ユナイテッドアローズは、会員基盤の拡大とロイヤル顧客の育成を両立させている。
2026年3月期の会員組織「UAクラブ」のアクティブ会員数は160万人を突破。2023年3月期末比で25.6%増の約33万人増となった。年間購入額10万円以上の優良顧客数も同約60%増の約18万人へ拡大。会員売上に占める優良顧客の構成比は50.9%となり、同4.3ポイント上昇した。
こうした成果の背景には、デジタル施策だけでなく、高付加価値商品の提供力や新ブランド・海外展開による顧客接点の拡大がある。

UAクラブの会員基盤を拡大、ロイヤル顧客も増加
ユナイテッドアローズが2024年3月期から2026年3月期の中期経営計画におけるデジタル戦略の成果としてあげるのが、「UAクラブ」の成長だ。
2026年3月期の会員売上高は2023年3月期末比43.7%増の844億円、会員売上構成比は同5.2ポイント増の54.8%となった。会員維持率は58.2%と同4.6ポイント上昇し、年2回以上購入する会員比率も伸長したという。
また、実店舗とECを併用するクロスユーザー数は同48.9%増の24万5000人。オンラインとオフラインを横断して利用する顧客の増加が、購買頻度や顧客ロイヤルティの向上につながったと見られる。
こうしたなか、年間購入額10万円以上の優良顧客数は約18万人まで拡大。会員全体の裾野を広げながら、ロイヤル顧客の比率も高めることに成功した。
高付加価値商品の提供力と人的資本投資を強化
ロイヤル顧客の育成を支えた土台に「UA CREATIVITY戦略」がある。高付加価値商品の提案力強化に取り組み、売上総利益率は2023年3月期末比0.8ポイント改善の52.4%となった。2015年3月期以降で最高水準という。
ユナイテッドアローズは、この結果から自社の強みが中高価格帯市場における高付加価値商品の販売力にあることを改めて確認できたとしている。
人的資本への投資も継続した。ベースアップの実施に加え、積極的な採用活動を推進。販売人材を中心とした採用強化や教育機会の拡充、新卒社員の部門ローテーション、事業間異動の活性化、マネジメント層との対話機会の創出などに取り組んだ。

その結果、エンゲージメントスコアの改善や離職率の低下につながったほか、生産性向上によって人件費率は2023年3月期末比で1ポイント改善。人的資本投資が業績向上につながっていることを確認できたとしている。
新ブランドや海外展開で顧客接点を拡大
「UA MULTI戦略」では、中長期の成長を見据えた新ブランド開発にも取り組んだ。新たに立ち上げた4ブランドの売上規模はまだ限定的としながらも、「ATTISESSION」や「OSOI」では20代以下の会員構成比が全社平均を上回っており、課題としていた若年層顧客の獲得に一定の成果があったという。

海外展開も加速。台湾での出店拡大に加え、中国大陸1号店を出店。タイやシンガポールへの展開、越境ECの開始も進めた。
2026年3月期の海外売上高は約30億円となり、この3年間の年平均成長率は20%を超えた。今後も海外事業の拡大を成長ドライバーの1つとして位置付ける。
M&Aでは、シューシャインサービスを展開するブーツブラックジャパンと、ハイエンドウィメンズブランド「TELMA」がグループ入りした。ブーツブラックジャパンとのシナジー創出も進めており、高感度顧客向けサービスの強化につながっているという。

こうした新ブランド開発、海外展開、M&Aによる顧客接点の拡大が、会員基盤の拡大とロイヤル顧客との関係強化の双方を後押ししたと見られる。
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