AIツールでEC体験を進化させるShopifyの「Winter’26 Edition」まとめ

今回で8回目となるEditionでは、AIをコマース体験全体に統合することを軸に、150以上の機能アップデートが提供される。

鳥栖 剛[執筆]

2025年12月12日 9:00

Shopify Japanは12月11日、ECプラットフォーム「Shopify」の最新アップデート「Winter' 26 Edition ― RenAIssance」を発表した。8回目となる「Edition」では、AIをコマース体験全体へ統合することを軸に、150以上の機能アップデートを実施する。

「Winter' 26 Edition」で発表した一部の機能はグローバルで展開しており、現時点では日本国内での提供が開始されていないものもある。Shopify Japanは、アップデート機能の国内での展開について検討を進めており、準備が整い次第、案内するとしている。

150以上の機能アップデートを実施

AI搭載コマースアシスタント「Sidekick」

アップデートの1つとして、AI搭載コマースアシスタント「Sidekick」を大幅に強化。主な内容は次の通り。

パーソナライズされたホーム画面での提案

事業者のダッシュボードに優先度の高いタスクを表示し、重要業務への迅速な対応をサポートする。

管理アプリの生成

自然言語で必要事項を入力するだけで、コーディングなしに管理アプリを作成できる。

自然言語によるテーマカスタマイズ

煩雑な設定メニューを操作することなく、テーマ設定を自然言語で変更できる。

プロンプトライブラリ

「Sidekick」のプロンプトをスキルとして保存・再利用・共有できるようになり、繰り返し作業やチーム活用が容易になる。

自然言語による「Shopify Flow」の自動化

自然言語で記述するだけで、マーケティングオートメーション「Shopify Flow」の自動化ワークフローを生成できる。

AI画像編集

ファイルエディター内で高度なAI画像編集が可能になり、高品質な商品画像を迅速に作成できる。

AI会話内に商品を表示する「Shopify Agentic Storefronts」

「Shopify Agentic Storefronts」では、「ChatGPT」「Microsoft Copilot」などのAIプラットフォーム上で、事業者の商品を会話のなかに直接表示できる仕組みを提供する。一度設定すれば個別のアプリや複雑な統合は不要。消費者は会話を離れることなく購入まで進められ、どのプラットフォームに表示するかは事業者側で制御できる。成果データも管理画面に反映される。

リサーチプレビューアプリ「SimGym」

新たにリサーチプレビューアプリ「SimGym」を導入した。AIショッパーエージェントを用いて顧客行動をシミュレートし、テーマの比較、潜在的なUX上の課題発見、変更の影響分析を公開前に確認できる。トラフィックが少なくてもビジネスアイデアを迅速に検証できる点が特徴。なお現在はグローバルでのリサーチプレビュー提供で、日本での提供は未定。

実験・検証・最適化を行える「Rollouts」

実験機能を「Shopify」プラットフォームに標準搭載し、事業者が検証と最適化を行えるようにする機能「Rollouts」を実装。変更のスケジューリング、実験の実施、データに基づく意思決定を日常業務に組み込み、実際の顧客データを活用することで、購入体験の向上やコンバージョン率改善を支援する。

越境利益インサイトレポート

新機能「越境利益インサイトレポート」では、関税・税金・配送調整が利益率に与える影響を可視化。国際価格設定やフルフィルメント戦略の最適化を促す。

開発者向けAIネイティブツールの強化

AIネイティブ開発プラットフォームも拡張し、日本の開発者・パートナーを支援する。

  • エンドツーエンドのAIサポート:開発ストア作成、アプリのスキャフォールディング、GraphQL操作、検証済みコード生成がAIで可能に
  • 自然言語インターフェース:自然言語で要件を記述するだけで本番環境対応のソリューションを取得
  • MCP UIコンポーネント:商品詳細やバリエーション選択など事前構築されたコンポーネントで一貫したUXを実現
  • Shopify Catalogへのアクセス:大規模な商品データを統合し検索・発見機能を実現

これにより、開発者は初期設定や保守の工数を削減し、独自のコマース体験の創出に集中できる。


「Shopify」は、事業者と顧客の双方の体験をAIによって加速させるプラットフォーム。オンライン・実店舗・ゲーム・AIなど、あらゆる場所で買い物をする時代に、事業者がどこにいても優れたカスタマージャーニーを提供できるよう支援していく。(Shopify Japan カントリーマネージャー 馬場道生氏)

今回のエディションで“RenAIssance(ルネAIサンス)”というテーマを選んだのは、進歩・勢い・勇気・新たな始まりを象徴する。150以上のアップデートを通じ、マーチャントと開発者がAIの進化を最大限活用できるよう設計している。(Shopify プロダクト担当VP Vanessa Lee氏)

「Sidekick」によりデータ分析のハードルが大幅に下がり、レポート作成時間を削減できた。今後は施策提案にも活用していきたい。(アメアスポーツジャパン ARC'TERYX eCommerce Manager 須田康平氏)

「Sidekick」はマルチブランドを運営する当社に分析の民主化をもたらした。各部門が自律的に分析できるようになり、施策の検討・実行スピードが大きく向上した。(土屋鞄製造所 取締役 沼田雄二朗氏)

「Shopify」は世界175カ国以上で展開されるグローバルコマースプラットフォームで、日本国内ではDAISO、生活の木、Allbirds、KANADEMONO、PAUL & JOEなど多くのブランドが利用している。

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