eBayが明かす2025年コレクターズアイテムEC商況+2026年の展望。日本カルチャーに世界が熱狂するワケとは? 高価格帯取引が増加中

トレーディングカードなどに代表される日本のエンタメ文化が世界のコレクターから根強い支持を集めており、話題と連動した爆発的な購買行動がデータに表れている。イーベイ・ジャパンが2025年の市況と2026年の展望を解説する

大嶋 喜子[執筆]

9:00

マーケットプレイス「eBay」を通じた越境EC支援を手がけるイーベイ・ジャパンは1月29日、2025年における全世界のコレクティブルアイテムの販売動向やトレンドの調査結果を発表した。

「eBay」の販売動向によると、2025年は熱狂的なコレクターによるタイムリーな消費行動や爆発的な購買行動が目立ったという。イーベイ・ジャパンは、2026年は「日本商材とライブ体験が結び付く可能性が高まる」と予測している。

タイムリーな消費行動

「eBay」は、コレクターズアイテムやこだわりの一品を強く「手に入れたい」と考える熱量の高いバイヤーが数多く集まっており、イーベイ・ジャパンはこうした購買層を「エンスージアスト(熱狂的なコレクター)」と呼んでいる。

調査結果によると、世界的イベントやスポーツの快挙、話題のアイテムの発売を機に、関連するコレクターズアイテムの検索数が急増するケースが頻発。世界で起きる熱狂的な出来事や話題は「エンスージアスト」の検索・購買行動の盛り上がりと密接に連動している。

なかでも、日本発信の漫画やアニメ、トレーディングカードに代表されるエンタメ文化が世界各地で高い人気を集めており、漫画の発売やアニメの公開に合わせて、タイトル検索数を大きく伸ばした。

「eBay」の2025年10月と2024年10月の検索データを比較すると、「Solo Leveling(俺だけレベルアップな件)」が約520ポイント増加、「Apthecary Diaries(薬屋のひとりごと)」が約125ポイント増加、「Chainsaw Man(チェンソーマン)」が約79ポイント増加、「Demon Slayer(鬼滅の刃)」が約79ポイント増加、「One Piece(ワンピース)」が約70ポイント増加した。

「eBay」におけるグローバル検索データ(2025年10月と2024年10月の比較)
「eBay」におけるグローバル検索データ(2025年10月と2024年10月の比較)

また、2025年1~9月は、「大谷翔平」の検索数が前年同時期比で約110ポイント増加。4度目のMVPを獲得し、ドジャースを2年連続のワールドシリーズ優勝に導いたことが影響した。ほかのスポーツ選手の検索数も、記録更新などの活躍を機に検索数が伸びていることから、イーベイ・ジャパンは「記録更新やルーキーの躍進といった競技上の快挙が、スポーツ選手に関連するカードやメモラビリア(コレクションの対象となるような記念品)の検索数を大きく伸ばした」と解説している。

爆発的な購買行動

「エンスージアスト」が多く集まる「eBay」では、熱量が集まり、コレクターズアイテムに驚くほど高い価値がつくことがあるという。

2026年に「eBay」で販売されたトレーディングカードゲームシングルのなかで最高額となったのは、「ポケモンカードゲーム」初代ベースセット版のキャラクター“リザードン”で、「Charizard Base Set Shadowless 1st Edition Holo Rare #4 PSA 10」のカード。27万ドル(日本円で約4265万円/2026年1月20日付のドルレート換算)超で落札された。初期の印刷仕様である「Shadowless(シャドウレス)」、「1st Edition」の刻印、ホログラム加工といった要素が重なり、「エンスージアスト」の強い需要を集めやすい特長があったという。

約4265万円の落札額となったカード「Charizard Base Set Shadowless 1st Edition Holo Rare #4 PSA 10」
約4265万円の落札額となったカード「Charizard Base Set Shadowless 1st Edition Holo Rare #4 PSA 10」

日本発のコレクターズアイテムが世界の「エンスージアスト」に注目される理由

日本発のコレクターズアイテムが世界の「エンスージアスト」から支持され続けている背景には、次のような理由があるという。

  • 日本の作品が生み出す独自の世界観と文化的深み
    • 国内で人気の“旬なアニメ”が海外でも同時に受け入れられている
    • 過去の名作が長期間にわたり根強く愛され続けている
  • 日本でしか入手できない限定商品や地域特有のプロモーションアイテムが多く流通している

イーベイ・ジャパンによると、2025年は「日本セラーの存在感がより一層際立った一年」。トレーディングカード鑑定の市場が急拡大し、透明性と信頼性が高まったことで、高価格帯の取引が増加している。その流れは漫画へも広がり、鑑定済みコミックスが高額で落札されるケースが見られるなど、新しい価値や需要が生まれている。「日本発コンテンツの幅広さと市場の成熟度がさらに高まっている」(イーベイ・ジャパン)

2026年は日本商材×ライブ体験に期待高まる

イーベイ・ジャパンは、2026年は米国を中心にライブコマースが大きな盛り上がりを見せ、コレクターの購買体験を変えつつあると指摘している。

2026年は「ポケットモンスター」が、ゲームボーイ用RPG「ポケットモンスター 赤・緑」が発売されてから30周年になる節目の年でもあることから、日本商材とライブ体験が結び付く可能性が大きく高まると推測している。「eBayとしても、この領域で日本セラーが活躍できる環境作りを積極的に進めていきたい」(イーベイ・ジャパン)

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