AI広告プラットフォームを展開するMolocoは3月11日、ボストン コンサルティング グループ(BCG)との共同調査レポート「AIディスラプションインデックス:AIによって一変する消費者の『発見』」を発表した。
調査では、世界のトップマーケター(シニアマーケティングリーダー)の67%が、AIによりカスタマージャーニーに大きな変革が起こると予想していることがわかった。
「AIディスラプションインデックス:AIによって一変する消費者の『発見』」は、消費者向けの大規模言語モデル(LLM)やAIアシスタントがもたらす影響を分析し、消費者向け事業を展開する17業界を対象に、「AIディスラプション(AIがもたらすリスクに対して自社ビジネスがどの程度脆弱か)」と「顧客関係の強度(十分に顧客関係を築けているか)」の2軸で定性的・定量的に評価した。
旅行・小売・Eコマース・ニュースは「破壊(Breached)」に分類
調査によると、AIの浸透による企業への影響は4つに分類されるという。
このうち「Breached(破壊)」には、旅行、小売・Eコマース、ニュース・パブリッシングなどがあげられており、AIが発見と比較を加速することで高い変革リスクに直面するとした。MolocoとBCGは、これらの領域では顧客関係の強化と、自社プラットフォーム内へのAI導入が不可欠だとしている。
「無防備(Undefended)」「安泰(Secured)」「激戦(Contested)」の3類型も提示
「Undefended(無防備)」には、モバイルゲーム、マッチング、ソーシャル、生成AIプラットフォームなどを例にあげ、中程度の変革に直面する一方で、パーソナライゼーションとAIパートナーシップを通じて顧客関係をロイヤリティへ転換することが課題だとした。
「Secured(安泰)」では、ファイナンスサービスやフィンテック、メディア&ストリーミングなどを列挙。従来からの信頼性と規制により変革リスクが最も低いとしつつ、効率化やパーソナライズされたエンゲージメント推進におけるAI活用の機会があるとした。
「Contested(激戦)」は、生産性アプリなどを例に、顧客との強い関係を持つ一方でサービス変革リスクにも直面しており、自社サービスへのAI統合の方法を定義できる強い立場にあると整理した。
「検索」から「回答」へ、ブランドと消費者の接点が分断されるリスクも
BCGのパートナーでレポート共著者であるジョルジョ・パイザニス氏は、AIが消費者のブランド接点を根本的に変えているとし、マーケターは「発見」「サービス」「顧客関係」の3つの防御力を構築する必要があるとコメントした。
MolocoのCMOで共著者のポール・ダーシー氏は、消費者行動が「検索」から「回答」へ移行することで、幅広い業界のデジタルブランドとの接点が分断されるリスクがあると指摘。長期的な顧客関係やアプリなどのデジタル接点、ブランドとロイヤリティを強化する戦略に注力する重要性をあげた。
調査に参加したMIXIのみてね事業本部副部長兼プロダクト開発部部長の平田将久氏は、AIの普及でブランドと消費者の接点が分断されるリスクがある一方、文脈に根ざした深く強固な顧客関係の価値が再定義されていると指摘。AIが介在しても揺らがないブランドロイヤリティの構築を最優先し、顧客とのダイレクトな接点を強化する方針を示した。
今回の調査はMolocoが5地域(北米、欧州、アジア太平洋、中南米、中東・アフリカ)のシニアマーケティングリーダー283人への調査と、合計ダウンロード数が2000億回を超える3200以上のアプリのパフォーマンスデータを、Molocoのプラットフォームを通じて集計・分析した。なおデータには、Molocoの広告主から得られた匿名化されたバーティカルベンチマーク(継続率、ユーザー価値、獲得コスト、オーガニックと有料トラフィックソースの指標など)が含まれる。
- この記事のキーワード
