坂本 悟史[執筆] 8:00

第9回から第12回にわたって、販売編の「接客」について解説してきました。これまでお伝えしてきたような販売施策に取り組んでいくと、「集客も接客もやることが多すぎて忙しくなってきた……」「方針はこれで合っているのだろうか……」といった「新しい壁」にぶつかりがちです。

そこで今回は、上記の悩みを解決するのに役立つ「組織の仕組み作り」と「店舗の戦略作り」に関するおすすめ記事を、厳選して5つご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

【組織】あなたの会社は今どのレベル?「組織の実行力を高める方法」

売れる! EC事業の経営・運営 ネットショップ担当者、チームのための成功法則。 あなたの会社は今どのレベル?「組織の実行力を高める方法」

まずは、チームで施策を実行していく「組織力」のお話から。

集客や接客の施策が本格化してくると、「社長や店長が1人で頑張る」体制ではどうしても手が回らなくなってきます。そこで組織化やメンバー増員が必要になってくるのですが、とはいえ、何から手をつければ良いのかわからず悩んでしまうことも少なくありません。

そんなときにまずおすすめしたいのが、自身の組織の「現在地」を正しく把握すること。自分たちの組織がどのレベルにあるのかをまず知ることで、次のステージに進むために何が必要なのかが見えてくるはずです。

記事では、次のような内容を解説しています。

  • 組織の機能には「方針」「計画」「実行」の3つがある
  • 組織の成長レベルを4段階で診断
  • 部下の「指示待ち」がなぜ発生するのか、その構造的な理由

まずは、あなたの会社の組織レベルを確認しておきましょう。

【組織】人の問題を減らして平和に経営するには?

売れる! EC事業の経営・運営 ネットショップ担当者、チームのための成功法則。 人の問題を減らして平和に経営するには?(前編) ~組織問題のあるあるパターン~

続いては、組織の「人間関係」に焦点を当てた記事を紹介します。

組織化が進みメンバーが増えてくると、必ずと言っていいほど直面するのが「人の問題」です。次のような、ギスギスとした声を本当によく聞きます。

  • 「指示待ちの人ばかりで困る。もっと自分で考えて動いてほしい
  • 「指示が冷たい。もう少し、人として大切に接してほしい
  • 「結局、自分がやらないと回らない。組織の意味なんてない

「経営者の悩みは人の問題が8割」なんて言葉もありますが、まったくその通りだと思います。

そんなときにぜひ知っておいてほしいのが、人間関係の問題が起こる「構造」や「メカニズム」です。構造を理解することで、「誰が悪い」という話ではなく、「どう対処すれば良いのか」を冷静に考えられるようになります

記事では、典型的なパターンとして次の3つを紹介しています。

  • 有能なリーダーが頑張るほど、メンバーが「指示待ち」になってしまう構造
  • 成果を出すメンバーの自負心が強くなり、チーム内で対立が起きてしまう構造
  • 家族経営などで、身内だからこそ感情的なギスギスが生まれてしまう構造

「これ、うちのことかも」と思い当たる節があれば、一読の価値があります。

【組織】上司からいろいろな仕事を頼まれる人へ。期待に応えつつ、無理なく業務を進めるコツ

売れる! EC事業の経営・運営 ネットショップ担当者、チームのための成功法則。上司からいろいろな仕事を頼まれる人へ。期待に応えつつ、無理なく業務を進めるコツ

これまではリーダー視点の話が中心でしたが、現場メンバーの視点も組織力強化には欠かせません。

ただ「あれお願い」「これもやっといて」と仕事を渡したところで、メンバーが何も進めてくれなかったら成果は出せません。当たり前ですよね。そこで、施策の実行メンバーのパフォーマンスを上げる方法として「自分の時間を確保しつつ、上司の期待にも応えるための具体的なコツ」を紹介します。

方法論は、とてもシンプル。

  • 頼まれた仕事はすべて記録してリスト化する
  • そのリストをもとに、何から手をつけるべきかの優先順位を決める
  • 定例会議などを活用して、優先順位の確認や変更をルーチン化する

たったこれだけで、無理なく仕事を進められるだけでなく、上司にとっても本当に重要な仕事が何かを再認識してもらうきっかけが作れます

ぜひ記事を参考に、チーム全体で実践してみてください。

【戦略】中小事業者の理想実現に「今いちばん大切なこと」を話そう

売れる! EC事業の経営・運営 ネットショップ担当者、チームのための成功法則。 2022 中小事業者の理想実現に「今いちばん大切なこと」を話そう

いくら組織力が上がって、日々の業務がスムーズに回るようになったとしても、そもそも「めざす方向」が間違っていたら、やはり成果は出ません。なぜなら、お客さんがいない方向へみんなで頑張って船のオールを漕ぐようなものだからです。

そこで方向を間違えないために必要になるのが「戦略」。つまり「理想状態(ゴール)を設定して、段階的に実現していく」という考え方です。

とはいえ、いきなり「理想を設定しよう」「実現しよう」と言われても悩んでしまいますよね。そこで読んでほしいのがこの記事です。次のような内容を徹底的に解説しています。

  • 多くの中小EC事業者にとっての理想状態の例
  • そうは言っても現実に起こりがちな問題
  • 空回りから脱却し、本当にやるべきことを見つける方法

少々長めの記事ですが、じっくり読むことで自身のEC事業の理想や、その実現に向けたイメージをつかんでもらえるはずです。

【戦略】「売れないニッチ商品」をECでブレイクさせる秘訣

売れる! EC事業の経営・運営 ネットショップ担当者、チームのための成功法則。「売れないニッチ商品」をECでブレイクさせる秘訣!売れない商品・死に筋商品は「用途開拓」で売上が急増する(かも)

最後に、より具体的な戦略の一例として、「商品」に焦点を当てた記事を紹介します。

運営をしていると、「モノは良いはずなのになぜか売れ残っている」――そんな悩ましい商品がいくつかあると思います。そんなとき、ただ待ったり安易に値下げしたりするのではなく、戦略的に売り方を考えることが大切

この記事では「用途開拓」というアプローチで、売れないニッチ商品をヒット商品に変えたエピソードを具体的に紹介します。

今までとは違う切り口で商品を捉え直すことで、眠っている商品が思わぬヒット商品に化けるかもしれません。

戦略とは何かを学ぶ上でも参考にしてもらえるはずなので、ぜひ読んでみてください。

おわりに

今回は、販売を推し進める上で避けては通れない「組織」と「戦略」に関する記事を紹介しました。

日々の販促を実行することはもちろん重要ですが、売ることだけがEC事業ではありません。事業の成長にあわせて、それらを支える「組織」や、進むべき道を示す「戦略」についても見直していく必要があります

本連載では「組織」や「戦略」については深くは取り上げていませんが、ぜひ今回紹介したコラムや書籍を読んで、自身でも考えてみてもらえたらと思います。

次回からは、いよいよ販売編の最終パート「追客」に入ります。本連載も残すところあとわずか、最後までよろしくお願いします。

  • 11/XX公開
売れる! EC事業の経営・運営 ネットショップ担当者、チームのための成功法則。

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