Criteoは4月23日、AIが購買行動に与える影響を調査・分析した消費者インサイトレポート「コマースとAIに関するトレンドレポート2026」を発表した。それによるとAI(LLM)経由で流入したユーザーは、他チャネルと比べて1.5倍のコンバージョン率(CVR)を示したという。調査は日本を含む6か国・6300人以上を対象に実施した。
AIアシスタントの活用が商品探索や比較の段階で広がる一方、最終的な購買判断は依然として消費者が担い、信頼できるブランドや小売事業者を基点に行われている実態が明らかになった。AIは購買を代行する存在ではなく、意思決定を前倒し・高度化する「発見・比較の起点」として機能しつつあるようだ。
商品発見は多様化、購入は既存チャネル中心に
Criteoによると、商品発見・探索はAI、ECサイト、SNS、動画、アプリなど複数のチャネルに分散し、多様化している。一方、AIが購入を完結させる段階には至っておらず、あくまで検討プロセスの前倒しに寄与していると分析する。
実際、買い物にAIを活用する消費者は96%に達する一方、購入までの過程では他チャネルとの併用が一般的。AIの主用途も「商品情報の収集・価格比較」が中心で、利用割合はグローバルで47%、日本で40%となった。
プライバシー以上に情報の信頼性を
AI活用の拡大により、消費者が抱えている不安も浮き彫りになった。個人情報や位置情報の共有に慎重な層はグローバルで57%、日本は67%。支払い情報についてもグローバル・日本ともに55%が慎重姿勢を示した。
特に注目されるのが情報の信頼性だ。「偽情報や偏向情報への懸念」はグローバルで52%、日本で61%。プライバシーへの懸念(グローバルが46%、日本が37%)を上回った。AIが購買行動に入り込むほど、情報の正確性や推薦の妥当性といった“信頼”がより重要になっている。
「最適化」だけでなく「発見性」も重視
Criteoは、AI時代においてパーソナライズの在り方も変化していると指摘する。パーソナライズと発見性の両立を望む層が最多(グローバルで46%、日本が44%)である一方、完全に最適化された体験のみを求める層は少数(グローバルで16%、日本は11%)にとどまった。
また、検索条件に完全一致しない商品も含めた提案を求める消費者はグローバルで56%、日本で52%。AI時代の価値は「最適化し尽くすこと」ではなく、発見の余地を残した提案設計にありそうだ。
検索は「対話・相談型」にシフト
検索行動も変化している。AIは単なる検索ツールではなく、考えを整理し選択肢を広げる“相談相手”として利用が進む。
検索手段では、画像検索を快適と感じる割合がグローバルで44%、日本で48%。音声検索はグローバルで26%、日本は18%にとどまった。AI搭載のスタイリングアシスタントへの関心はグローバル・日本ともに52%だった。
LLM経由はCVR1.5倍、商品ページ直着地が7割超
事業者視点では、「購買前体験」の設計が重要性を増している。500社未満の米国を拠点とするCriteoマーチャントを対象に、1〜2月に行われたインバウンド・トラフィック・ソースの分析に基づくと、LLM経由のユーザーはファネル上位での接触が中心ながら、CVRは他チャネルの1.5倍だったという。
さらに、70%以上が商品ページに直接ランディングしていることがわかったという。また音声検索や画像検索の利用により購買意欲が高まったとする消費者も59%に達した。
Criteoは、企業やブランドにとって「消費者に選ばれる」だけでなく、AIに正しく理解され、適切に推薦される存在であることが重要になると指摘している。
調査概要
- 調査実施期間:2026 年 1 月 1 日-2 月 28 日
- 調査対象:米国、英国、フランス、ドイツ、日本、韓国の 6 か国を対象に、計6379 人の消費者(日本における回答者数は1074人)
- 調査方法:買い物客を対象にしたCriteoのアンケート調査

