家電量販店のヤマダホールディングスとエディオンは6月5日、持株会社方式による経営統合に向けた基本合意書を締結したと発表した。統合が実現すれば、2026年3月期ベースの単純合算で、売上高は約2.5兆円、店舗数は全国9954店舗、従業員数は3万5895人、会員数は3608万人超となる。共同仕入れによるコスト低減に加え、全国配送網の強化、サプライチェーンの効率化、PB・SPA商品の開発力向上などを検討する。

家電量販店を取り巻く環境変化を受け、対等統合へ
ヤマダHDとエディオンは、少子高齢化や人口減少による将来的な消費活力の低下、ネット・デジタル社会の浸透、オンライン販売の拡大、新規参入企業や異業種からの参入増加などを背景に、家電小売業界を取り巻く競争環境が大きく変化していると説明。加えて、地政学リスクの高まりや世界経済の不確実性、エネルギー価格、人件費、建設費の上昇も重なり、持続的成長には抜本的な事業変革が必要と判断し、経営統合に向けて動き出した。
その上で、相互信頼と対等統合を基本方針に、ヤマダHDとエディオンの知見、人材、アセットを最大限活用し、既存の枠組みを超えた成長をめざすとしている。
統合後は売上高約2.5兆円、店舗数9954店規模に
統合後は、2026年3月末時点の単純合算で、売上高は約2.5兆円規模の企業が誕生する。内訳はヤマダHDが1兆6918億800万円、エディオンが7937億4600万円。店舗数はFCを含めて全国9954店舗、従業員数は3万5895人となる。
会員基盤も大きい。ヤマダHDは6000万件超の各種会員を持ち、そのうちデジタルアプリ会員は3100万人超。エディオンはエディオンカード会員が508万人、あんしん保証カード会員が941万人、エディオンアプリは1500万ダウンロード超としている。説明資料では、ヤマダHDのアプリ会員数とエディオンカード会員数の単純合算で3608万人超の会員数を示した。
共同仕入れ、PB・SPA開発、全国配送網の強化を検討
ヤマダHDとエディオンは統合によるシナジーとして、まず規模を生かしたスケールメリットをあげる。共同仕入れによる仕入原価の低減に加え、各種手数料や備品などの調達コスト低減も模索する。
加えて、「くらし」を軸にした事業領域の拡大も狙う。ヤマダHDとエディオンが持つ顧客接点や購買データを相互活用し、データ基盤を強化することで、顧客ニーズをより高精度に把握する。これにより、PB商品やSPA商品の開発能力の強化・向上、サービスレベルの向上、顧客体験や利便性の改善につなげる考えだ。
そのほか、全国配送網の強化、サプライチェーンの効率化、グループ経営機能の集約・強化、情報収集能力の強化、プライベートブランドの開発・拡大なども検討する。さらに、強固な財務基盤を生かしたM&Aによる事業領域拡大も視野に入れる。

リフォーム量販化の加速も視野
統合後は、家電販売にとどまらず、リフォーム領域の強化も進める。ヤマダHDとエディオンは、多様化する社会と生活に対応する観点から、リフォームの量販化を加速し、家電小売業界の収益構造の変革を牽引(けんいん)していく考えを示した。一般的なリフォームに限らず、家電量販店ならではの新しい生活の在り方を提案する商品パッケージの新規開発・展開も進めるとしている。
持株会社を新設、両ブランドは当面併用
統合方式は、共同株式移転によって持株会社を設立し、ヤマダHDとエディオンが完全子会社となる方法を基本方針とする。新たな持株会社は東京証券取引所プライム市場への新規上場を予定しており、ヤマダHDとエディオンは上場廃止となる見込みだ。
新会社の商号は未定だが、ヤマダHD、エディオンの現在の商号とは異なる新たな名称を予定している。本社所在地も両社の現本店所在地とは異なる新たな場所で、東京を予定している。ブランドについては、統合後当面は両社の既存ブランドを併用する方針だ。
会長はヤマダHDの山田氏、社長はエディオンの久保氏を予定
新持株会社の取締役会は、取締役および社外取締役を両社から同数ずつ指名する予定。代表取締役会長にはヤマダHD代表取締役会長兼CEOの山田昇氏、代表取締役社長にはエディオン代表取締役会長執行役員CEOの久保允誉氏が就任する予定だ。

効力発生日は2027年10月1日を予定
今後のスケジュールとしては、2027年5~6月に最終契約書を締結し、2027年6月に両社の定時株主総会で承認を得たうえで、2027年10月1日に株式移転の効力発生と統合会社株式の上場を予定している。なお、統合比率はデューデリジェンスや第三者算定機関による算定結果、市場株価などを踏まえて決定する。

