越境ECは「デミニミス・ルール」撤廃が転換期に。活況カテゴリはトレーディングカード、カメラレンズ、カメラドローン【イーベイ・ジャパン調べ】

イーベイによると、「デミニミス・ルール」撤廃による駆け込み需要が多く見られたという。このほか、カメラドローンなどの新たなガジェットにも注目が集まり始めている

大嶋 喜子[執筆]

2025年11月17日 7:30

マーケットプレイス「eBay」を通じた越境EC支援を手がけるイーベイ・ジャパンはこのほど、2025年7-9月期(第3四半期)の期間における日本セラー(販売者)による出品商品の売れ筋動向を発表した。

日本のカルチャーに触れる若年層が増加

イーベイ・ジャパンによると、日本のセラーと海外の若年層バイヤーとのつながりが一段と広がった期間だったという。「TikTok」では「#japaneseebay」が急上昇し、Z世代が日本の中古バッグを購入・紹介する動画が拡散。トレーディングカード市場でもアニメが人気をけん引し、日本のカルチャーやPre-loved(プリラブド)商材(中古品や二次流通品)に触れる若年層が増加している。

デミニミス・ルール撤廃の影響広がる

米国では800ドル以下の輸入品を免税としてきた「デミニミス・ルール」が8月末から撤廃され、全輸入品に関税が適用される新制度が開始された。イーベイ・ジャパンによると、これにより、関税に関する不安や通関・受取時のトラブルが発生し、購入をためらうケースや、取引途中でのキャンセルといった課題が浮上しているという。

イーベイ・ジャパンはこれに対する措置として、2025年10月17日以降、日本から米国に発送される2500ドル未満の取引に対して、関税・税金などをセラー側が処理する配送方式「DDP(関税込み配送)」を必須化する。現在はこの施行に向けたサポート体制を強化しているという。

DDPの導入は、価格調整や物流オペレーションの見直しなどの負担をセラーに課すこととなるが、買い手にとっては購入時点で支払い総額が明確になる。

また、米国向けの制度変更を機に、欧州、オーストラリア、アジアなど非米国地域への販売を拡大。多くの日本のセラーは販路の多極化を進め、安定的な成長に向けた転換期を迎えているという。

取引額1位はレディース アパレル&バッグ ブランド小物

2025年第3四半期の取引額は、トップが「レディース アパレル&バッグ ブランド小物」、2位は「時計・パーツ&アクセサリー」、3位は「トレーディングカード」だった。前年同期間および、2025年4-6月期(第2四半期)のランキングと同様の並びとなった。

2025年第2四半期の取引額カテゴリーランキングと比較すると、「カメラレンズ&フィルター」は前回6位から4位に浮上。「フィルムカメラ」は同8位から7位に浮上した。

順位を上げたカテゴリーのなかで、今回5位となった「アニメアート&キャラクターグッズ」、今回6位となった「自動車パーツ」、今回8位となった「デジタルカメラ」は、前回よりもランキング順位が下降した。

取引額の上位10カテゴリー
取引額の上位10カテゴリー

成長率別のランキングでは、トップ3は「トレーディングカード」「デジタルカメラ」「カメラレンズ&フィルター」。「カメラレンズ&フィルター」は、越境ECレポートを開始してから初めてトップ3にランクインしたという。

カメラドローンなどの新興ガジェットも注目を集め始めており、イーベイ・ジャパンは「従来の主力カテゴリーに加えて新たな市場の柱となり得るポテンシャルが見え始めている」と解説している。

レコード、CDといった関税の影響が限定的なメディア商品も引き続き安定的に成長しているという。

2025年第3四半期の成長率TOP3
2025年第3四半期の成長率TOP3

売れ筋は「トレーディングカード」「デジカメ/カメラレンズ&フィルター」「カメラドローン」など

トレーディングカード

「トレーディングカード」は2025年1-3月期(第1四半期)、第2四半期に続き、勢いがさらに高まっているという。米国・英国・ドイツ・オーストラリアなどの「eBay」主要マーケット全体で人気が加速しており、特に、来年30周年を迎える「ポケモンカード」がこれまでに続いてカテゴリーをけん引しているという。

デジタルカメラ/カメラレンズ&フィルター

円安の影響と「デミニミス・ルール」撤廃前の駆け込み需要が重なり、日本から海外へのカメラレンズ輸出が急増したことが販売増加の要因となった。

映像クリエイターやブログ制作者の増加も追い風になったという。

「Sony」「Canon」「Nikon」「FUJIFILM」「Panasonic」など主要メーカーの人気モデルにおいて、商品をリファービッシュ(整備済み)品として証明・出品することができるイーベイのサービス「eBay Refurbished(保証付き整備品)プログラム」が販売拡大を後押ししたとしている。

eBay Refurbished(保証付き整備品)プログラムとは?

イーベイの提携会社が「Refurbished」商品に1年または2年の保証を提供するプログラム。バイヤーが購入する商品の信頼度を高め、返品を減らすことをめざしている。セラーは、プログラムに参加すると商品状態を「Refurbished」として出品できる。セラーは特定の状態要件を満たし、最低30日間の返品期間と送料無料を提供する必要がある。

カメラドローン

カメラドローンも、円安の影響と「デミニミス・ルール」撤廃を前にした駆け込み需要が重なった。

「DJI Mini 5 Pro」「DJI Mavic 4 Pro」などのハイエンドドローンが、海外バイヤーにとって日本から正規品をお得に入手できる人気商品になったという。日本の正規流通モデルは信頼性やサポート面でも高く評価され、「未開封・正規コンボセット」は海外でプレミア感を持って受け入れられている。

YouTube、TikTokなどSNSでの映像制作ブームを背景に、初心者でも高品質な空撮が可能な製品への関心が若年層やクリエイター層で急拡大したことも要因となっている。

こうした潮流から、イーベイ・ジャパンは「今後もドローン需要は世界的に高い水準で推移する見込み」としている。

レコード&CD

関税の影響を受けにくい商材であることに加え、ヴィンテージ音楽の人気上昇や、レアアイテムを求める世界中のコレクターからの熱い支持といったグローバルなトレンドも背景に、今後も安定した成長が見込まれるという。

レディース アパレル&バッグブランド小物

このカテゴリーでも、「デミニミス・ルール」撤廃を前にした駆け込み需要が見られたという。特に、アパレルやスニーカーの駆け込み需要があったという。

イーベイ・ジャパンが提供する、無料で真贋鑑定を行い、認証された商品のみをバイヤーに届ける「真贋保証サービス」の認知度も高まり、高額商品の出品数は前年同期比約1.5倍になった。

2025年第3四半期の売れ筋商品の一例
2025年第3四半期の売れ筋商品の一例

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