい、使うことで安心感を得ているような状況は健やかではありませんよね。薬の「用法・用量を守って正しく使いましょう」ではありませんが、AIに関する情報も過剰に摂取せず、適切な関係を築くことが大切かもしれません。ぜひ、皆さんの「ちょうどいいAIとの付き合い方」を見つけて下さい。
要チェック記事
SEO関連
AIで書いた文章はなぜGoogleにバレるのか|捏造した「体験談」が絶対NGな理由 | Web改善のレシピ
https://border-haze.co.jp/web-recipe/ai-writing-fake-content-risks/
「AIは皆さんの商品を食べたり飲んだり、着たり、使ったりすることはできない」と言うと、「AIが体験談を作ればいいのではないいか?」という“矛と盾”のような質疑応答を何度も繰り返してきました。
記事では誰もが知りたいことが解説されています。
“Googleのアルゴリズムにも「偽物の体験談」を弾くロジックが存在します。”
そもそもAIが作るのは「体験談」ではありません。やはり、既知の情報ではない独自性のある一次情報が大切。
マーケ・SEOに取り組む120社に聞いた「AI×SEO実態調査」公開! | AI✕SEO
https://mieru-ca.com/ai-seo/ai-seo_research-report/
「ミエルカ」でおなじみファベルカンパニーが実施した、マーケティング・SEOに取り組む120社へのアンケート。
“AIモード普及後もSEOは「重要性が高まる」と約6割が回答”
調査対象が120社というボリュームであることからも、SEOに従事している人は目を通しておくことをおすすめします。
秘密にしたいURLがGoogle 検索に載ってしまった話 | Zenn | Daiius
https://zenn.dev/daiius/articles/sacapis-google-search-console
「サカバンバスピスの顔をランダム生成するWebアプリ」を開発したDaiiusさん。秘密にしたいURLが検索結果に載ってしまい、その対策を実施したというお話です。
とてもわかりやすい文体で、noindexとcanonicalの特性などをまとめています。最近「なぜそれをnoindexにしたんですか!」という少し危ういSEO手法に出会ったので、それぞれの意味を知り、適切に用いることは大切だと思い、ピックアップしました。
マーケティング関連
なぜ2,000円の『チープカシオ』は、時計好きに愛されるのか? | STUDY HACKER
https://studyhacker.net/cheap-casio-job
ビル・ゲイツやオバマ元米大統領が愛用者として知られる、カシオの2000円前後の腕時計、通称「チープカシオ」。富や地位のある人物をも魅了する理由は
“「期待値を圧倒的に裏切る誠実さ」”
という考察です。腕時計の代替品としてスマートフォン、スマートウォッチが普及して久しいなかで、なぜ「チープカシオ」は世界で売れ続けるのでしょう。
“35年間、同じ時計を、同じ品質で、作り続けた。その圧倒的な「実績の蓄積」が、結果として世界最強のブランディングになった”
ネットには多くの偽造品・模倣品が掲載され、Googleのショッピングタブにもそうした怪しい商品が並んでいます。SNS上にも「箱だけ届いた」「写真と異なるものが届いた」という被害報告が後を絶ちません。そんな今だからこそ、「飾らない誠実さの積み重ね」が消費者に刺さるのかも。オンラインでも誠実さを打ち出していくことが必要ですね。
【TikTok Shop】なぜ多くの企業が撤退するのか?「失敗する事業者」に共通する4つの特徴 | コマースピック
https://www.commercepick.com/archives/86432
"自社の商材が「機能」で売れるものなのか、「人(共感)」で売れるものなのかを見極め"
「何を言うか」よりも「誰が何を言うか」――SEOもSNSショッピングも「E-E-A-T」が重要なのは同じかもしれません。
“TikTok Shopは、Amazonや楽天市場のような「棚に置けば売れる」プラットフォームとは異なり”
と記事で書かれていますが、もはや「楽天市場」や「amazon」でも、商品登録をすれば売れる時代ではありません。大規模セール後の各社レポートを見ても、それは明らかです。
“結論:近道はない。「自社アカウントの育成」が最優先”
結局はコツコツ取り組むことなのですね。
今、みなさんにお伝えしたいこと
「おもてなし」とは?語源からひもとく本当の意味/サービス・ホスピタリティとの違い | 国際おもてなし協会
https://omotenashi.fun/omotenashi/info/
相手のことを大切に想い、心を働かせて、物事を成し遂げること
東京五輪誘致活動で使われ、2013年の流行語になった「おもてなし」。その語源は「持て成し」と「表なし」の2つの説があるようです。
持て成しは「何かを持って(準備して)、物事を成し遂げる、待遇する、振る舞う」という意味で、表なしは「裏表なく、見えないところでもきちんとする」という意味からの説。いずれも接客の原点のような言葉ですね。
今回は愚直に取り組むこと、誠実の積み重ねという「おもてなし」に関するトピックスが多くなりました。顔が見えにくい、直接対面ではない売買のECだからこそ、2つのおもてなしを意識した設計がますます重要になるのはないでしょうか。AI活用で便利になるなら、なおのこと。
皆さんの「持つもの」は、AI、SNS、アプリ、それとも他のものでしょうか? なにを「持って」なにを「成す」のか、自分の立ち位置と関係性を整理してみるものもいいかも。
それではまた次回! 酒匂(さこっち)の「ネッ担ニュースまとめ」をよろしくお願いいたします。
「新・ネットショップ担当者が知っておくべきニュースのまとめ」は以下の専門家が連載しています。
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「AIの隆盛についていけていない」ことに恐怖や不安を感じるのではなく、「AIを使ってこんなものができた」「AIで時短できた」「AIはすごい」というコンテンツにたくさん触れることで、不安感や恐怖心を抱いていないか、再確認することが大事ですね。